2022年5月26日

アウェイ札幌戦

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担当:大重正人

公式戦4試合連続ノーゴールから一転、大量6得点のゴールラッシュでアウェイ札幌戦を制しました。もちろん、開始10分で相手に退場者が出て、しかも札幌のキーマン福森選手がピッチを離れた、リーグ随一のプレイスキッカーの脅威がなくなったというのは、レイソルにとって大きなアドバンテージでした。これで何としても勝ち点3を持って帰らなければという試合になり、ともすれば焦りや硬さが出てきてもおかしくない展開とも言えました。

無得点からのゴールラッシュは「ケチャドバ」と言われることもありますが、選手たちが急に何か大きく変わったということはないと思います。これまで続けてきたサッカーを今日も継続してやり続けたことに尽きると思います。ネルシーニョ監督も「確かに直近の試合ではなかなか決定機を作りながら点を決めることができていなかった。今年は若手中心の編成ですし、そういうことが続くと選手の精神面も滅入ってしまうこともあるが、こういう状況だからこそ選手との対話をを大事にしてきた。点こそ入っていなかったが決定機は作れていたし、決して悲観的になる必要はないと。もう少し細かいディテールの部分、ペナルティエリアの中でどこに立ち位置をとるか、あとは決定機にしっかり備えること。準備をしっかりしてくれと伝え続けた結果、今日のゲームにつながったと思います」と継続の成果を強調しました。

こういう試合は、イーブンや1点差の状況が続くと、数的有利の方が難しくなることもあります。その意味で、数的有利になってから、わずか5分後に先制点が取れたことでプレッシャーからまず解放することができました。「今年は一発取りたいですね!」とことあるごとに取材でそう答えてきた高橋祐治選手がやってくれました。相手クリアを拾って、右足を強振!目の覚めるような低い弾道がゴールネットに突き刺さりました。「相手が10人になって早く点が欲しかったが、その1点が自分のゴールでチームを助けられたのでそこは嬉しいです。ボールがこぼれてきたので、ハッキリしたプレーをした方がいいなと思って思いっきり打ったら入った。ミドルシュートを決めるというのはプロになって初めて。ゴールが決まって気持ち良かったです」

さらに26分でした。右サイドの裏のスペースを徐々に取り始めていたレイソル、大南選手のオーバーラップから、小屋松選手がすらして、最後は細谷選手が左足でゲット。この2点目もチームに落ち着きをもたらしたことでしょうか。後半開始から9分、サヴィオ選手のカウンターで3点目。この時間帯も反撃を期す札幌の選手たちの出鼻をくじく大きな一発でした。その4分後には、2点を演出していた小屋松選手がボックス内で彼らしい落ち着いたボール捌きでゴールゲット。無得点が続いた試合でチャンスを惜しくも決めきれなかったこともありましたが、コヤにとっても大きなゴールになりました。

4点のリードで、連戦が続く選手たちをスイッチできたこともプラスでしたし、その交代出場した選手も躍動してくれました。森海渡選手がボックス内への仕掛けでPKをゲットし5点目、サヴィオにキッカーを譲ってもらっただけに安堵の笑顔でした。さらに2分後、左サイドから抜け出すと、ドリブルで相手をかわしてにシュート態勢に。まるで広島戦の逆転ゴールと同じようなシチュエーションに持ち込むと、同じようにニアに打つかと思いきや、ファーサイドへ見事なシュート。この左サイドからのシュートは本当に自信があるんだろうなという迷いのないシュートで今季4ゴール目を沈めました。

札幌は数的不利になっても、必要以上に引かず、前から前からという攻撃姿勢を貫いたこともあり、レイソルにチャンスもありながら、逆にピンチもありました。カウンターに行けてしまう分、少し間延びしてしまうこともありましたが、ハーフタイムにも「コンパクトにしよう」という選手の声も聞かれましたし、ネルシーニョ監督からも「リードしても、相手が少なくても、守備でやるべきことは変わらない」と組織的な守備を最後まで続けました。後半には前線に個の力があるアタッカーが並ぶ中、無失点で終えられたらベストでしたが、2試合連続先発のGK佐々木選手の好守もあり1失点に抑え、4試合ぶりの勝利をおさめました。

他会場、鹿島vs鳥栖や、川崎vs湘南では、それまでの順位や試合展開が一気に覆るような試合もありました。札幌では素晴らしい勝利を得ましたが、何が起こるかわからないのが、今のJリーグです。チャンスもあれば、すぐに苦境に陥ることもあります。「今日の勝利はここまでだ。ここからは次の清水戦に勝つことだけを考えていこう」と監督はすぐにチームを引き締めました。この日も平日ナイター、しかも札幌まで駆けつけてくださったサポーターの皆さんと勝利の写真撮影ができましたが、やっぱりホーム日立台でこの喜びを分かち合いたいと、選手もサポーターの皆さんも思いは一緒でしょう。次の日曜日、記念ユニフォームを来ての最後の試合になります。引き続きスタジアムでの応援をどうぞよろしくお願いいたします。