名古屋戦(中村航輔選手の容態について)
担当:大重正人
まず、皆さん大変心配されている中村航輔選手についてのお知らせです。加藤望監督は試合後の会見で「ドクターが確認中。最初ちょっともうろうとした感じはあったが、意識ははっきりしていました」とお知らせしました。ラストプレー、航輔らしい本当に勇敢な飛び出しで、チームに勝ち点3をもたらしてくれましたが、空中でバランスを崩してそのままピッチに落下。担架で運ばれ、そのまま病院に向かい、検査を受けました。結果は、脳震盪、頸椎捻挫という診断を受けました。本日は大事を取って入院し、経過を観察することになりました。24日からの日本代表参加をふくめ、今後の状況が分かりましたら、また追ってお知らせさせていただきます。
アディショナルタイムを少し残しての試合終了というレフェリー判断となり、また航輔のアクシデントで騒然とした試合後になってしまいましたが、この試合は3-2で勝利。航輔をはじめ、身体を張ったプレーを続けた選手たちと加藤望監督の初陣を勝利で飾ることができました。
加藤監督がもたらした変化。いろいろある中で、私にとって最もインパクトが大きかったのは、キャプテンの交代です。今日キャプテンマークを巻いたキムボギョン選手が大谷選手からバトンを受け継ぎました。ボギョンは昨年の加入以来、チームの主力として欠かせない存在でしたが、今年は勝利した試合のあとに「このままじゃいけない」とチームメイトを叱咤するなど、リーダーシップも発揮していました。代表、イングランド、ACL優勝など、レイソルでは随一の世界経験を持ち「勝てるチーム」の強さを身をもって感じ取り、レイソルに伝えようとしてくれています。そして副キャプテンとしてサポートするのが栗澤選手とクリスティアーノ選手。2人も十分な経験とチーム内での信頼を集める存在です。そして大谷選手の存在感は役柄に左右されるものではないでしょうし、プレーヤーとしてまた一つ成長するための好機になるのではないでしょうか。
練習から全力を出し切ることを求めてきた加藤監督。それは、試合で最低限やらなければいけないことですし、練習でできないことは試合ではできません。「今週のトレーニングでは守備をどういう風に構築していくかという狙いの部分を1週間やれるだけやった」。ボールホルダーへの強いアプローチ、攻守の切り替え、前線からのアタック。これが実ったのが、まさしく1点目と3点目でした。1点目は失いかけたボールへの小池選手の守備から、3点目は相手のバックパスにプッシュした伊東選手から。これを江坂選手がしっかりと蹴りこみました。これを逃すか決めるか。決定力不足という課題を抱えていたレイソルの今日の結果は間違いなく変わっていました。ストライカーがしっかり自分の仕事を果たしてくれました。
あれだけ獲れなかったCKからの得点も生まれました。ヘディングを合わせたのは中山雄太選手でした。「実は昨日の練習で同じようなシチュエーションがあって、決められなかった。あれがあったから決められた」。練習での失敗を生かすことができました。また今日は中盤、ボランチでの起用に応えました。加藤監督は「彼のいいところ、ボールをしっかり引き出せてしっかりつなげるところをチームの中心と考えていて、彼の将来も含めて期待するところが大きく、今回頑張ってもらった」とその意図と期待を明かしました。雄太が勝負したいと明言していたボランチ、ここにも新しい変化が生まれていきそうです。
航輔が負傷したお知らせの反響の大きさに改めて驚いています。ツイッターやネット上でのコメントは、レイソルサポーターの方はもちろんですが、対戦相手だったグランパスの方、またそれ以外のクラブを応援している方からも本当に多くの心配と安堵の声をいただいています。「レイソルの中村航輔」、それは私たちの誇らしいことですが、他クラブの方からも力を認めてもらっていて、だからこそ日本代表に選ばれているのだと改めて今日思い知りました。レイソルという枠を超えて認められる存在なのだと。今日の出来事は大変ショッキングでしたが、でも最も起こってほしくないような状況ではなかったので、何とか回復して、ロシアへ行けるように祈るばかりです。これからも中村航輔選手への応援をどうぞよろしくお願いいたします。