2021年6月28日

湘南戦

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担当:大重正人

レイソルに来て15年目、これまで何百試合とみてきましたが、人智を超えるというか、いったい何が起こっているのか分からないような結末でした。2012年のACL、水原でPKを4本とられたのに6-2で勝った、あの試合に匹敵するような色濃く記憶に残る試合でした。
映像を見てもらうのが一番です。

立ち上がりから非常に苦しかった。相手と同じシステムにして守備のマークは明確になりますが、一方で攻撃に移れば同じくマンツーマンに近い形です。自分たちが動いて相手を動かすのか、リスクを冒してでも勇気をもったポジションをとるのか、1対1で抜いて相手をはがすのか。ガチっとはめたいのに、逆にはめられるような状況。レイソルのウイングバックが下がり、相手のウイングバックの攻撃をまともに受けてしまう。システムをあわせて戦うのであれば、ここを改善しなければ、守備の時間ばかりになります。この課題をクリアしなければ、このあともまだまだ苦しい戦いは続くでしょう。

ここから何が変わり、何が起こったのか。
※前半途中から、左の三丸選手、右の川口選手が高いポジションをとって、マッチアップするウイングバックを押し込む。敵陣へ進む回数が増えた
※監督はハーフタイムに3人を交代。結果的に三原、神谷、北爪、3選手ともゴールに絡みました
※後半3分、瀬川選手の積極性が実りPKを誘う。ハーフタイム、確か瀬川選手の声だったと思いますが、「シュートで終わろう、シュートで終わろう」と周りにも呼び掛けていました
※後半12分、セットプレーから湘南のシュートがネットを揺らして1-2になったかと思いきや、VARでノーゴールに。
※後半33分、ウエリントン選手の強烈なヘッドで失点、1-2に。その前のレッズ戦でもシンプルなクロスからヘディングを決めていました。まず相手を褒めるべき一撃だったものの、レイソルも警戒はしていたでしょうし、あの一発でやられてしまうと非常に勿体ない。より集中して臨まなければいけません。
※後半39分、ビルドアップがつながらず、相手のカウンターから失点して1-3。しかし相手のハンドで1-2のまま。絶望的な状況から望みがつながった。クリスティアーノ選手と細谷選手を投入。

VARによりアディショナルタイムは9分。そこからなんと3点が決まるなんて、もう説明がつきません。大南選手のゴール、どうやってボールがこぼれてきたか見えず、写真は上手く取れていませんでした。。。唯一、クリスのシュートシーンだけ夢中で撮っていましたが、左足であの角度からは正直どうみても入らないと思ったほどでした。この2点ともペドロ選手が身長を活かしてのヘッドのすらしから、背後へのこぼれの予測、神谷選手もクリスもすばらしかった。そして4点目は、北爪選手のカットからペドロがゲット。なんと90+12分、目を疑うような時間でのゴールとタイムアップでした。

今日の4点は、どれも華麗に崩してというよりは、身体の競り合いや泥臭さから生まれたものでした。前節、瀬川選手たちから「戦術どうこうの前に、まず走る、戦うことが大事」という話がありましたが、まさにそれが叶った形でした。長く苦しんだ分だけ、彼らの笑顔は濾過されたように美しく見えました。まだ、一つ勝っただけです、まだ取り返せてはいません。それでも大きな大きな勝利です。今日最後まで諦めず信じて戦ったチームから、何か伝わるものがあったと思います。今、レイソルのエンブレムをつけてここにいる選手たち、そして監督、スタッフで戦い続けます。今日、平塚で味わった勝利、喜び、感動を、日立台でもっともっと多くの人と分かち合いたい。そういう思いです。どうかこのチームを、これからも後押ししてください。選手たちへの応援、今日もありがとうございました。

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2021年6月26日

明日はアウェイ湘南戦

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担当:笹原麻央

まずは昨日、江坂任選手の浦和レッズへの完全移籍をお知らせいたしました。
以下、江坂選手のコメントです。
「柏レイソルを愛する皆様へ、このたび浦和レッズに移籍することになりました。色々な声があるかと思いますが、このタイミングでチームを離れることは僕自身、正直想像もしていませんでした。やり残したことは山ほどあります。しかし、これまでプロを目指して、そして高みを目指して選択、決断してきた自分を振り返ると今がその時なのかなと感じました。レイソルのファン・サポーターの皆様、関係者の皆様。これまで3年半本当にお世話になりました。本当にありがとうございました」

2018年から約3年半、10番を背負ってレイソルの為に戦ってくれた江坂選手。両足から放たれる非常に魅力あるスルーパスやたくさんのゴールで、幾度となく日立台を沸かせてくれました。敵にするとなると非常に怖い選手ですが、江坂選手の今後の活躍を応援したいと思います。

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さて、明日はリーグ戦第20節、アウェイで湘南ベルマーレと対戦します。この試合からリーグは後半戦に突入。レイソルはここまで4勝2分13敗。大きく負けが越すような結果で、現在18位、降格圏に沈んでいます。

中断期間で悪い流れを断つべく準備を重ねてきましたが、広島戦、浦和戦と2連敗。
今季もずっとチームの中心としてピッチで戦い続ける古賀太陽選手も先日、「(U-24日本代表の)メンバーに入らないと感覚で分かっていても、いざ発表されると悔しいですね」と、目標にしてきた代表メンバーに選ばれなかった悔しさをこらえながら、「今はとにかくチームの現状と向き合わなければいけないので、この状況を乗り越えられるように頑張ります」と、力強く話してくれました。
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前節の浦和戦後、メディア対応に応じてくれた瀬川選手が、アテンドしてる最中に「俺らがやるしかないからね」とつぶやきました。ぼそっと口にした一言でしたが、ピッチで戦う自分たちが現状を変えるしかない、という強い思いがその言葉から伝わってきました。
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そしてメディア対応に応じた瀬川選手と戸嶋選手の口から発せられたのは戦う姿勢について。「戦術云々の前にサッカー選手として大事な部分を出せればいいなと思っていた」(瀬川)と話すように、2人とも久しぶりの日立台でのプレーとなりましたが、スタジアム全体にその熱い気持ちが伝わるような、戦う気持ちを前面に出したプレーを最後の最後まで続けてくれました。
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もちろん戦術や細かい技術の部分などが大事なのは言うまでもないですが、今は何よりも、戦う姿勢や気持ちが大事なのかもしれません。ピッチに立つ11人だけでなく、ベンチメンバー、スタッフ、メンバー外の選手たち、全員が同じ方向を向いて、全員が同じ強い気持ちを持って。チームの思いが一つになった時、勝利を掴むことができるのかもしれません。

7月は中断期間前、ホームで連戦となります。チケット販売については下記をご確認ください。

■7/3横浜FM戦・7/11鹿島戦
https://www.reysol.co.jp/news/ticket/034254.html

■7/7天皇杯京都戦
https://www.reysol.co.jp/news/ticket/034258.html

2021年6月24日

浦和戦

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担当:大重正人

立ち上がりからは、先日の広島戦と違って、ボールを敵陣にしっかり運んで、そしてシュートで終える、相手のクリアを拾って攻撃のターンを続ける、そういったいい流れで序盤を進めることができていました。守備の勢い、セカンドボールの奪い合いにも激しくファイトを続けていました。ただメディアの方から浦和のロドリゲス監督に「飲水タイムから流れが変わりましたが」という質問があったように、徐々に相手の対応を受けて徐々に膠着した状況になっていきました。

高橋祐治選手が復帰して3試合目、4-4-2、または4-5-1の形で組織的に守れてはいたものの徐々に押し込まれ、後半19分。左サイドバック山中選手のクロスに、最後は右サイドバックの宇賀神選手がシュート。後方からの厚みのある攻撃を防ぎきれず、そして36分にはセットプレーから失点。相手にとっては理想的な展開、今のレイソルにとってはあまりにも重い追加点となり、リーグ戦4連敗となりました。

今日は先発発表されていた仲間選手にアクシデントがあり、瀬川選手が急遽先発のピッチに立ちました。難しい状況ではありましたが、しっかりと意志を持ち、そして自分の持ち味を出そうとする姿勢が見えました。「3ヶ月くらいずっと外から見ていて、みんなが気持ちよくサッカーしていないと思ったし、迷いながらサッカーしているなと感じていた。前節の広島戦は、前線の選手がピッチで歩いている時間が多かったし、あんなに押し込まれながらも70分過ぎまでゼロで抑えてくれていた後ろの選手のセカンドボールも全然拾えていなかった。バラバラで人任せになっているなと感じていた。僕が入ったらとにかく人よりも走ってセカンドボールを拾って、当たり前のことを当たり前にやるというか、戦術云々の前にサッカー選手として大事な部分を出せればいいなと思っていた」

こうした思いから生まれたプレー、相手に寄せていくスピードや勢いが、特に前半はレイソルに勢いを与えていました。2018年の降格を経験したひとりとして、今のチームは失点に敏感になってしまって、切り替えようと声は出しているけど、やっぱりメンタルに来てしまっていると胸の内を話しました。その上で「自信を積み重ねること、成功体験を増やすことが大事で、練習でも試合でもそうだけれど、試合の結果だけではなくて、試合の中の色々な部分で"勝つ"ということが大事だと思う」。試合に勝つということは、早く走る、高く飛ぶ、ボディコンタクト、そういったひとつひとつの戦いでの勝利が積み重なって、最終的にスコアとなって表れるもの。そして一人一人が目の前の敵に勝つ。そうした細部へのこだわりが、今はまだまだ相手に劣っているからこそ、勝利から見放されているのかもしれません。

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待ちに待ったこの日を迎えた彼に、この状況を背負わせて希望を寄せてしまうのは心苦しくもありますが、それでも戸嶋祥郎選手が長く厳しい道のりを進んで、日立台のピッチに帰ってきてくれたことは本当に嬉しく、喜ばしいことでした。去年9月下旬の大きな骨折から9カ月ぶりの復帰戦でした。「リハビリ期間の苦しさはあまりなかったですが、自分の中ではもっと早く治したかったし、治ると思っていたが、思ったよりも痛みが引かず焦れてしまった。いつ治るんだろうという感覚はあったのでそこが苦しかった」。場内からの大きく温かな拍手に「色んな人が支えてくれたり、気にしてくれていることすごく感じていたので、少しでもそういった方々に恩返したいという思いでピッチに入りました」

瀬川選手と同じようにピッチの外からチームを見て「強度が低いというのは感じていた。自分たちはどんな戦術であろうと、まず強度を保ったり、相手より一歩早く動くといったところで優位性をとっていくチームだと思う。そこは自分の良さでもあるのでチームの力になっていければと思っています」とチームの今と、自分がやるべきことを決意をもって話してくれました。

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今日、1点目を決めたレッズの宇賀神選手。会見では「こんなに試合に出られないことはありませんでした」という厳しい状況のなかで、チームメイトを見習ったり、おかれた状況の中でも諦めずやり続けてきたことが、今日のゴールにつながったと思わせられる話がありました。レイソルでも今日は山下選手がリーグ戦今季初出場、これまで試合メンバーから外れた際に、しっかり走りこんでコンディションを上げていこうという練習を見かけたことがあります。チームが勝てていない今だからこそ、出場機会が多くなかったメンバーや、メンバー外の選手たちの取り組みに目が向けられ、光が当たることもあるかもしれません。この状況を変えたい、必ず変えられると信じて、一日一日の練習、ひとつひとつの細かなプレーに「勝つ」というこだわりを持って、戦っていかなければいけません。そして声を出す、力を出し尽くす、仲間を助ける。いまはまずその原点に立ち返るしかありません。

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2021年6月22日

明日は浦和戦

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担当:大重正人

今日14時、U-24日本代表の発表がありましたが、レイソルからの選出は残念ながらありませんでした。古賀選手をはじめ、大南選手、神谷選手、椎橋選手もこのチームに加わったことがありました。特に太陽はここ数年続けて参加していて、レイソルと代表との掛け持ちのなか、本当に休みなくプレーし続けてきました。そしてケガで離脱することもありませんでした。あどけなさから精悍な顔つきにかわり、タフな強い選手になりました。一番悔しい想いをしているのは太陽本人でしょう、でもここまでの選考の一線級に最後まで残り続けてきたこと、タフな道のりを離脱せず歩んできたことを拍手で称えたいと思います。あとになって「今があるのは、あの時の悔しさがあるから」と胸を張って言えるようなキャリアを進んで行ってほしいと思います。

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レイソルは、4月24日以来、リーグ戦は7試合勝利から遠ざかっている厳しい状況が続いています。0-4だったFC東京戦を除けば、すべて1点以内の決着で、大きく崩れてはいないものの、リードできたのはマリノス戦の4分間だけ。なかなか思うような攻撃ができないなか、なんとか粘り強く守っているけれど力尽きるという展開が続いています。後ろからしっかり繋いでいく姿勢を見せるのか、それとも前から来る相手の背後を狙っていくのか、いずれにせよ前線の選手がボールを収めて起点を作り、厚みのある攻撃回数を増やさなければ、ゴールは難しくなります。守備でも前から行くのか、ブロックを作るのか、そうした使い分けは監督が戦術を練り準備していますし、それをどれだけ選手たちが効果的に実行できるか。

先日の浦和vs湘南を見ましたが、3点を取って逆転勝ちした湘南は、浦和のGKからのビルドアップに果敢にアタックをしかけ、ミスを誘発させました。ただプレゼントボールをゴールに蹴りこんだのでなく、そこからボールをつなぎ、またその機を見逃さず、ペナルティエリアへ6人が入っていった迫力あるアタック、スルーを交えた連携などで奪った2点は、我々も見習いたい見事なゴールでした。一方浦和は、前から来る湘南の背中をとり、ユンカー選手がスペースへ飛び出して鮮やかに決めました。いま最も警戒しなければならないストライカーです。

レイソルにはレイソルの戦い方があって、どれだけそれを貫けるか、うまく行かないときに修正が利くか。もちろん決して守備をおろそかにしてはいけませんが、やっぱりホームサポーターが期待しているのはゴールです。単独ではなく複数人が果敢にゴールに向かって走りこんでいく場面を少しでも増やしてほしい。5月5日のルヴァンカップは最後に2点を追いつかれた悔しい試合でしたが、それまでは攻守ともいい内容の試合でした。長いトンネルを抜ける試合になるよう信じて、明日を迎えたいと思います。

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2021年6月20日

広島戦

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担当:大重正人

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5月29日以来、約3週間の中断期間を経て迎えたリーグ戦。さあここからもう一度という試合でしたが、1点が遠く、重く大きな1点の差に甘んじて、勝利を逃しました。立ち上がりはしっかり前から守備ではめていこうという狙いと意志がよく見えました。アンジェロッティ選手が「ユウタ!!」と名前を激しく呼んでアタックを呼びかけたところは、そういう意志や、またコミュニケーションの深まりが見えた場面でもありました。ビルドアップでも最終ラインやドッジ選手を中心に、ボールを動かして、敵陣へ運んで、リズム良く攻撃ができていたように見えました。

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しかし20分ぐらい経ち、そして飲水タイムを経てからは、広島に攻め込まれる時間が続きました。「良い守備からのカウンターを狙いとしてゲームに挑んだ」とネルシーニョ監督。守備を固めながら、ボールを奪って、素早く前に出ていく。アンジェやクリス、神谷選手が抜け出してゴール前に迫る場面もありましたが、シュートを打ち切るところまではいけません。シュート数は1対16。ここまでの圧倒的な数字を突きつけられました。これが今のレイソルの力、相手との差です。

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ただこの苦しい試合をイーブンで保てたのは、監督の言う、組織的に献身的に戦うこと、選手たちがやり続けたからこそ。特に最終ライン、そしてキーパーの佐々木選手はこれだけのシュートを許しながら、身体を張り、そして素晴らしい反応の連続でゴールを割らせませんでした。「シュートに対してもよく反応出来ていたし、よく見えていた。ディフェンスの背後のケアの部分で良いプレーもいくつかできていたと思うので、それは継続していきたい」(佐々木選手)

後半に入っても、マサのビッグセーブが良くも悪くも目立ってしまう展開が続きました。攻撃のフェースを増やさなければ、どうしても守備の時間ばかり長くなってしまいます。カウンターならしっかりシュートで終わる、そこまでいけなくてもなんとかボールを収めて、後ろからのサポートに繋げる。またビルドアップからボールを運んで、相手を自陣へと後退させる。いくら最終ラインが踏ん張っていたとしても、あれだけの回数をゴール近くに侵入されると、どうしても防ぎようのない事故も起こってしまいます。「クロスに対して準備していましたが、コースが変わって、反応できませんでした。あの1点さえなければ」と悔しさを滲ませたマサ。この日が初めてのJ1、ルヴァンでの5試合を経て、ルーキーイヤーの19歳が着実に前に進んでいることは間違いありません。

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「組織的に戦うこと」。ネルシーニョ監督が求めることを選手たちがやろうしている姿勢は十分伝わってきます。攻撃に守備に、ハードに戦った神谷選手も「やろうとしていることはみんな頭の中にあるが、それがまだまだチームのものになっていないだけだと思いたいしそう信じたい。またここで別のことをやってブレるよりは、今のやり方を継続して結果に繋げることが一番だと思う。相手がどこであれ、自分たちのやるべきことをやるのが今の僕たちのテーマ。監督が出してくれるアイディアを自分たちが上手く実践できればいいけれど、まだそれができていない。もちろん監督中心にですが、自分達でもコミュニケーションを取り合いながらやっていかなければいけない」と現状から逃げず、向き合っていく姿勢を話しました。水曜には中3日でレッズ戦が控えています。この日の守備の強度を続け、そして5/5のルヴァンカップのようにゴールを打ち破るところを次こそ見せて欲しいです。

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2021年6月17日

リーグ再開まであと2日

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担当:大重正人

本日、来シーズンからの新加入選手内定を発表しました。筑波大学のMF加藤匠人選手です。
https://www.reysol.co.jp/news/topteam/034234.html

加藤選手のコメントにもありましたが、小5からレイソルアカデミーに入り、高3までこの日立台でプレーしてきました。世代で言えば、トップチーム昇格した田中陸、中川創、猿田遥己、宮本駿晃の4選手と同期。彼らとはいったんは別の道を進むことになりましたが、有数のプロ選手を輩出している筑波大学の環境で大きく力を伸ばしました。「筑波大学を経由し、様々な経験や学び、壁を乗り越えて一人の人間として大きな成長を実感して、レイソルに帰ってくることができました。愛着のあるレイソルで、幼い頃からの夢であり目標であったプロサッカー選手として、新たなスタート地点に立てたことを嬉しく思います」と、数年積み重ねてきた努力、頑張りがついに実りました。

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身長は172cmと大柄ではありませんが、機動力があり、ボランチや2列目など中盤のポジションでハードワークし、ボールを奪い取れる力のある選手。また、現在副将を務めるなど、リーダーシップがあって戦術的にもクレバーな選手という声もメディアの方から伺っています。現在は筑波でのラストイヤー、背番号7をつけてプレーしています。先日13日の拓大戦では、ユースの後輩であるFW森海渡選手、今季の新入生MF田村選手、DF戸田選手と共にメンバー入り。この1年をより実り多いものにして、また黄色いユニフォームを着て日立台でプレーしてくれる日がくることを楽しみに待っています!

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昨日のニュースでお伝えしましたが、大谷秀和選手が流山市内の小学校、全17校にサッカー用品を寄贈しました。大谷選手は、柏のとなり、流山市出身で西初石小、西初石中の卒業生。「このコロナ禍の中で、難しい状況を過ごしている子どもたちに何かできないかなと考えました。本来であれば学校に行って、一緒にボールを蹴ったりできれば一番なのですが。。。ボールを通してサッカーの楽しさや素晴らしさを感じとってもらったり、体育や休み時間などみんなで楽しい時間を過ごしてもらう機会になれば何よりです」。

昨日は、流山市教育委員会の皆様のご協力により、市内7校の児童たちとオンラインでつなぎ、キャリア教育の一環として交流の時間をいただきました。各校からのアピールタイムでは、手書きのイラストや写真を使って、それぞれの学校のアピールや流山市の紹介、そして大谷選手へのお礼の言葉を元気いっぱいに伝えてくれました。みんなでメッセージを考えたり、絵をかいたり、発表の練習を繰り返し準備してくれたんだろうなあというのがすごく伝わってきて、タニもほっこりとした笑顔や拍手を返していました。

母校西初石小のみんなからは「校歌を覚えていますか??一緒に歌いましょう!」とリクエストがあり、「みんなが歌ってくれて、メロディーがよみがえってきました」とタニも口ずさんでいました。タニも2人の男の子のパパで「皆さんと同じ学校に通うことになるかもしれませんね」。地元の友達とはいまも交流があって、地元の小学校の様子や情報は取り入れているそうです。この4月に新設されたおおぐろの森小については「法律が変わって木造の学校が作れたらしいですね、体育館とかすごくいいよね」とパパらしい日常の一面も見せてくれました。

コロナ禍のなか、我々以上にこどもたちが制限された生活を送っていて、日常なら当たり前にできること、いっぱい話したり、外で遊んだり、楽しい行事など、我慢せざるを得ない状況が続いています。ただそうした中、大谷選手からのサッカー用品、そして地元への思いが子どもたちに伝わっていることがすごく分かる交流会でした。こちらがお礼を言わなければいけませんね。みなさん、本当にありがとうございました!

チームは、天皇杯のあとも、リーグ戦再開に向けてトレーニングを積んできました。今季38試合で17試合を消化して、降格圏から何としても上に登っていかなければなりません。ネルシーニョ監督からは「残りの21試合をいかに戦っていくか、どこまで勝点を獲得しなければいけないのか。もう一度目的を達成するために、まずはこの状況を好転させなければいけない。まずは7月の中断期間までの7試合で最大限勝点をめざしていく。チームとして、どうやって歩みを進めていくかを選手に伝えた」という話がありました。

連戦に次ぐ連戦もあり、負傷があったりコンディションが万全でなかった選手にとっても貴重な期間になりました。「来日して2か月ほどになりますが、日本の生活やサッカーに順応していく最中で、ピッチ内外で身につけなければいけないことがあります。ただ、この日本でいま、自分が一番大好きなサッカーをできているということは幸せに感じています。チームメイトのブラジル人たちがすごく自分を手助けしてくれるし、自分自身もよりもっと日本に馴染んでいけたらと思います。日本のサッカーはとてもスピードがあって、切り替えの連続で、攻めていたと思ったらすぐに守備に切り替わったり、カウンターで攻めていたらさらに逆カウンターを食らったりとか、早い展開のサッカーですね。日本人選手は技術レベルがすごく高くて、ペドロ、ドッジ、アンジェ、そして既存の選手たちと一緒に、ブラジル人選手としてこのチームに貢献していきたいと強く思っています」

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エジソン通訳によると「サヴィオがブラジル時代にエメルソンと対戦した時、いいロングボールを蹴っていたと言っていましたね」と守備面以外の持ち味も教えてくれました。コロナ禍による来日の遅れ、そして来日後の隔離期間、日本の生活もなかなか外出ができず、家族もできない制限されている状態。新加入の選手たちにとっても例年とはかなりのイレギュラーを強いられ、簡単ではない日本でのスタートに立ち向かっています。エジソン通訳も「僕も通訳として新しい選手たちが活躍できるようにサポートすることが、今の一番の仕事です」と温かく、そしてしっかり話してくれました。明後日の広島戦から、リーグ戦での戦いに一同立ち向っていきます。

2021年6月 9日

天皇杯栃木シティ戦

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担当:大重正人

レイソルにとって2年ぶりの天皇杯。栃木シティFCを迎えて、3-0の勝利。4月24日のJ1徳島戦以来、公式戦9試合ぶりの勝利となりました。今日はFC東京やF・マリノスが敗れ、フロンターレも終了間際に追いついてのPK勝ち。カテゴリーは違えどピッチに立てば11人対11人の勝負で、勝つことの難しさ、大変さを改めて感じる今です。

まず、昨日の日記でも触れた、元レイソルの大島嵩弘選手が栃木の一員として先発フル出場、この日立台で元気な姿を見せてくれたことは本当に嬉しいことでした。挨拶でしか言葉は交わせませんでしたが、幼さも残した十代の頃から10年以上たち、多くの経験を積んで精悍な青年に成長していました。ただビルドアップで、開いた身体を巻き込むようにして近くのボランチへつけるパス、フォームは昔と変わらずで、まだまだ現役を長く続けてほしいというエールを贈りたいと思います!

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試合を終えたネルシーニョ監督は「序盤から選手たちがハードワークしながら戦えていたし、自分たちのペース、テンポで良い守備からプラン通りに攻撃に繋げるという一つのサイクルができていたと思う。特に前半、選手たちは、こちらが考えていたプランを実行しようと、しっかりと意識してやってくれていたので、守備からいい形でボールを奪ってからのカウンターを再三、作れていた」と振り返りました。

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先制点は前半19分、右サイドで起点を作り、抜け出した神谷選手からのプレゼントパスをクリスが流し込んで1点目。相手を自陣に押し込んで厚みのある攻撃を続けながら、35分には左サイドから上がってきた三丸選手が思い切り左足を一閃。相手DFがクリアできず、ゴールにすいこまれて2点目。後半に入ると、レイソルは好機を作りながらなかなかネットを揺らせず、逆に栃木シティの高い位置からのアグレッシブなプレスやしっかりとボールをつないでくる攻撃を受け、突き放すことができません。アディショナルタイムにアンジェロッティ選手が1対1を沈めて、決着をつけるゴールになりました。

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「再三決定機を作っていたのにも関わらずそこを逃してしまったことによって、どのタイミングで相手に1点をやられていてもおかしくない状況だった。そこで1点を許していたらどうなっていたかわからない」と監督から反省の弁もあり、ここはチームとして決定機を仕留めるというところの課題やこだわりは持ちづけなければいけない反省点のひとつとなりました。一方で「今日の一勝というのは自信を取り戻す一つのきっかけとなる試合だったと思う。 何より今日の収穫というのは、結果もそうだが、選手たちがしっかりと戦う姿勢や勝利への執念を見せてくれた。天皇杯は簡単な大会ではないが、我々としては一戦一戦、チームとして戦っていく姿勢を貫いていきたいと思う」と今日の選手たちを称え、次のリーグ戦に向けての意気込みを語りました。

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もちろん久々に勝てたことは今のレイソルにとって大きなことですし、もうひとつ、高橋祐治選手が先発フル出場勝利で復帰戦を飾ったことは今日の一番の収穫でしょう。試合後のヒーローインタビューの壇上にも立ってもらいましたが、この日一番の大拍手が祐治に贈られました。「前半は良い入りができたので、良い感覚で不安なくできた。後半はやはり少しだけきつくなってきたので、もう少しビルドアップの部分など、追いつかせられるようにしたい。天皇杯は負けると終わりなので、試合に出た選手が責任を持ってやれたのでよかった。この勝ちをリーグ戦に繋げていきたいです」。

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昨年8月29日の鹿島戦で膝の重傷を負い、以来約9か月。「怪我をしたときに、本当にたくさんの人から温かい言葉を貰って、それが励みになってリハビリを頑張りました」。シーズンオフの期間、そしてキャンプ。チームメイトとは別の時間でリハビリに励む日が続き「本当に地道なトレーニングばかりで、苦しい時期もあった。キャンプに行ってもみんなとは別行動で、すごく孤独な10カ月だった」と胸の内を明かしてくれました。それでも、同じくリハビリ中の戸嶋選手がずっと一緒で、トレーニングでは務めて2人が明るく前向きに取り組んでいる姿には、逆にこちらが元気をもらっていました。「祥郎がいたのですごく頑張れたなと思う。サチも今リハビリを頑張っています。チーム全体で盛り上げて、どんどん上を目指していきたい」。

今日はキャプテンマークを左腕に巻き、試合中から、祐治の声が枯れていました。数日前のトレーニングからずっと枯れていました。練習中から大きな声を出して、味方を動かし、苦しい状況のチームを盛り上げようと必死でした。会見後「喉も鍛えないとダメですねー」と軽い冗談でこちらを笑わせてくれながら、帰路につきました。久々の復帰戦でフル出場、今夜はしっかり身体を休めて、ご家族と喜びを分かち合ってください。ありがとう、そして本当にお疲れ様でした!

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2021年6月 8日

明日は天皇杯初戦

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担当:大重正人

まず海外から相次いで悲しい訃報が届きました。6月3日、元レイソル監督のアントニーニョ氏が亡くなられました。82歳でした。レイソルがJFLからJリーグへと駆け上がった時代を築かれたひとりです。1995年、レイソルが初めてJ1昇格したものの、前期は最下位に低迷。そこで急遽チームを率い、後期は見事5位にまで押し上げるなど、レイソルの礎を築かれました。

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そして昨晩、韓国のユサンチョル氏が49歳の若さで旅立たれました。日韓ワールドカップ開催を前に両国のサッカー熱が燃え盛っていた2001年に、マリノスでの大活躍を経て、レイソルへ。ホンミョンボ、ファンソンホンという韓国の英雄が3人も柏に揃いました。レイソルでは2002シーズン途中まででリーグ戦14得点。フィールドのどのポジションもこなし、攻撃でも守備でも高いクオリティを見せる稀有なプレイヤーでした。晩年は膵臓がんであることを公表し、最後まで不屈の精神で闘い続けました。

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改めまして、お二人の足跡、功績に敬意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。明日の天皇杯では、レイソル選手たちが喪章を着用し、キックオフ前には黙とうをささげることになりましたので、スタジアムにお越しの方は、天に思いを捧げていただければと思います。

明日は天皇杯初戦です。昨年は新型コロナウイルスの影響で変則大会となり出場が叶いませんでしたので、レイソルにとって2年ぶりの天皇杯となります。2回戦は栃木代表の、栃木シティFCとの対戦です。歴史をさかのぼると、1947年に日立栃木サッカー部として創設され、日立製作所やレイソルとの縁のあるクラブです。

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前身の栃木ウーヴァFC時代には、この天皇杯でレイソルと対戦しています。ちょうど10年前、レイソルが初のリーグ制覇に向けて突き進んでいた2011年の10月8日でした。柏の葉で2-0でレイソルが勝利しています。ちなみに栃木ウーヴァが1回戦で破ったのがレイソルU-18。先日の日本代表戦で話題になった兄弟対決、レイソルでは2012年の天皇杯で実現したわけですが、実はもう1年早く夢の一戦が実現したかもしれなかった、というお話です。2011年当時のU-18チーム、この試合のメンバー15人中10人がJリーガーになったという、レイソルアカデミー史上でも有数の世代でした。
http://www.jfa.or.jp/match/matches/2012/0101tennouhai/schedule_result/pdf/m02.pdf

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栃木に目を向けると、キーパーの原田選手は他クラブを経由して、いま栃木でプレーしています。6日の関東サッカーリーグ1部の試合でも先発出場しています。また柏アカデミーつながりでいえば、DF大島嵩弘選手も先発しており、日立台凱旋が叶うかもしれません。シマが33歳になったというのは昔を知る一人としては大変驚きなのですが、ぜひ日立台で元気な姿を見せてほしいですね!また工藤浩平選手(千葉など)、阿部巧選手(東京や福岡など)、Jリーグを経験した選手たちが揃い、関東リーグで現在3位と好調です。

一方レイソルは、5月の8試合で未勝利、勝利から遠ざかる厳しい状況が続いています。19日のアウェイ広島戦までリーグ戦が空き、立て直し、巻き返しに向けて、一日たりとも無駄にできない時間です。「これまでのリーグ戦、カップ戦でうまくいかなかった部分を、とにかく今は反復してトレーニングしている。選手と話をしながら何をどのように改善していかなければならないのかを突き詰めてやってきた。この天皇杯は、これまで中断期間中にやってきたことを確認する良い機会にしたい」とネルシーニョ監督。

さらにこう続けます。「我々としては組織的に戦う姿勢が必要で、守備から相手の空けるスペースを突いて攻撃に出ていく、その狙いはこれまでのリーグ戦と変わりない。どの大会、どの試合であっても自分たちのやるべきことを全うすること。個人個人が与えられた役割をやり抜くことです」。今週は実戦練習の中でも、ワンプレーごとに監督が選手に声をかけ、修正を入れながらトレーニングを進める様子が見られました。

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シュート練習では、守備陣が身体を張ったプレーを見せれば、キーパーやDF陣から大きな歓声が上がり、負けじとアタッカーたちもすばらしいシュートを決める。いいプレーが出れば自然と士気が高まりますし、いいトレーニングにつながっていきます。大会や相手は関係なく、目の前の相手に全力でぶつかって、勝利をめざす。最近でいえばマリノス戦のような、相手に何人もが続けて襲いかかっていくような戦う姿勢を見せてほしいと思います。

天皇杯のチケットは、引き続き発売中です。いつものローチケに加え、天皇杯はほかのチケットエージェンシーでも購入可能です。価格はリーグ戦よりもかなり下がっており、SS席はリーグ戦当日ですと5700円ですが、今回は前売2600円、当日でも3100円。ゴール裏は同じく大人2900円のところ、前売1600円、当日2100円です。まん延防止等重点措置による千葉県からの要請により、明日は18時キックオフと早い時間になりますが、明日も天気はよさそうですし、ぜひ三協フロンテア柏スタジアムでのご観戦をお待ちしております。
https://www.reysol.co.jp/news/ticket/034193.html