2023年9月 3日

F・マリノス戦

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担当:大重正人

6月のアウェイ日産スタジアムでのゲーム。DAZNの番組で前半戦ベストマッチに選ばれたゲームでしたが、我々レイソルにとっては同じようには受け止めきれない、悔しくて、辛くて、深く刻まれている試合です。選手たちの思いが同じだったか分かりませんが、でも70分の相手のイエローカードの場面、レイソルの選手があんなに激しく抗議するのは珍しいことでした。あの試合の悔しさと今日のリターンマッチへの思いが強く見えた気がするワンシーンでした。

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あれから3ヶ月弱。あの試合の無念を、今日の選手たちは自分たちの力で晴らしました。ラッキーとか、偶然とかでなく、強敵のマリノスに怯むことなく立ち向かい、ねじ伏せた試合だったと思います。結果も内容も伴った今季のベストバウトでした。

レイソルの4-4-2の守備システムは、試合を重ねるごとに強さを増し、連携が深まっている。そう感じさせる前半でした。細谷&山田康太の2トップが、相手の2センターバックと、ダブルボランチの間に立ち、縦パスのコースを消す。ボランチへのパスを遮ると、エドゥアルド選手と上島選手の間でパスが往復し、簡単に前進を許しませんでした。ロングボールは跳ね返し、セカンドボールや球際の戦いでレイソルの強度が上回っていました。この勢いのままゴールを、というところで椎橋選手が決めたシュートは惜しくもオフサイド。でも、スタジアムはそれほど落胆した雰囲気にはならなかったように思います。このままいけば、またチャンスは来る。

後半始まって7分でした。左サイドから、相手との駆け引きで見事に裏を取ったサヴィオ選手が抜け出してキープします。後ろから全体で押し上げると、今日は高嶺選手と経由してでしたが、天皇杯での戸嶋選手のシーンと同じように、右サイド大外へラストパスが届きました。「相手選手の股を狙おうと思ったが、意外と時間があったので、左足に持ち替えてうまく振り抜けた」。相手DFにブロックされそうな間合いかと思いましたが、「今日は先発で、結果という部分しか見ていなかった」というユウトの強い気持ちがあったからこそ、ゴールネットを射抜けたのでしょう。

8月中旬、栃木の試合を布部GMが視察に行ったと聞きましたが、まさかユウトが戻ってくるとは思いもしませんでした。数日後に復帰のリリースを出すことになり、あの癒しの笑顔はそのままに、栃木の太陽の下で鍛えられたであろう黒々と日焼けして一回り大きくなった姿で柏に帰ってきました。栃木でレギュラーとして起用いただいていましたし、相当悩んだと聞きます。それでも柏に戻ると決めたからには、ここで活躍する姿を栃木の皆さんにも届けなければ合わせる顔がありません。復帰してたった2週間での初ゴール。栃木から大きな大きな成長と「レッツゴーユウト」のチャントをいただいて、勝利の立役者になりました。

試合後には本当に多くのメディアに囲まれ、テレビでのたくさんの取材に「こんなの聞いてないですよー」と驚きで目尻を細めたユウト。このゴールの模様は、DAZNのやべっちスタジアムのSTOP解説で取り上げられる予定です。ぜひ月曜日、お楽しみに!

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戦前のマッチデープログラムのインタビューで、犬飼選手がこう言っていました。「マリノスは首位にいて、やっているサッカーを見ても今のJリーグでトップクラス。警戒すべきところはたくさんありますが、そのサッカーがわかっているからこそ、対策を練ることもできます」。やはり優勝を争うチームですから、相手に合わせるのではなく今日も自分たちのスタイルを曲げず、最後まで貫いてきました。それゆえに、そういうワンちゃんの考え方、心持ちには学ぶべきところがあって、周りも落ち着きをもらってプレーできたのかなと想像します。

古賀キャプテンは「負けていないということを肯定できる試合になった」と話しました。引き分けで得た勝点1がどういう意味を持つか。犬飼選手も同じようなことを話していました。さらに古賀選手は「ここからは勝点3を積み上げていきたい」と。今日の3ポイントで、残留争いのライバル、横浜FCを逆転し、湘南とは5ポイント差をつけました。横浜FCがマリノスを破った直後でしたし、横浜FCに差をつけられないように3ポイントを取ることはとても意味のあることでした。ブレイクを挟んで、17日は直接対決です。ここで全てが終わる天王山ではないものの、下ではなく上を見て戦える位置に登るためにも負けられない大一番です。相手も同じ気持ちでしょう。今日の日立台のボルテージ最高でした。相手を飲み込むような圧倒的なホームでした。これをまた次の試合に繋げていきましょう。ご声援ありがとうございました。