明日はルヴァン準決勝第2戦
担当:大重正人
木曜日。昼食を摂りに、食堂のピアノに行きました。自分は等々力に行っていなかったので、心配まじりに食堂の扉を開けたところ、選手たちの声色や表情が思った以上に明るく前向きでした。第2戦に向けて、気持ちを切り替えて、前に進んでいると。
金曜の取材でも、選手からはこんな声が聞かれました。
「今の自分たちなら跳ね返せる」(中川選手)
「2点差なら今年のレイソルなら逆転は不可能ではない」(小屋松選手)
SNSに投稿した仲間選手や戸嶋選手の目の色や声からも、そうした雰囲気を感じ取ってもらえたと思います。
悔しい悔しい敗戦の中にも関わらず、等々力で共に戦ったサポーターの皆さんから声援や励ましの歌声が選手たちに注がれたからこそだと思います。7月の鹿島戦のことを思い出しました。サポーターの様子を間近にしてリカルド監督は熱く激しいアクションで、選手たちとサポーターを称え、鼓舞しました。
「試合はまだ半分しか終わっていない。第2戦はホームで、サポーターの皆さんの後押しとともに、歴史に残るような逆転劇をやろうじゃないか。そんなメッセージを皆さんに伝えたかった」
川崎フロンターレは、やはり強いクラブです。リーグ戦では2016年以来、カップ戦では2017年以来、勝利がありません。ただ今年はリーグ戦で2引き分け、水曜のルヴァンでもシュート数で上回るなど、守勢に押し込まれることの多かった近年と比べれば、レイソルが変わったということを十分示しています。ですがレイソルが攻勢を強めながらも、フロンターレが決定機を仕留めきるという強さも見せつけられてきました。
特に伊藤達哉選手には、2節でオフサイドになったシーンを含めると、3試合全てでゴールネットを揺らされています。先月の朝日新聞のコラムを書く際に、古賀選手からはこんな話を聞きました。レイソルU-18での先輩後輩になります。
「達哉くんは1年上で、当時から抜群でしたけど、ドイツや海外でいろんなことを経験して、自分の強みを出せる場面と、そうじゃない場面みたいなところでのプレーの使い分けが上手くなっているのかなと感じました。高校年代の時は、自分を表現することに集中してたイメージで、とにかく仕掛けてるイメージ。でも今はパスやクロスなど使い分けたり、すごく頭でも整理されて、冷静にピッチに入れているのかなと感じます。高校の時とかはフィニッシャーというタイプではなくて、それこそフィニッシュがめっちゃ良ければもっとえぐいなっていう感じのイメージだったんですが、今はまさにそうなりつつある感じがします」
そんなよく知るチームメイトが、レイソルの前に大きく立ちはだかっています。でも、太陽にも絶対に譲れない思いがあります。
「ここ数年、チームの調子があんまり良くなかったとしても、タイトルっていうのは言い続けてきたつもりで、うん、やっぱりこのチームでタイトル取りたいなって思いは強く持ち続けてきたんで。実際に過去2回決勝には出ましたけど(ルヴァンカップと天皇杯)、その時以上に優勝するに値するチームだと思っていますし、自信を持ってるんで。ここまでこの1年間、ここまで積み上げてきたものを発揮して、とにかくタイトル取りたいなと思いますし、レイソルに関わる全員が望んでいることだと思うんで。今年がもう1回強いレイソルを取り戻すきっかけとなる年にできるように、リーグもそうですけど、ルヴァンもとにかく星1つ増やせるようにしたい」