ポリバレント!
担当:大重 正人
今日で2月も終わりです。今月のレイソルは鹿児島キャンプに始まり、2月16日に帰柏。その2日後に雨のちばぎんカップで劇勝。練習試合を挟みながら10日間のトレーニングを経て、厳しい真冬を実りある収穫の時期にすることができたことでしょう。
その2月最終日、法政大学との練習試合が行われました。昨日の練習後、取材陣に囲まれた石崎監督は「明日の試合は、いろんな組み合わせを試してみます」と話してみましたが、今日のメンバー構成はまさにその言葉どおり。これまで見たこともないようなサプライズもあって、興味深い一戦となりました。
試合開始後、まず際立ったのが阿部吉朗選手。ドリブル突破など攻撃ではもちろん、守備でもガツンと当たってボールを奪うなど、大学生相手に格の違いを見せつけて幾度もチャンスを作り出しました。昨日のインタビューに立ち会った際、「最近、集団でボールを奪うことが楽しくなってきた」と話し、監督の思惑にまんまとハマってしまったようですが、それが形になったのが、前半30分でした。
左サイドで小林亮、鈴木、阿部吉の3選手で相手を囲んでボールを奪取します。そのボールを阿部吉選手がドリブルで持ち込み、右サイドへきれいなサイドチェンジ。それを受けた菅沼選手が、アウトにかけた難しいシュートを決めたシーンです。高い位置でボールを奪い、すばやく逆サイドへ展開して、シュートへ持ち込む。石崎監督の意図するところが体現された大変に美しいゴールでした。
今日は、2列目に並んだ菅沼選手が2得点、鈴木、阿部吉選手も1点ずつと活躍。監督は「いつもと違うポジションで使ったが、それぞれに応じた役割を果たせていた」と及第点をつけていました。今日もトップ下に入ったマルシオ・アラウージョ選手については、「今日は、永井と達也と組んだので、永井とゲームを作りつつ、達也を生かすように指示した。昨日の練習では、(山根)巌とアルセウと組ませたから、センターフォワードに近い位置で飛び出すようにさせた」と、日々いろんな組み合わせを試しながら、それぞれに違った役割や課題を与えてテストしているそうです。開幕戦のトップ下は誰なのか…石崎監督はいったいどの選手を起用するのでしょうか???
さて、後半戦。少し遅れてグラウンドに到着した私の目に、信じられない光景が。なんと岡山選手がセンターフォワードの位置にいるではないですか!? FW陣に故障者が多かったり、長谷川悠選手が代表候補キャンプに行ったりと、選手が少なかったこともありますが、これはまさにサプライズ! 序盤はポストプレーでシンプルに捌いて周りを活かすプレー。しかし徐々に元FWの血が騒いだのか、前線でボールを呼ぶ声が響き、迎えた25分。これまたいつもと違う右ハーフに入った藏川選手のクロスを、ニアからファーに流れながらのヘディングシュートを決めました。「これは秘密兵器やなぁ」とは試合後に上機嫌の岡山選手でした。
ひとつのポジションだけにとらわれずに、さまざまなポジションをこなせる「ポリバレント」な選手が増えれば増えるほど、策士石崎の智略はさらに引き立つことでしょう!今日は一味も二味も違うレイソルサッカーでした。
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