2011年7月28日

謙遜は栄誉に先立つ

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担当:河原 正明
 
 仙台での激闘を終えて、チームはその日の内に山形に移動しました。そして今回はトップチーム選手全員が帯同しています。「ミニキャンプ」さながら、ここで3日間じっくりと調整し、日曜日の仙台との今季四度目の対戦に備えます。ネルシーニョ監督も「悔しいがカップ戦は終わった。選手、そしてスタッフ全員で残り16試合のリーグ戦に集中しよう。」と説き練習に臨みました。

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 その夕方4時からの練習前に、チームに朗報が届きました。酒井宏樹選手の日本代表候補メンバー召集です。レイソルでは2009年1月のアジアカップ予選に菅野選手が召集されて以来となります。代表入りは「練習前に(主務の宮本)タクさんからの電話で知りました」。チームメイトたちも練習場に向かう移動中はおとなしかったのですが、バスを降りたとたんに先輩たちの「いじり」が始まります。
 まずは大谷選手「さすが代表になるとサンダル履きですか?」。軽くうろたえるも「クラさんとかも履いてますよ」と切りかえしてここは突破。しかし、練習の準備でゴールポストを運ぶスタッフたちの中にいたキタジから「酒井、変わったなー!」とキツイ一言が。サカイ、ここは慌てて駆け出します。その後も先輩たちから祝福のいじりが練習後まで続きました。

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 練習後のメディア対応では開口一番「自分はU22代表だと思っていました。フル代表と聞いて驚いたが、どちらに選ばれても光栄です」と自身も予期していなかったと告白を。8月1日からのキャンプについては「今回はU22のメンバーも多く選ばれている。選考を兼ねて呼ばれていると思うのでアピールしたい。(代表合宿だから)特別なことをしても評価されないとは思わない。レイソルでやっていることと変わらずプレーをしたいし、「レイソルを代表していくのだから、先輩やチームメイトの分まで頑張って『レイソルはいいチームだ』ということを示してきたい」と意気込みを語りました。
 一方では「まだ、自分はJ1では一年を通じてプレーをしていないし、何かを成し遂げたわけでもない。自分が成長するキッカケとして代表でいろいろと学んで帰ってきたい」と謙虚さを常に忘れない彼らしいコメントも。きっと急激な周りの変化に戸惑いや驚きもあるでしょうが、そこはレイソルには助言もしてくれる大先輩がたくさんいます。
 キタジも「サカイがいじられるのはみんなに愛されているから。選手全員が心から『おめでとう、頑張れ!』って思っていますよ」と取材時に話していましたが、愛されているのはいつも酒井選手がたくさん の人に支えられていると感謝しているからこそでしょう。これからもその気持を忘れずに、代表選手の自信もつけて帰ってきて欲しいものです。首位戦線を進むチームからの久々の代表選手誕生に選手、スタッフ、クラブ一同が笑顔になった一日でした。

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 さて、その酒井選手も高校時代に戦った「adidas CUP 2011 第35回 日本クラブユース選手権(U-18)大会」で、柏レイソルU-18が準決勝進出を果たしました。7月23日から開催された予選リーグは2勝1分けで首位通過、昨日行われた決勝トーナメント初戦 鹿島アントラーズ戦も4?2と勝利し、明日の準決勝にコマを進めました。相手は予選リーグでも対戦した東京Vユース。昨年、決勝戦で敗れた相手でもあります。「またヴェルディですか?」昨年ピッチ上で戦った相馬選手も驚きの組合せです。酒井選手も「ヴェルディが例年強いことは間違いない。でも、自分たちも当時宇佐美(現バイエルン)擁するガンバ大阪に準決勝で勝った。決勝に行くことでいろんな経験が出来る。今年のU18は強いし、悔いを残さないように自信をもって戦って欲しい」とエールを送っていました。 
 準決勝「柏レイソルU-18vs東京ヴェルディユース」は、29日(金)にニッパツ三ツ沢球技場(16時キックオフ)です。お時間のある方は弟分の応援にぜひ三ツ沢までお越しください!

2011年7月28日

1-0から

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担当:大重正人

いまやレイソルのストロングラインとなった酒井→レアンドロ→北嶋のコンビネーションが見事に決まり、前半16分で第1戦のビハインドを追いつきました。1-0。通常のリーグ戦ならば、リスクマネジメントに気をつけながら、チャンスに鋭いカウンターを決める。まさにレイソルの勝ちパターンに持ち込める試合でした。しかし今日はナビスコカップ、ホーム&アウェイの2戦合計の成績勝負でした。「特殊なレギュレーションで、うまくゲームを進められなかった」と北嶋選手が振り返ったように、1-0でありながら、もう1点を奪いにいかなければならない状況下でした。

そんななか、後半開始早々に相手の得意なカウンターから失点。角田選手の脱帽せざるを得ないスーパーボレーが決まってしまいました。それでも、レイソルが勝利するには、いずれにせよ2得点以上での勝利が必要でした。あと1点取ればアウェイゴールで勝てる。明確な目標が見えている中、田中選手、水野選手、林選手と「オフェンシブで違う特徴を出せる選手」をネルシーニョ監督が投入。レイソルは攻勢を強め、ポゼッションが高まりゴールへ迫りますが、あと一歩、ベガルタの堅いセンターラインを崩しきれません。アウトボールかと思ったところホイッスルが鳴らなく、集中が途切れた瞬間に決定的な2点目を奪われて、ナビスコカップ制覇のチャンスは残念ながら潰えてしまいました。

ただ、この悔しさが消えぬ間に、再戦のチャンスがやってきます。31日におなじくユアスタでベガルタと対戦します。今度はリーグ戦です。選手たちはみな「日曜日にリベンジしたい」「借りを返したい!」と口を揃えました。今夜、今日の試合メンバーから外れた選手も仙台入りし、明日からのトレーニングに合流します。3連戦の最終日、戦術、コンディション、メンタルなど、改めてチームの総合力が問われる7月最後の7試合目です。

思わぬ大敗もありましたが、その直後に見違える立て直しを見せて、堂々首位を争っています。でもここで満足してはいけないし、そんな選手は誰一人いません。やられた相手にはやり返す。「平日にもかかわらず仙台まで来てくれたサポーターにいい結果を見せられず、とても残念です」。大谷キャプテンの悔しい言葉が日曜日の翻るよう、レイソル戦士たちの戦いを期待を込めて見守り、応援したいと思います。