2021年5月22日

マリノス戦

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担当:大重正人

ネルシーニョは「アラートに」という言葉を選手たちにしきりに伝えていました。警戒して、注意深く。そして集中を続ける。ここ数試合は一瞬の隙を突かれたりなど不用意な失点があり、また失点する時間帯も勿体ないこともあって、残念な試合が続いていました。今日、86分に松原選手の見事なシュートに見舞われはしましたが、あれは脱帽するしかない一閃でした。キックオフからタイムアップまで、今日の選手たちは本当に集中を切らさず、研ぎ澄ますようにして、全員がハードワークを続けました。結果、惜しくも勝ち点3は逃したものの、3連敗を止めた価値ある勝ち点1でした。

立ち上がり、レイソルの守備陣形が整う前に、マリノスが繰り出すスピーディーな攻撃でサイドのスペースを突かれましたが、「マリノスはクロスからの得点が多く、センターバックが釣り出されないように気をつけた」という上島選手の言葉通り、中央のゴール前は何とか固め、立ち上がりの失点を防ぎました。

マリノスは今日も攻撃的なスタイルを貫き、ポジションチェンジ、オーバーラップなど人数をかけてどんどん前に出てきました。ただレイソルが奪った瞬間にはスペースがあります。マリノスのプレッシングを剥がすことができれば一気に攻撃のチャンスです。今日はそのプランを選手たちが忠実にハードにやり続けました。前半のシュート数は、レイソル7本に対し、マリノスは1本。ポゼッションは譲りながらも、堅守速攻でチャンスを生み出しました。

この日1トップに入った細谷選手の奮闘が光りました。今日は攻守でチアゴ選手とのマッチアップ。守備時にはマリノスの攻撃の起点となるチアゴ選手をマークし、また攻撃に切り替われば、スペースに動き出し、体をぶつけられながらも懸命のドリブルキープやセットプレーの獲得などレイソルの攻撃ターンを作り出しました。前半22分、チアゴ選手の裏をとって抜け出すところで倒された場面。あわやDOGSO、決定的機会阻止となってもおかしくないような仕掛けで、相手を脅かしたシーンもありました。J屈指のDFに対し、スピードでもパワーでも引けを取らず、何より勇敢に立ち向かった姿勢にチームは引っ張られました。

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後半になると、マリノスの攻勢は一段と強まりましたが、逆にレイソルのカウンターもはまるようになりました。特に左サイドの仲間選手は激しいタックルからの仕掛け、また神谷選手は彼らしいテクニックやドリブルで何度もチャンスを作りました。後半26分のこの日1番のビッグチャンス、とても悔やんでいるでしょうが、あれだけのハードワークを続けていれば、必ずやまたチャンスが巡ってくるはずです。

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その神谷選手に代わって入ったイッペイ選手が、ついにマリノスのゴールをこじ開けました。「クロスが入ったらディフェンスの前にいこうと思っていて、クロスがうまく相手の裏の方にきたので滑り込んでシュートというイメージ通りになった。正直ボールもそこまで見えていなく、ボールがきてくれと思い滑り込んだら本当にボールがきた」。スライディングしながら体ごと押し込むようなゴール。「僕にとってはマリノスは日本に帰ってきて初めてプレーさせてもらったクラブ。複雑な思いもありました」と少し控えたゴールセレブレーションに、古巣へのリスペクトがありました。待ちに待ったレイソルでの初ゴール、攻撃面で貢献したかったという思いがついに叶いました。

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厳しい現実を言えば、勝ち点3が手中に入りかけたところで失ってしまった。リードして、最後押し込まれる局面になっても跳ね返すパワーと強いメンタル。若い守備陣にはもっともっと成長して素晴らしいDFになれる要素があります。上島選手からは「今日の戦いをスタンダードにしていかないといけない」という言葉もありました。3連敗中、そして前節はホームで0-4という状況から、このマリノス相手にここまでの戦いができたのですから、自信を持って、そしてハードワークと組織での戦いを忘れず、来週のホーム2連戦で次こそ勝利を届けてほしいと思います。今日はいい戦いを見せてくれました。次は勝利の拍手を贈れますように。

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