ACL本選へ
担当:大重正人
昨年の天皇杯準決勝から、わずか1か月ほどで、またこんな後のない真剣勝負に挑めるなんて、本当に幸せなことだと思います。マリノス戦の雪辱が果たせたわけではないですが、それでも昨年2017シーズンを必死に闘って、つかみ取ったJリーグの4位が、ようやくここにつながって、花開いたというか報われた気がします。昨年のチーム、戦い方をベースにして、そこに新たな選手が加わり、去年からのバージョンアップが結果に表れた、3-0というすばらしい勝利でした!
ムアントンは去年ACLラウンド16に進み、また明後日からJリーグに移籍してくる選手が中心という高いクオリティをもったチームでした。ビルドアップを狙いながらも、高さとスピードのある2トップにロングボールを入れたり、裏のスペースに走らせたり。そして守備は5バックになってレイソルのストロングであるサイドアタックに蓋をしてきました。昨年までのレイソルが少し苦手にしていたこと、まさにそれをやってきました。
ただ、それを打ち破ったのが今日の、今年のレイソルでした。今日の江坂選手はゴールさえあれば最高の試合だったでしょうが、それでも昨年までの主力メンバーが残るなかで唯一新加入で先発起用されただけのパフォーマンスを見せ、10番を背負うだけの力の一端を見せてくれたと思います。相手が前からプレスにくるところで、前線と最終ラインが少し空いたスペースに絶妙のタイミングで顔を出し、大谷選手やキム選手からの縦パスを引き出し、攻撃を敵陣へと推進させました。
「今年最初の試合で最初は固かったけれど、徐々に自分達のサッカーが出来て、3得点入って良かった。(自分としては)良い形でボールも受けていたし、フィニッシュまで行けていたけれど、得点を決められなかったので、そこはまだまだ。自分はゴールに直結するプレー、スルーパスや身体で受けて展開したり、クロスに入って行くことやゴールを求められているので、そこをもっと突き詰めてやっていきたい」。もちろん反省の思いはあるでしょうが、初陣としては十分にサポーターの皆さんにもインパクトを残したのではないでしょうか。
伊東選手は2アシスト1ゴール、ドリブルの切れ味はそのままに、味方を使うパスも見事でさすがの存在感。クリスはここは決めてほしいという決定機をしっかり2度仕留めてくれました。若きCBコンビも相手のパワープレーに一歩も引かずしっかり跳ね返し、そして本当に危ないピンチは最後の最後でGK中村選手が立ちはだかり、個人とチームが90分間がしっかり仕事を果たし、3-0という勝利と、4度目のACL出場権を晴れて獲得しました。別のプレーオフの結果により、同じグループに中国の天津権健が入り、韓国の全北現代、」香港の傑志FCとグループリーグ突破を争います。またこの勝利により「※」がついていたJリーグの試合日程も確定しました。こちらからご確認ください。
http://www.reysol.co.jp/game/results/
今日は6598人の観衆があり、そのほとんどがレイソルを応援される皆さんでした。柏熱地帯の立見席が使えない状況でありましたが、その分2階席はびっしりと埋め尽くされ、1階席には選手たちを鼓舞する弾幕が。いつもの違う光景が新鮮でもあり、なおかつ応援の熱はいつものリーグ戦と変わりなく、スタンドの上から逆サイドのエンドまで飲み込むような歌声が通り抜けていました。バックスタンドも気づけば黄色一色になっていて、キックオフに間に合わずとも1分でも早く日立台に駆けつけたいと急がれた方も多くいたはずです。ACLの挑戦権を懸けたこの「ファイナル」にそれぞれの生活を合わせて駆けつけてくれたみなさん、今日という日にどうしても日立台に来られないことを悔やんでいるみなさんの分まで、選手を後押ししてくださいました。本当にありがとうございました。
そして最後に、下平監督がこんな舞台裏を披露してくれました。「ちなみに今日の試合中に、キム・ボギョンに初めての子どもが産まれたそうです。奥さんは韓国にいるらしいが、彼は前シーズンに全北から加入したので、次の試合にはすごく思い入れがあると思います。今日の勝利とキム・ボギョンのお子さん誕生をダブルでお祝いしたいです」。今日は忘れられないすばらしい一日になりましたね。おめでとう、ボギョン!!
ようやくスタートラインに立てました。4度目のアジアへの挑戦が始まりました!そして晴れて、ポスターやイヤーブック、胸を張ってACLバージョンにできます笑!明日から入稿の追い込み校正がんばります!