2024年3月 2日

神戸戦

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加

担当:大重正人

昨年王者の神戸相手ですから、当然厳しく苦しい試合になることは覚悟の上でした。その上で選手たちは怯むことなく、相手のハードワークに勝るとも劣らない戦いで、1-0。ディフェンディングチャンピオンを破る素晴らしい勝利で、今季初勝利、リーグ戦の勝利は昨年9月30日の札幌戦以来となる久々の美酒となりました。

細部いろんなところに勝利のポイントがあって、それを選手たちが実行し続けたからこその勝利なのですが、やはりリードしてからゲームクロージングできた終盤の守りに勝点3の要因があると思います。神戸の猛攻は凄まじく、サイドからのクロス、ペナルティエリアへの強引な攻め込みで、辛くもゴールマウスを外れたシーンもありました。そして何より、GK松本選手のファインセーブ。前節のような難しいバウンドのヘディングをセーフティーに弾き、プッシュされることもしっかり回避しました。

「相手がロングボールを使って攻めてくることは想定していた」と犬飼選手。日本屈指のFW大迫選手をいかに封じるかが、今日の勝負のキーポイントでした。身長は同じ182cm、高さで圧倒して優位に立つことは難しいところで、体をぶつけたり、相手に自由に飛ばせたりしないように、いろんな駆け引きを繰り返していました。「守備は一発目に弾くところと、チャレンジ&カバーと、リスクマネジメントはセンターバックとしては心掛けていた。あとは自分たちのゴールからなるべく遠いライン設定をして、前の選手がプレッシャーに行くことによって出来ていたので、その辺りがうまくはまったと思う」

240302wan.jpg

ただ前半20分、その大迫選手との競り合いでイエローカードをもらったことで、試合が難しくなるかもという心配がよぎりました。ただ、そういう難所を何度も乗り越えて経験や自信が彼にはあります。焦りがプレーに出るような雰囲気は全くありませんでした。

そして同じサイドにいたDF関根選手も大きな役割を果たしました。「ワンくんがイエローカードをもらってしまったので、なるべく自分が競りにいくことを考えていました。大迫選手と競ることが多かったですが、弾き返せた部分も多かったので自信にもなりました」と187cmのセキが最終ラインにいる優位性を活かし、そこはチームでしっかりカバーができていました。

開幕戦と違っていた攻撃時の前進の仕方について、井原監督はこう振り返りました。「京都と神戸とではプレッシングのやり方が違うところもあるし、今日はしっかり繋げるところは繋いで前進していこうとゲームに臨んだ。今シーズンに入って取り組んできたところでもあったので、それを自信を持ってゲームでやっていこうと選手が実践してくれた。神戸さんの前からのプレスをうまく掻い潜りながら前進できたシーンもかなりあったので、そこは練習の成果がすごく現れた部分だと思っている」。前半から保持率も高く、またプレー強度も高く、セカンドの競り合いも負けずに、互角以上の戦いができていました。

後半20分過ぎ、井原監督が一気に3枚の交代カードを切ったことも、勝利を引き寄せた采配でした。木下、島村、土屋選手がピッチに入り、強度を落とさず、そしてゴールを狙いに行くという姿勢でした。そして投入から15分後、ついに結実します。古賀選手からのフィードを島村選手が競り、その裏へ溢れたボールを細谷選手が懸命に追いかけました。持ち前のフィジカルの強さでマイボールにして、フォローした島村選手がドリブルで前進。右足の折り返しに詰めたのが木下選手でした。

「クロスをもっと上げてくれとは要求していて、あの得点シーンは中の枚数は少なかったがマイナスにスペースを感じられた。多分タクも僕を見たというよりもスペースがあるというイメージで僕とうまくシンクロしてゴールに繋がったと思う。あの形はよく練習しているし、とにかく抑えて枠に入れておけばという気持ちで、イメージ通りだった」。日本代表GK前川選手を破る値千金の一発、レイソルでの第1号ゴールが決勝点となりました!

まだ一勝。でも、苦しかった昨シーズンが明け、新シーズンに向けて取り組んできた成果が、チャンピオン相手に現れたというのは、選手たちチームにとって大きな自信になります。サポーターの皆さんに新しいレイソルの姿を一つお見せすることができて何よりです。次週はアウェイで磐田戦、その後16日はホームで名古屋戦です。

240302_wi2.jpg

240302_wi3.jpg

240302_wi1.jpg