2023年5月20日

神戸戦

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担当:大重正人

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監督交代という大きな決断の後の初戦。選手たちもスタッフもサポーターも、ここからもう一度奮い立ち、出直していこうと、この火曜日からの時間を過ごしてきました。練習では、チーム全員でのシュートトレーニングなど、みんなが味方を盛り上げ、士気が高まっていることが伝わってきていました。そして今日のスタジアムの雰囲気、その前の決起集会から、新しい応援歌がスタジアムの外まで響いていましたし、ヴィッセルの吉田監督も「相手を乗らせてしまった」とこの日立台の圧力を感じとっていた様子でした。

井原正巳新監督が、まず新しい出発の試合で選手たちに意識づけたのは「ミスを恐れないこと、ミスが起こってもみんなでカバーしていこう。積極的なミスはOKないし、消極的なミスはやめようと。選手たちは自信を持ってハードワークしていたし、萎縮しているようなところは全くなかったこれまで少し思い切りに欠けていた選手たちの硬さをとり、アグレッシブさを取り戻すよう、ピッチへ送り出しました。

「これまではどうしても最終ラインはリスクを避けるプレーが多くなっていた」とキーパーの松本選手。「ボールを繋いで行くというチャレンジ、時にはリスクを犯して行くという戦い方の幅は前より広がったと思う」という変化が、プレーにも表れていたと思います。キックオフからの戦いを見て、少しずつ違いを感じ取った方も多くいたと思います。

ただ首位のヴィッセルからは、今の順位の好調さと経験豊富な選手たちのどっしりとした落ち着きのようなものも感じられました。守る時はしっかり守り切れる、点も取れるという自信。レイソルが押せ押せだった前半開始から一転、大迫選手のターンから、ミドルシュートがマウスを叩いたシーンや、先制点のシーンもゴール前であれだけ落ち着いたプレーをできる武藤嘉紀選手と大迫選手のプレーに、静かな強さを見せつけられました。

ただ、そこから崩れず、後半にかけてさらにギアを上げていったレイソルの戦いぶりに、スタジアムの応援の力が加わって、後半のシュート数で言えば「9対0」と首位ヴィッセルと土俵際まで追い詰めました。もちろん自分たちのシュートでゴールネットを揺らせなかったという事実はありますが、ネルシーニョ監督時代から培ってきた前線からの守備意識、細谷選手のプッシュが相手を追い詰め、オウンゴールを引き起こしました。

フロート選手を投入した後、細谷選手を右サイドに置いたというのも、井原監督流の変化の一つでした。「ジェイは推進力があってボールが収まるし、カウンターの起点に慣れる。細谷はタイプが似ているところもあるので、2人のスピードを生かす狙いだった。その2人が相手を引っ張り、空いたスペースをサヴィオや武藤が使うことで活性化を図った」。レイソルの主力FWである武藤、ジェイ、細谷の3人を同じピッチで特徴を発揮させ、共存させる。そんなチャレンジ、変化もありました。「あと数センチだった」と悔やむジェイ、またムトーからパスにダイレクトで合わせたマオのボレーなど、あそこで決まるか決められるかは引き続きの課題です。

井原監督は「サポーターの皆さんがすごくいい雰囲気を作って後押ししてくれました。なんとか勝ち点3を取りたかったが、内容的には悲観するものではないし、首位神戸からの勝ち点1をポジティブに捉えて、ルヴァン鹿島戦やリーグ戦の川崎戦にもう一度いい準備をしていきたい」と述べました。この1ポイントを価値あるものにするために、水曜の鹿島戦でいい試合をして、川崎戦へ繋げていきたいです。今日は12500人の皆様にご来場をいただきました。レイソルサポーターの皆様にはこの苦しい状況下でも新しい井原レイソルへの期待を込めて応援くださいましてありがとうございました。

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