敗戦がもたらすもの
担当:長谷川
ルヴァンカップ決勝での敗戦後、どうしても欲しかった名古屋戦での勝点3を掴みきって、リーグは2週間の中断期間に入りました。
名古屋戦前の選手たちは前向きな言葉を口にはしていたものの、タイトルを目の前で逃したショックは少なからずあったようで「(チームに)少なからずダメージはまだ残っていると思っていたし、僕自身にもあった(小島亨介)」「自分自身(名古屋戦前のトレーニングでは)うまく切り替えることができていなかった(中川敦瑛)」と難しい1週間を過ごしていました。
広島との決勝戦前はリーグ戦9戦負けなし、ルヴァンカップに限ると特に準決勝を劇的な形で制した上で掴んだFINALへの切符だっただけに、間違いなくレイソルには勢いがありました。
でもタイトルには届きませんでした。「そこまで悲観するような試合ではなかったと思う(垣田裕暉)」とコメントした通り、圧倒的なチームとしての差があったわけではなかったと思いますが、一方で結果として1−3というスコアはタイトルを掴む上で「何かが足りなかった」ことの証左でもあります。

「相手は自分たちのことを相当研究して、自分たちのウィークポイントを突いてきたと思うし、自分たちのストロングポイントも出させないような戦いにしてきた。ロングスローもあれは本当にしっかり狙われたものだったし、それに対しての回答を自分たちが持ち合わせていなかった。細々とした個人戦術から技術から、あとはチームの戦術としても力が足りなかったなと思う(小泉佳穂)」。
実際に名古屋戦でも相手のロングスローの場面もありました。しかしレイソルもあの敗戦から得た教訓として、セットプレーを含めてしっかりと相手の攻撃を跳ね返し続け、苦しみながらもクリーンシートで試合を制しました。


勝つことで得られる勝点といった数字はもちろん、ある種の「成功体験≠自信」というメンタリティは何にも代え難いものではありますが、敗戦したからこそ得られる教訓も同じくらいの価値があります。それも経験したで終わるのではなく、生かしてこそ初めてその意味がもたらされるものです。
そういう意味では「この間の敗戦の後に改めて勝とうと、勝ちを目指すという姿勢をしっかりとピッチの上で証明して表現してくれた。そして価値ある勝点3を全員の力で勝ち取ることができた(リカルド監督)」とチームにとっては結果としても、メンタル面でも大きな意味を持った名古屋戦の勝利だったと思います。
そして名古屋戦後、2つのトピックがありました。
1つ目はリカルド監督が10月の「2025明治安田Jリーグ月間優秀監督賞」を受賞し、首位鹿島の鬼木監督と並ぶ今シーズン2度目の受賞者となりました。
「個人を表彰するこのような賞がチームとして獲得できる大きな成功や賞につながり、サポーターのみなさんと共に祝福し合えることを願っています」というリカルド監督のコメントの通り、チームの視線は目標である「リーグタイトル獲得」に向かっています。
「『監督』はチームを写す鏡のような存在でなければならない」と常に前向きな姿勢で熱く戦うリカルド監督のもと、さらに一体感を持って残り2戦に臨みます。
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— 柏レイソルOFFICIAL☀ (@REYSOL_Official) November 11, 2025
リカルドロドリゲス監督
10月度 2025明治安田J1リーグ
月間優秀監督賞 受賞🏅
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2つ目は山田雄士選手の負傷離脱です。シーズン序盤はなかなかメンバーに入れない時期を過ごしましたが、中盤戦以降は中川選手とダブルボランチを組んで、躍進するチームを支えました。
第35節のホーム・横浜FC戦では、相手は残留争い中で是が非でも勝点3を狙う難しい試合展開の中、試合の均衡を破る素晴らしいミドルシュートを突き刺し、勝利に貢献。しかし、この試合を最後に離脱することとなってしまいました。
このタイミングでピッチを離れざるを得ないことは本人としても非常に悔しい想いがあると思いますが、一方でここまで一緒に戦ってきた仲間たちが必ず良い結果を掴んでくれることを信じているでしょうし、彼らもまた「ヤマのために」という想いを抱いて残り2戦を戦ってくれると思います。
#山田雄士 選手の負傷について
— 柏レイソルOFFICIAL☀ (@REYSOL_Official) November 9, 2025
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つらいこともあった11月は、すでに半分が過ぎようとしています。そして、長かったシーズンもあっという間にクライマックスに突入しています。
皆が望むリーグ優勝の行方は他力前提にはなりますが、チャンスは充分にあります。つらい瞬間、苦しかった経験を「あの時があったから」と生かすも殺すも自分たち次第。
次節まで少し時間が空きますが、それぞれの立場でできることに集中し、全員で歓喜の瞬間を迎えましょう!


