加藤 望監督就任
本日、午前中から監督交代のお知らせをリリースしました。ファンサポーターの皆様には、近戦の結果も含めて、ご心配をおかけしておりましたが、加藤望ヘッドコーチの監督就任の決定をいたしました。
瀧川龍一郎社長より今回の決定の説明がありました。「下平監督を信頼してやってきて、昨年もあれだけの成績を獲得してくれました。持ち直してくれると思っていたが、昨年の終わりから同じような負け方が続き、改善が思うように進まないというものと、今の成績が重なり、昨日の試合後に話した中で、監督自身にも迷いというか、若干自信が揺らぐところも感じたので、このタイミングで代えるべきだと決断しました。
加藤望さんとはヘッドコーチ就任時から何度も話をしてきたが、選手としても指導者としてリーダーとして、人格的に素晴らしい方だと思っていたし、長い目でみれば将来的に監督になる器と感じていた。タイミングは想定外だったが、信頼して指揮をお任せしたいという話をしました。戦力的にも選手、スタッフを含めて決して勝てないメンバーではないと思っていますので、うまくまとめて、この緊急事態を立て直し、早く強い柏レイソルを戻していただけるようにお願いしています」
そして今日11時のリカバリー、14時からのトレーニングから、さっそく加藤望監督による新体制がスタートし、夕方にはお集まりのメディアの取材を受けました。そのコメントをまとめました。
「クラブも危機感を持って判断したと思います。それを一番感じて、やらなければいけないという思いです。もともとスタッフとしてこのチームにいた中で自分にもその責任はあるし、そういうものをしっかり受け止めながらやっていきたいと思います。いまのチームの課題は、勝てるゲームを落としているというところ。また勝った試合でもその勝ち方がしっかりしていたのかというのもある。そこを総合的に踏まえ、もう一回見直して、変えなければいけないところは変える。一方で良い部分もたくさんあるし、そういう部分を残しながらやっていければと思います。ここまでの積み重ねはあったと思いますが、現実を見ると良くも悪くもこういう結果になっている。よかったところ、悪かったところ、両方あると思いますが、そこを僕なりにしっかり見つめて、補っていきたい。
目指したいのは、選手がピッチの上で躍動するようなサッカー。ゴールに迫るところ、必死に守るところといったサッカー本来の楽しさや、選手それぞれの意志が見えるようなサッカーができればと思います。選手たちにまず求めるのは、自分の持っているものを最大限、日々練習から出すこと。持っているものを全て、その日出し惜しみせずにトレーニングから出していくということは選手の責任。それをどう方向付けしていくかというのが僕の責任。試合でゴール前の厳しさ、激しさ、本当にゴールを奪うぞという意志、そういうものが出るようなトレーニングをしていきたい」
こうした監督の求めるもの、もたらした変化はさっそく午後のトレーニングマッチで随所に表れたと思います。それまでのポジションでプレーした選手、少し違う立ち位置や並びでプレーした選手。今日はJリーグのチームではなくカテゴリーが異なる相手でしたが、それでも、この機に自分の現状を変えたいと目の色を変えて躍動していたように見えました。 細貝選手のペナルティエリアへの飛び出し、クロスに飛び込んだ宮本選手のヘディング、復帰戦となった山崎選手の見事なスルーパス、ハモンはハットトリック、そのうち一つはCKからのヘディングでした。今季得点のないCKからのゴール、これがきっかけとなればと思わずにいられません。
加藤監督も「自分の持っているものを、自分の特徴、持っているものを全て出してほしいと、同じように伝えました。今日のゲームは、昨日の川崎戦に出ていない選手たちがそういう意思を持って、特に前半は頑張っていた印象があります」と振り返りました。
初采配は来たる来週日曜日、アウェイ名古屋戦からとなります。
「もちろん勝つことを目標にやります。さらに、どう勝つかというところ、サッカーに対しての思い、この現状をどう捉えているか、こういう現実を見つめた大事なゲームだと思っている。勝ちにいくのは変わりません。
選手の起用については、自分の持っているものを全て出し切れるのかどうか。それが例えば、チーム状況とか周りの選手とか、そうではなくて、その状況の中で、置かれている立場でどう振る舞っていくかが大事だと思っているので、そこを基準に選手と接していきたいと思います。ただ、全くの白紙というわけでもないです。
例えば今日のトレーニングマッチに出た選手たちも、ここ数ヶ月どういう過ごし方をしてきたのかを見てきた。もちろんチームの全員を信頼していてみんなが戦える選手だと思っているが、そこで選手たちの心持ちも踏まえて、次のゲームでやってくれるであろう選手、信頼に値する選手たちを、その中で戦える選手を、どのくらいの熱量を持っているのかをという基準で選んでいければと思っています」
明日はオフ。火曜からトレーニングを再開し、日曜の名古屋戦へ備えます。この5日間、多くの時間ではありませんが、それでも変化への道筋を少しでも見つかられる時間でもあると思います。危機でもあり、そしてチャンスでもあります。選手たちとチームの変化を期待して見守りたいと思います。