2021年11月 3日

名古屋戦

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担当:大重正人

昔話は、世代が違う方、若いサポーターの方からすれば、現実味のないことで、すべきではないのかなとは思うのですが。それでも、ここ豊田は、レイソルにとって特別な街です。街並みを見ると、今から10年前の冬、クラブワールドカップに集まってきたブラジルやメキシコの方など、ラテン系の人たちがお祭り騒ぎで闊歩している風景を思い出します。今日も豊田の方に「レイソルさんが10年前、ここで勝った試合をすごくいい席で見させてもらったんですよ!」と言ってもらえたのはとても嬉しいことでした。

なぜ、この話を書いたかというと、今日のグランパスは、あの時のレイソルのようにゲームを支配、コントロールして、ミスがなく、守備が堅く、セットプレーのチャンスを逃さない。盤石という言葉が本当にふさわしい、と思ったからです。

レイソルの立ち上がり、非常に良いスタートでした。自陣でボールを奪うと、ライトバックの大南選手が少し上がってとてもいい位置をとり、カウンターの起点となりました。開始早々の仲間選手のシュート、名手ランゲラック選手も動けなかった一撃がポストの内側に当たっていれば、試合の展開が変わり、結果も変わっていたかもしれません。他にも仲間選手の左足のシュートや、サヴィオ選手のボレーシュートなど、決定機を作ったのはレイソルの方でした。「技術的な部分・戦術的な部分で準備してきたものをバランスよく攻守において出せていた」という監督の言葉にもそうありました。

ただ、そこを際どいながら無失点で凌げるのがグランパスの今の強さであり、何気ない一つのスローインから、どこかスルスルと抜け出されて失点してしまったレイソルとの違いを見せつけられた気がします。2失点目、CKから中谷選手のヘッドが決まり、相手は相当余裕を持てたことでしょう。

「集中力が切れた時間帯で、崩されたわけではなかったがスローイングとコーナーキックからやられた失点だった。それ以外では相手に決定機を作られることはほぼなかったので、この2つのディティールに泣かされたゲームだったと思う」(ネルシーニョ監督)

この前のレッズ戦とは違い、この2点の場面以外は、試合を通して選手たちは懸命に走り、戦っていたと思います。でも、こういう要所で踏ん張れなかったら、それまでの頑張りは決して実りません。守備の意識を強く持って戦うチームであるならば、アラートに注意深く、声を出して周りの気持ちを集中させるなど、こうした失点を絶対にしてはいけません。特にグランパスのような相手を戦う時は。チームとしてこうやって戦おう、準備してきたものを出そうという戦いができていたのなら、本当に惜しいことです。シンがあれだけ輝いているところを目の当たりにすると、なおさら悔しい思いも募ります。

今日の試合をどう捉えるか。やれていた部分も十分ありますし、でも反省すべき点も当然あります。次の日曜、ホームでセレッソ大阪戦が中3日で迫っていますが、勝利という結果、勝ち点3を取らなければ。下からの追い上げが忍び寄っています。