2009年12月11日

受け継がれていくもの

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担当:河原 正明

「ガチャン、ガチャン」という金属音と音楽だけが響く空間。ここはクラブハウスに併設のトレーニングルーム。中では黙々と選手たちが筋力トレーニングに励んでいました。ある選手は長く続くリハビリに、またある選手はオフ返上で自らを鍛えるために。

 その中に大島嵩弘選手の姿がありました。「もうこれを着るのも最後ですよ」ちょっと寂しげにでもグッと胸のエンブレムを指差し、笑顔でチームへの思いを示すポーズを取ってくれました。歳が近い橋本選手と冗談を交えながら話していると、近くでトレーニング中の近藤選手も加わり自然に会話が弾みます。

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 この二人の共通点、お判りになりますか?ポジションはDF、レイソルユース出身で共に背番号26を背負っていたこと。近藤選手→石川選手→大島選手と受け継がれていた26番。憧れの先輩と肩を並べることが出来た。しかし、その嬉しさもわずか2年間だけでした。先日実施されたトライアウトには他の選手より多い30分x2本に出場し、自分のプレーをPRしていました。今後についてはまだ決定していませんが、悔いのない選択をして欲しいものです。シマ、2年間ありがとう、そして頑張れ! 

 ピッチでは若手中心のトレーニングが。その中にGK南選手や柳沢選手の姿を見つけることができました。「おい○○、そういうところだよ!」味方選手がミスをするとGKマウスから大声で叱咤を飛ばし、また激励する。雄太が後輩たちに残し、伝えたいことはきっと山ほどあるはず。残された短い時間ですが、積極的に話しかけている姿に胸を打たれます。
 もう一人、柳澤選手も冷たい雨の中、ピッチで存在感を見せつけます。気迫溢れる激しいチェイシングでボールを奪い、攻撃につなげる。「いいぞヤナギ!」コーチ陣からも声が飛びます。背中で、プレーで何を伝えようとしているのか。自分がどんな状況でもピッチに立てば関係ない。ユース出身の後輩たちには伝わったでしょうか。

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 見せつけるといえば、先日のレイソルU?18との練習試合。ピッチに立ちはだかったユース出身のメンバーはのべ7人。試合前「後輩たちにプレーでなにかを示すなんておこがましいですよ」という選手もいましたが、いざ試合になると、これでもかというくらいに個々の、チームとしての圧倒的な力の差を見せ付けていました。「俺たちを超える戦いをしてこい」先輩たちからの無言のエールでした。

 その対戦相手だったU?18のメンバーは明日、日立台で 2009Jユースサンスタートニックカップ 対大宮アルディージャ戦に臨みます。今季最後の公式大会、3年生にとっては負ければそこ引退です。
 「勝ったほうが強いんですよ」あるレイソルユース出身選手は言います。一方では別の選手は「チームのためにはもちろん、自分のためにも頑張れ」と激を飛ばします。

 酒井選手は一発勝負の恐ろしさを説きます。昨年の高円宮杯 決勝トーナメント1回戦 対東京V戦。予選リーグで当時高校最強と言われた流通経済大柏高にも圧勝し、首位で勝ち上がったレイソルU?18。前評判ではレイソル有利とされていましたが、それをひっくり返そうと相手は全力で向ってきます。前半からリズムがつかめぬままミスから失点を重ね、最終的には1?2でまさかの敗戦を喫します。「決して油断はしていなかった」とはいうものの「中途半端なプレーで何も出来なかった」と今でも悔やまれる一戦でした。後輩たちには「日立台という大舞台でできることは幸せ。11人+ベンチ全てで悔いなく戦って欲しい」とエールを贈っていました。 
 茨田選手は「日立台で試合が出来るということは大きな力になります。チームメイトみんなで良いプレーをして勝利し、上位進出を目指したい」と高校時代最後の大会に向けて意気込みを語ってくれました。明日13:00キックオフです。スタジアムはメインスタンドを12:00開門予定です。お時間のある方は、ぜひヤングレイソルにも熱いご声援をお願いします。

 なお、トップチームは午前練習のみとなります。今季最後の練習になります。ご見学は可能ですが、午後にはJユースの試合があります、施設利用者以外の方は駐車場のご利用はできません。公共交通機関のご利用をお願いします。くれぐれもご注意願います。