鳥栖戦
担当:大重正人
セットプレーでの連続失点で2点ビハインドとなってしまうと、当然試合は厳しくなります。鳥栖の川井監督からは試合後にセットプレーを強みにしたいというお話がありました。一方レイソルもロングスローに対する準備をして警戒を強めてはいましたが、結果的に失点を喫しました。組織的にも個人的にも、ここは克服しなければならない課題です。これでやられてしまったら本当にもったいないことですし、拮抗した試合をものにするためにセットプレーで抑え、セットプレーで獲るということは突き詰めていかなければなりません。
ただ、セットプレー以外の内容面を見ても相手が優勢でしたし、鳥栖が攻め込んでいたからこその絶好位置からのセットプレーでした。偶然というより、必然的な失点とも言える2点でした。レイソルとしては、相手のビルドアップに対する守備がはまらず、また自分たちのビルドアップもなかなかうまく運ばない。1-4というスコアが示す通りの完敗でした。
試合をもとに戻すチャンスはありました。後半から投入された武藤選手、北爪選手が推進力をもたらし、敵陣での時間が増えていたタイミングでの追撃のゴール。武藤選手のシュートを細谷選手がコースを変えてゴールへ流し込みました。その数分後、今度は細谷選手が力強いシュートを放ち、GKの手をはじいたボールに武藤選手が飛び込みましたが、無情にもゴールの上へ。
「あのビッグチャンスを決めていればという、悔しい想いがあります。流れ的にもあれを決めていればかなり変わった。もっともっとレイソルの流れにできた」。当然のことながら、両チームにとってこの試合で一番の分水嶺で、悔やみきれない気持ちを口にしました。ただ、膝の手術による治療を決断し、ほぼ当初の予定どおり2か月ほどでの復帰。そしてこの初戦でメンタル的にも沈みかけていたチームを数分で勢いづけるプレーを見せてくれました。
渾身のガッツポーズと、手を叩いて鼓舞する姿。そして連敗の最中ではありますが「チームが勝っていたときは、チームを見ていて前向きに自信を持ってプレーできていた。一丸となって監督の求めることをやれていたという経験やイメージは残っているはずなので、負けて自信を失うことがないように若い選手たちに声をかけていきたいと思っています」。1-4という敗戦の直後、もちろん悔しい想いがあるなかでも、まっすぐに前を向いて、自分の言葉でしっかりメディアに向けて力強い言葉を発してくれた。J1で勝つことの難しさを知っている彼だからこその言葉でした。武藤祐樹という選手が、レイソルにもたらしてくれるものは本当に大きくて、ここで下を向いていられない、と思い返させてくれました。
そして「柏に関わる人を喜ばせられるようにゴールを決めたい」。そう言い切る彼を信じて、選手たちを信じて、どうか引き続き応援していただきたいです。今日はネルシーニョ監督が復帰し、ベンチで采配を振るいました。この想定外の出来事を乗り越えて、懸命にチームは戦っています。アウェイ広島、ホーム浦和→ガンバ、ルヴァン予選突破がかかる京都戦と引き続きの後押しをどうぞよろしくお願いいたします。今日は冷たい雨の中、勝利で応えられず申し訳ございませんでした。ご声援ありがとうございました。