2009年3月26日

次なる戦いへ

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担当:大重正人

やっぱり、勝利のあとはすがすがしい。レイソルに関わるみんなが待ちに待った一勝、われらが聖地日立台で掴み取ることができました。しかし勝利に酔いしれるのはその夜だけ、朝10時半には練習グラウンドに顔を出した昨日の先発イレブンは、ランニングとストレッチでリカバリートレーニング。表情は一様におだやかですが、その視線の先は……

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昨日の先発メンバー外の選手たちが、激しいトレーニングを行っていました。勝利をめざして共に戦う仲間ではありますが、試合の前はポジションを激しく争うライバルでもあります。「しっかり競争してほしい」という高橋監督の言葉。ナビスコカップでの勝利、そして個人の頑張りを見て、リーグ戦先発組も安穏とはしていられないでしょう。週末の千葉ダービーへ向けて、新しい競争がスタートしているのです。

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6対6の最中、激しく動いていると、息があがって苦しくなるのは当然ではあります。「でも、こんなときこそしっかり声を出して!」と高橋監督。若いからか遠慮があるのか、若手選手に向けて注意が飛びます。そんな中、周りを動かす声が通っていたのは古賀選手でした。コンビを組むDF選手が「古賀さんとプレーすると安心感がある」と言います。「GO!」とか「右!」とか「ナイス、ヤマちゃん!」など些細な一言で与える安心感。まさに最終ラインを統率するリーダーです。

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そのヤマちゃんこと山崎選手と、菅沼選手の2ショット。
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練習上がりにたまたま一緒になって、サポーターからのリクエストにお応えするところです。レイソル最年少デビュー&ゴール記録を持つ菅沼選手、そして弱冠18歳のルーキーイヤーにデビューを果たした山崎選手。「でも、まだまだこれからです」。『ベテラン』といじられるほどに落ち着いている山崎選手らしいコメント。仲の良いユース昇格組にとって、「頑張ればチャンスがもらえる」というモチベーションにもなっただろうし、「次はオレだ!」と悔しさもあるでしょう。ここにも戦いがあります。

空を見上げれば、春の香りがする桜の花びら。少しずつですが、花開いてきました。レイソルが満開の桜のように咲き乱れる日を夢見て。次回のホームゲーム、4月4日の大宮戦「お花見デー」をお楽しみに。

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そして、ホームページ用のレイソルオリジナルのツールバーをリリースしました。試合情報やスケジュール、ブログにもワンクリックでジャンプ。またニューストピックも自動配信される便利なツールです。ぜひご利用下さい!

2009年3月26日

「への道」

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担当:桜林 舞

今日は、記念すべき日。
高橋レイソルの公式戦初勝利です。
日立台に、勝利を祝うレッツゴー柏が高らかに響き渡りました。

リーグ開幕戦から3試合連続のドロー。
「一勝するのは難しいね」。
変化の兆しを感じつつも、試合後に眉根を寄せる監督の姿がありました。

マリノス戦から中3日。
前々日に行われたビデオミーティングで、
「メンバーを変えていこうと思う。勝つために」。


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今季初スタメンで出場した選手は、北嶋選手、大津選手、山根選手、鎌田選手、近藤選手、藏川選手、南選手の7選手。

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キャプテンマークを巻いた北嶋選手は、「自分にとってのチャンス。しっかりやっていきたい。まずは自分のところでボールをしっかり収めること。ユーキやポポ、オータというテンポのある選手がいるので楽しみです」と語っていたのは、昨日のこと。昨季の7月26日vs京都戦以来となるスタメンとなりました。得点できなかったことは残念だとしながらも、ロスタイムにルーキー・山崎選手と交代して選手控室に戻る姿は、十分な手応えを掴んだであろう微笑を浮かべていました。

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その山崎選手。本日公式戦で初メンバー入り、初出場です。初めてのピッチは?との問いに「キラキラしていました(笑)」と、柏レイソルユースの先輩である大島選手のコメントで返してくれたヤマ。ユースから一緒に昇格したメンバーには「『頑張ってこいよ』と『おごれよ!』」と言われてきたそうです。「思ったよりも緊張しませんでした。(ロスタイムでのわずかな出場とはいえ)でも、やっぱり、うれしかったですよ」と笑顔をこぼしてくれました。「一分でも、一秒でも、公式戦の舞台に立てば、自分自身の何かが変わる」と繰り返していたのは李選手ですが、山崎選手にとっても、次の舞台を目指す上での一つのきっかけになったことでしょう。

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先制点をあげた山根選手。囲みのインタビューでも「しゃべることないよ。疲れているんだから?」と気だるそうにしながらも、その顔にはもちろんにこやかな微笑み。前半終了後、ベンチ脇で試合を見守っていた古賀選手に「どう?見た?俺のミニゲームみたいなシュート!」と語っていたそうです。そしてミックスゾーンの去り際には「オレって、(運を)持ってるよ」とにやり。スタメンで出場し、ゴールをあげて、試合を勝利で飾り、サッカーを楽しみ切ったベテランならではの堂々たる風情でした。


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そして、ヒーローインタビューには昨日誕生日を迎えた大津選手が選ばれました。「やっとこの時がきました!PKは自分で取ったので、そこは譲れないと。『オレがいくぞ!』と(笑)。GKに触れられてドキっとしましたけれども、運も味方してくれました」。こんな秘話も。「早くゴールが欲しかったので。キタジさんと(シュートチャンスを)取り合ってしまいました。最後は話をしたんですけど(お互いに)『オレも点取りたいんだよ』って(笑)」。

そんな大津選手のことを、北嶋選手はこう語りました。「オーツはこの先偉大な選手になれる可能性を持っているので、サポートできてよかったと思います。もともとプレーの才能、発想は図抜けていたけどフィジカルが弱かった。それが今年はフィジカルが強くなって自信を持ってやっていると思います。僕もあいつとはテンポが合うんで楽しかったです」。相思相愛の両選手でした。

マリノス戦から2連続となる見事なゴールを決めたポポ選手、右の槍を体現した太田選手、オフサイドとなってしまったシュートを放った鎌田選手、先制点をアシストした石川選手、今日はフェイスマスク無しで臨んだ小林選手、カボレを抑えた近藤選手、抱負な運動量でアグレッシブさをみせてくれた藏川選手、好セーブを連発した南選手。

「この試合は絶対このメンバーで勝ちたかったです。今、スタメンで出ているメンバーが出ることが当たり前だと思うのはよくないし、僕らも心外です。結果を出すことでプレッシャーをかけられると思ったので、今日は勝ちたかった」とキタジ。

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「チャンスを活かして来い」
「白星を掴め」
「練習の成果をみせろ」
「ケガなくプレーしてこい」
「積極的にいけ」
「気持ちで負けるな」

そんな様々な気持ちを、握手やハグや「いってこいよ」の一言に乗せて。

試合開始前の選手入場時。ロッカーアウトした選手たちをピッチに送り出す、メンバー外選手(少なくとも、大谷選手、杉山選手、大島選手、酒井選手、比嘉選手、工藤選手、武富選手、仙石選手、アデバヨ選手)の姿がありました。

それぞれが、それぞれの思いを胸に臨んだ。ナビスコカップ第1節。

『初勝利』への道。
『スタメン』への道。
『初ゴール』への道。
『初出場』への道。
そして
『タイトル』への道。

それぞれの「への道」。
そしてはじまる、これからの「への道」。
「への道」はこれからもずっと続いていきます。


さて、最後にわたくしごとで恐縮ですが、3月末を持ちまして柏レイソルの広報を退任し、新しい「への道」を歩むことになりました。広報日記を執筆するのは本日が最後となります。06年12月末に着任してから気づけば2年3ヶ月。選手の一生懸命さ、スタッフの真剣さ、そして毎試合目頭の奥をツンとさせるサポーターの熱さ。なにもかもに心を打たれる日々でした。レイソルのすべてが大好きです。柏レイソルに関わるすべての人に、すべてのことにこの場を借りて感謝申し上げます。今まで本当にありがとうございました。今後の広報は河原、大重、石本の3人体制となります。引き続き、柏レイソルをよろしくお願いいたします。