アウェイ福岡戦
担当:大重正人
工藤壮人選手が旅立って、8日が経ちました。突然の重く辛い出来事、悲しい思いは全く消えません。翌日、スマホに残っている写真をみながら、クドーがいた日立台の場所を巡ってみました。そこにある木々や看板、光景は当時と変わりなく、まだそこにいるんじゃないかというような感じさえしました。
12年前、クドーのJリーグ初ゴール。福岡戦のあの光景を、この席から見ました。相手のバックパスを強かに狙い、GKとの1対1、逸るところなく冷静にグラウンダーで仕留めました。今とは逆サイドにある黄色いゴール裏へ、喜びを爆発させた背番号19の勇姿が蘇ってきます。思い出は色褪せず、尽きません。
試合前の黙祷の後、アウェイ福岡まで駆けつけてくれたゴール裏からは、7年ぶりのクドーの応援歌が懐かしく熱く響き渡り、思いのこもったメッセージが掲げられました。彼のプレー、ゴール、笑顔、ガッツポーズ、そして骨太の背中についた19番と9番。いろんな姿が蘇ってきます。レイソルが今おかれた立場、勝利のない日々に対して、クドーならこんな逆境やピンチを乗り越えてこそだ、と逃げずに真正面から立ち向かっていったでしょう。
試合前、クドーへの黙祷を捧げました。
— 柏レイソルOFFICIAL (@REYSOL_Official) October 29, 2022
チャントもありがとうございます。
きっと届いていると思います。#エキセントリック壮人#工藤壮人 #reysol #柏レイソル pic.twitter.com/vh0Glpeh1M
今日のレイソルに火がついたのは後半になってからと言わざるを得ない、悔やまれる試合でした。前半立ち上がりに失点、終了間際にクロスから高いヘッドを食らって2点のビハインド。先行したアビスパは自陣でブロックを構え、そこからプレスにも出てきました。高い選手が多く、攻守でロングボールからのリバウンドで拾われました。武藤選手、細谷選手が得意とする裏への抜け出し、足元へのボールがなかなか入らず、レイソルの長所が消され、アビスパの長所ばかりが目立つ前半でした。
後半に入り、3選手が入り、4バックにシステムチェンジ。ボールを引き出そうと、戸嶋選手と小屋松選手が精力的に動き、戸嶋選手のミドルで1点を返します。アビスパが自陣を固めたこともあり、レイソルのボール保持が続き、ゴール裏の声援も勢いをつけてくれました。ただアタッキングサードでの決定的な仕事ができず、またプレーの合間にじっくり時間を使ってゲームをコントロールする相手のペースメイクを最後まで崩せず、同点まで行くこともできませんでした。
8月以来、勝利が遠いまま。戦い方のベースは定まっているものの、そこからの上積みやプラスアルファを追求する必要もあるでしょう。来週にあと1試合残っているものの、来季を見据えて、少しでもいい形で終わりたい。他会場で今なお続く厳しい残留争い、決して対岸の火事ではありません。最終戦、意地と奮起を待っています。