川崎戦
担当:大重正人
もちろんフロンターレは2連覇していて、選手個人もチーム組織もそれに値する強くすばらしいクラブに変わりありませんが、今日のレイソルは相手をリスペクトしつつ、前節の様にリスペクトし過ぎることもなかったと思います。チャンピオンチームに真っ向から戦いを挑み、勇敢に最後まで戦い続けたと胸を張って言える試合でした。結果こそ1-1、お互いに勝つチャンスはあったと悔やむ内容だったと思いますが、成果も十分にあったと感じられます。
フロンターレは中2日でのアウェイ連戦で、非常に過酷な状況でした。「少しコントロールしてしまったかもしれない」と鬼木監督も振り返っていましたが、ボールを握りながらもゲームテンポをキープしつつ、また守備も前から追いまくるというよりはラインを保ち、機を見てチャージするという立ち上がりでした。その分、攻守の入れ替わりが多くなく、レイソルもしっかりボールを運んで前進し、シュートチャンスも作り出していました。いい試合の入りでした。
今日は久々の4バック。「ここまで勝てていなかったので、何かを変えなければいけなかった」とネルシーニョ監督。ドウグラス&細谷の2トップが、相手の2センターバックをマークしつつ、アンカー、シミッチ選手への供給を防ごうと連携良くディフェンス。4-4-2のシステムで、相手とのマッチングを合わせたことで、これまでの5-3-2とは異なり、サイドの選手のマークもはっきりしました。全体的に強度高く守備ができていて、奪ってからのカウンターチャンスもありました。「この強度で長く戦えればチャンスがある」と期待を込めて見守っていました。
ただ、前半の飲水タイムあたりから、家長選手が右サイドから内側へ入り、レイソルの4-4のラインの隙間へタテパスが入るようになりました。相手のリズムになっていた時間帯、前半27分、中央を突破されたところでGK佐々木選手が防いだファインセーブ。すばらしい対応で粘っていたものの、ついに失点。1点ビハインドで後半を迎えました。
それでも前半の戦いぶりに、選手たちも「まだまだやれるぞ!」と気を落とすことなく、いい形で後半に入れました。「相手には強さと質の高さがあって、前半特に自分たちのポゼッションの時のポジションが良くなくて、ハーフタイムに監督と話し、後半は修正して自分たちのペースに持って行けた」。北爪選手の言葉通り、彼らしいオーバーラップが増え、後半はレイソルペースになりました。63分、椎橋選手のくさびを、インサイドで受けた三丸選手が浮かせると、細谷選手が粘りこんだこぼれ球をドグが蹴りこみました。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) September 17, 2022
細谷真大がPA内でつぶれて、
混戦からドウグラスが仕留めた
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2022明治安田生命J1第30節
柏×川崎F
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ここからが本当の勝負でした。ケンゴは再三の攻撃参加と宮城選手への対応でかなりスタミナを削られているように見えましたが、そこにマルシーニョ選手が取って代わるという本当に厳しい状況にも最後まで耐え抜きました。残り15分、攻守ですばらしいバランス、つなぎを担っていた小屋松選手に代わり、戸嶋選手が入ったのはトップ下。シミッチ選手のマークとセンターバックへのプレスを担うという監督からのタスクをこなし、そして左サイドへ回った細谷選手へのビッグチャンスを演出。あの流れるようなパスワークからゴールが決まっていれば、この試合、最高の瞬間になっていました。
最後までいつゴールが生まれるか分からない、ハラハラした展開でしたが、全員の懸命な走りが勝ち点1につながりました。もちろん勝利が最高で、満足の結果ではありませんが、ここ数戦の戦いから、何とか立ち直りのきっかけとなればと思います。
「ここ数試合すごく失点が重なって、自分で防げる場面が多かったと感じていた。その中で次の試合どういうメンタルで自分が挑むかとか、そういったところは意識して今日の試合に入ったし、1失点してしまったけど自分が示せるものは今日このピッチで示せたと思う」。今日、すばらしいセーブを見せたGK佐々木選手、試合後の会見後すぐに、マオとともにU-21日本代表に向かいました。世界が見える場所でさらなる活躍を!柏から応援しています!