2022年8月 7日

アウェイ京都戦

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担当:大重正人

ネルシーニョ監督が、アディショナルタイムに入って、森、北爪、三原と3人の選手を投入しました。残すところはわずか数分、監督が見せた勝ちに行く姿勢に応え、この3人がゴールに迫る動きを見せて、レイソルのギアは最後の最後まで上がり続けました。

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その前、後半途中には、京都がウタカ選手と大前選手を投入していました。これまで既に今季3回の対戦、2人にはゴールを許して、特に日立台での大前選手にはルヴァンカップ敗退を喫していました。今日も危険で嫌な動きを繰り返されました。それでもレイソルのDFたちが食らい付きました。大前選手のドリブルやキープには脚を動かし、ウタカ選手のポストやシュートには体をぶつけて懸命に阻止しました。あの劇的な場面も、高橋祐治選手がウタカ選手を潰したところがスタートでした。

「先にこっちのミスで失点をしてしまい、厳しい展開でした。でも0−1の時間を長くしたら絶対にチャンスは来るとみんなで話していました。後半は球際のバトルが鍵になると話していて、そこは京都も強みで難しかったですが、僕らも負けずに戦えた」

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そこでボールを託されたのは椎橋選手でした。「その前に、武藤さんへのスルーパスがちょっと弱くて引っかかって、ミスしてしまったところで、祐治くんがもう一度カットしてくれた。自分で持ち上がってシュートを打つ選択肢もあったけど、武藤さんの足元に強気でパスを出したらいい感じに通りました」

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シイの話にあったように、その前のチャンスは呼吸が合わず武藤選手も天を仰ぎ、ここで終わりかという瞬間がありました。ただ高橋選手のカットでセカンドチャンス。鳥栖戦もそうでしたが、武藤選手は一度合わなくても辛抱強く何度も動きをやり直せるところに彼の数々のゴールの所以があります。「お互い球際で激しく戦っていて、すごく締まったゲームをしていたと思う。その中でもお互いにチャンスもあったし、僕が入る終盤には少し京都も疲れが見えてて、若干スペースが空いてきているのは感じていた。そういったところで一発ボールを引き出してゴールを決めたいと思っていた」

目の前には、京都のGK上福元選手が立ちはだかっていました。リーグ有数のセーブ率を誇る鉄壁GKの正面、シュートコースを狙うというより、足の間を狙って、思い切り振り抜いたシュートでした。足に当たったボールがそのままゴールへ。これまでの90何分を戦ってきたチームメイトと、サンガスタジアムに詰めかけた1000人以上の黄色いサポーターの気持ちがボールに乗り移っていました。「時間が時間というか、ラストプレーだったので、僕自身も本当に興奮しました!またチームメートとサポーターの皆さんが喜んでいるのを見て、さらに嬉しくなりましたし、仕事ができたという達成感を得ることができました。

前半7分、DFラインの田中選手と佐々木選手が連携が乱れて、思わぬ失点を喫しました。敵陣でのファウルから相手のクイックリスタートが早く、少し慌てたところもあったかもしれません。ただ彼らもあの場面を振り返り、どうすべきだったかということはしっかり話し合ったでしょうし、答えは見つけ出せていると思います。そして試合中、平静を取り戻しよく立て直しました。ルーキーでリーグ戦初先発に抜擢された土屋選手も力を出し切りました。

「今日はセカンドボールや球際の部分がすごく大事になってくる試合で、自分のプレーは納得のできるようなものではなかったですが、潰すべきところは潰せたり、所々で仕事はできたかなと思います。Jリーグという舞台で勝ってスタートを切れたのは今後に繋がってくると思うし、自信にもなると思うが、課題がまだまだたくさんあると感じたので、今日の試合は本当に仲間に助けられた試合でした。母校の日体大柏のチームメイトやお世話になった人から、今日のメンバーが公式発表されてから連絡をくれた人がたくさんいて、そういったものを試合前に見て、やらなければという気持ちになった。感謝の気持ちでいっぱいだし、これから結果で返していきたいです」

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あの最初の失点でもし敗れていたら、若い選手がより責任を感じてしまったかもしれません。ただ、あのプレーをみんなでカバーして、勝利という結果で塗り替えられたのもチームとして非常に大きかったと思います。武藤選手は「シーズンの最初からあまり柏レイソルのへの期待はそこまで大きくはなかったと思うんですけど、そこに対してキャンプからみんなで頑張ろうという部分を見せながらやってきました。若い選手が多い中で、勝利するごとにみんなが自信をつけて、より前向きに成長したプレーが増えていると感じています。ここから難しい試合が続くと思いますが、プレッシャーがかかる中で僕自身も引っ張っていけたらなと思います」。

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最後に一つ、前半終了間際で危険なカウンターのピンチがありました。レイソルの左サイドが空いていて明らかに人数が足りていませんでした。「マズイ!」と思ったところ、背番号19の姿が飛び込んできました。最前線の細谷選手が猛烈なスプリントでバックし、相手の攻撃を遅らせました。攻撃だけでなく守備も全員で、決して手を抜かない。ああいうプレーが今のレイソルで全員に求められていることであり、それが成績に繋がっていると改めて感じました。

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土曜日時点で、暫定ですが鹿島を抜いて2位に上がりました。次節は、同じく5位につける広島をホームで迎え撃ちます。レイソルと同じく好調のチーム、引き続き厳しい試合になるでしょう。今日のアウェイの声援は最初から最後まで本当に心強く、チームを後押しし助けてくれました。次の日曜、日立台も熱狂的な雰囲気で選手と共に戦ってください。ご声援ありがとうございました。