ルヴァン湘南戦
担当:大重正人
勝てばグループ突破という目的が明確な戦いでした。「前半は相手の力をニュートラルにして、いい守備ができていた」とネルシーニョ監督は振り返りましたが、今季初出場の山下選手を中心に決定的な場面はほとんと作らせず、相手のシュートは公式記録で0本に抑え込みました。一方でレイソルのシュートもわずか1本。1点を奪わなければいけない我々でしたから、ハーフタイムには監督から攻撃面での指示があり、さあここからという後半の5分、レイソルの右サイドからのクロスからボレーシュートを許して失点。プレーオフ進出には2点が必要な状況に追い込まれました。
1点が入ったことで、それまで硬かった試合が大きく動きました。レイソルがボールを保持して、湘南はブロックを作るところでしたが、レイソルの選手たちの動き出しが増えて、背後のスペースで起点を作り、相手を一気に押し込みました。三丸選手のヘディングシュート、神谷選手のカットイン、そのこぼれに詰めたり、またCKからのチャンスで何度も相手ゴールに襲いかかりました。失点直後のチャンス、ここで追いつくことができていれば。試合を終わって振り返ると、運命を分けた時間帯でした。
両チーム、フレッシュな選手たちが入ると、レイソルが人数をかけて押し込み、また湘南はカウンターを狙う。オープンな展開が続きますが、どうしても1点が遠いままアディショナルタイムへ。川口選手が本来の右サイドに回り、果敢なドリブル突破からクロスを入れると、それを逆サイドから三丸選手が折り返し、最後は高橋峻希選手のヘッドがついにゴールを揺らしました。
そしてラストワンのセットプレー。先日のルヴァンカップの浦和戦だったり、U-18プレミアリーグの浦和戦でも数分で2点入ることもありました。最近ではリバプールのGKアリソン選手がヘディングでゴールを決めたこともありました。GK佐々木選手が上がった2つのセットプレー、最後まで何があるか分からないということを信じ、期待して最後のプレーを見守りましたが、勝ち越しゴールには届かず、グループステージ敗退が決まりました。
この6試合を振り返れば、やはり3試合目のホーム湘南戦で90分に追いつかれてのドロー、そして5戦目の浦和戦、3-1とリードしながらATでの連続失点で同じくドロー。この2試合で失った4ポイント、相手に与えた1ポイントずつ、悔やまれる結果でした。そしてリーグ戦も含めて、全てがうまく行っていないわけではありませんが、1点を取る、1点を防ぐというところで、あと一歩噛み合えていません。例えば今日の同点ゴールは、川口、三丸、高橋峻希、3人のDFたちの攻撃参加によるものでした。守備の安定を図って試合を進めることが第一ですが、時にはボールをしっかりキープしながら、後ろの選手が厚みを出したり、リスクチャレンジすることも求められます。攻撃と守備のバランスを取りながら、いかに90分の試合を進められるか。今日の後半で選手たちが見せたパワー、迫力、ゴールへの意志は必ず次につながるものだと思いますし、ここから続いていくリーグ戦でなんとか結果を導き出してほしいと思います。