ルヴァン新潟戦
担当:大重正人
負ければ敗退濃厚。1-2と逆転されて逆リーチがかかったものの、そこからの立て直し、そして反撃が見事に結実し、3-2の逆転勝利!大きな大きな勝利で、ルヴァンカップ4節を終えて、勝点5の3位に。7ポイントの福岡、6ポイントの新潟、そして柏、4ポイントの鹿島、という順位に大きく変わりました。
先々週からの改善が見えた立ち上がりでした。「相手のポゼッションに対して、自分たちが行く時と引く時、潰しに行く時のバランスをとる。そこを朋樹くんと担うのが一番の役割でした」という加藤匠人選手。2トップの武藤選手と真家選手と中盤の4枚がラインを構え、2トップからにじり寄るように距離を詰め、コースを限定し、ボールをカットする。守備の狙いがはっきり見えましたし、アウェイでやられたような試合にはならないだろう、というのが一目で分かる立ち上がりでした。
そして17分、スローインから素早く展開し、背後へ抜群の動きだしを見せた武藤選手に向けて、小屋松選手からのスルーパス。GKとの対峙に落ち着いて左足で流し込んで、今季初ゴールを奪いました。「本当に早くゴールを決めたいと思っていたし、スタメンで気持ちも入っていた。ルヴァンは負けられない状況だったので、結果出して貢献したいと思っていたし、ゴールを決められて本当に良かった。シュートに関しては、小屋松に入った瞬間にうまくスペースを見つけられたし、最高のパスがきた。一対一のシンプルな形だったが、僕の中では身体でフェイントをかけるというか、ニアに蹴るようなフリからファーに流し込むという、自分の狙い通りの形だったので、気持ちよく入りました」
ただ、今季J1で旋風を起こしている新潟の攻撃スタイルに、今日も手を焼きました。パスワークに激しく行ったところで剥がされての失点。レイソルがビルドアップでロスしてからのカウンターで失点。あっという間に試合をひっくり返されてしまいました。
グループ突破へ後がないレイソル。ネルシーニョ監督は後半開始から細谷、戸嶋、立田と3選手を一気に投入すると、いきなり奏功。左サイドに回った川口選手のクロスに、細谷選手がニアでヘディングシュート。大きな大きな同点ゴールでした。今週はFWの選手たちを集めて監督がミーティングを行ったり、特別のシュート練習を行なったりしていました。その成果がすぐに表れました。
さらに後半8分。CKのピンチから一転してカウンターのチャンス。スプリントする黄色の選手の迫力、パワーが凄かった。その一人が山田選手でした。「いつもだったらあそこまで出ていかないかもしれない。でもホームだったし勝たなければいけないところで、身体が自然と動いた。マオに必死について行った」。小屋松選手の独走に続いた選手たちの頑張りが実を結びました。「マオが打つと思ったからスルーしてびっくりしました。でも入ってよかった」
ゴールを守ったのは、今季初出場の猿田遥己選手でした。「応援の声がある中でプレーするのが初めてだったので、応援が胸まで響いてきて、そのおかげで逆に緊張が解けた」。前半のシュートは、自分でも反省点がある様子で「失点したからこそ、自分の改善点も見えてくるので、勝って反省できるのが一番良かったなと思う」。そのミックスゾーンで、ハルキがコメントするのをニコニコ見ていたのがタクトでした。「今日、これが最後のチャンスだと思っていました。今日、監督が求めるプレー、チームのためにできなければ、今年はメンバー入りすることすらないんじゃないかと思っていた。でもいつも通りプレーすることを心がけて、心技体のバランスをうまくとれたのが大きかったです」。ユースからの同級生の2人が、同じ日に掴んだ日立台初勝利。微笑ましいミックスゾーンでした。
カップ戦、リーグ戦を経て、苦しんだ中で掴んだ勝利をきっかけにして、選手たちは少しずつ自信を取り戻し、逆境を跳ね返す力を見せ始めています。終盤に見せたパスワーク、相手の疲労があったにせよ、あれほどまでボールを動かし、そしてシュートまで持ち込む力は、今のレイソルの選手たちも十分持っています。敵陣までいかにボールを運んでいくか。そこがよりブラッシュアップされれば、もっとシュートチャンスも得点も増やせるはずです。次のリーグ戦こそ、正念場です。日曜のアウェイセレッソ戦、引き続き応援をよろしくお願いいたします。