鹿島戦
担当:大重正人
まず、今日の日立台、12000人を超える両チームサポーターの作り出す雰囲気は、まさに戦場のようで、熱く激しく、そして味方を後押しする力に、ウォームアップから試合タイムアップまで途切れることはありませんでした。多くのご来場、そして熱い応援をありがとうございました。
先週のマリノス戦の大敗からいかに立ち直り、修正できるか。そういった意味では、2位の強敵鹿島を相手に、互角か、それ以上の戦いを見せてくれたと思います。試合後の拍手もそれを物語っていたでしょう。だからこそ、勝ちたかった。セットプレーとPKでの2失点ですからなおさらです。逆に、こうした拮抗した試合を際どくものにできるのが鹿島というチームの強さで、今のレイソルとの小さいようで大きい差なのかもしれません。
試合後の会見。鈴木選手はPKを自ら獲得したにもかかわらず、エヴェラウド選手に譲ったことについて「自分が復帰して、エヴェを復活させることが自分のミッションだと思っていた。みんなが彼の復調を待っていて、自信を取り戻してくれたという思いでした」。チームメイトで、ライバルでもある同じFWに対して、こういうことを有言実行できる選手はなかなかいないなと。また先制ゴールのキムミンテ選手も流ちょうな日本語で「綺世(上田選手)が抜けて苦しくなるが、選手たちで『自分たちでしっかりやっていこう』と話していた」と、エースが抜けるという窮地を選手一丸となって乗り越えようとする強さを感じました。(コメントはアントラーズサイトより)
一方でレイソルも、あの大敗の直後、またDFリーダーの高橋祐治選手がサスペンデッドの状況下。前線から激しく追って、また裏へのフリーランニングも量が増えました。立ち上がりからボールを握って攻め込み、0-1となってから、武藤選手の素晴らしいヘディングで同点に。なおも攻勢を強めた時間帯は、選手たちのメンタリティとサポーターの後押しが一体となって、強かった時期のレイソルの雰囲気を少し思い出すようでした。
ネルシーニョ監督も「今日のゲーム全体を見返した時に、一点ビハインドになってからも選手たちがしっかりと戦う姿勢を見せてくれたし、相手のエリアに侵入するチャンスも作れていたと思うので、結果にはもちろん満足していないが、今日のゲームの内容でうちが不利な状況でも選手たちは動じることなく最後まで戦い抜いてくれた。前節よりも間違いなく良い内容のゲームだったし、結果こそ付いてこなかったが、次につながる試合だったと思う」。
チームを蘇らせた武藤選手は個人とチームの手ごたえを感じながらも、強いチームで戦ってきた経験に基づく、我々が目指さなければならない方向を示してくれました。「多くのチャンスが作れたことを前向きに捉えたいし、今度はいかに再現性を持って作り出していけるかというところと、最後の部分で決め切るところによりフォーカスしていければ、今後は今日みたいな試合を勝ち試合に持っていけると思う。上位に行くためにはこういった試合で勝つか勝たないか、口で言うのは簡単だが、鹿島はこういう試合で勝って上位に残る。僕らは負けてしまったので、もう一度上に食らいついていくために、また一つずつ勝っていかなければいけない。」
上位対決での連敗は当然痛く響くものではありますが、これから若いレイソルが強くなっていくためには乗り越えていかなければいけないところです。続く水曜には中3日で名古屋戦です。この日立台でホームサポーターに喜びと笑顔を届けてくれることを祈るばかりです。今日もご声援ありがとうございました。