新シーズンを前に
担当:大重正人
久しぶりの投稿となりましたが、改めまして新年明けましておめでとうございます。今シーズンも柏レイソルへのご支援、応援をよろしくお願いいたします。先ほどニュースでもお知らせしたように、リカルド ロドリゲス新監督と新スタッフ、そして14人の新加入&復帰選手を迎えて、新しい柏レイソルが始動しました。今日の初トレーニングの模様や選手たちの声は、またVlogでお届けしますので今しばらくお待ちください。
その一方で、クラブを離れることになった選手やスタッフがいます。
11月の下旬、練習上がりに「ちょっと話があるんだけど」と声をかけてくれたのが荒川薫トレーナーでした。「今年一杯で辞めることになったんで、伝えておくね。いろいろお世話になりました」。1986年、日立製作所サッカー部時代から、この2024年まで39シーズン。30周年を超えた柏レイソルよりもさらに長く、その以前から、このチームに尽くしてくださいました。ここにいる誰よりも多くの選手たちに接してきたのが荒川さんです。練習や試合で疲労した選手たちの身体はもちろん、いつも温かく優しい言葉で心もほぐしてくれた、レイソルのレジェンド。60歳の節目で決断されました。荒川さんのいない日立台、今も現実味がありません。12月9日の解団式。左手の甲に「×」を書いて、後ろを向いて天に突き上げました。漫画ワンピースの仲間の印を示すユーモアと、こんな言葉を私たちに送ってくれました。「ここにいるみんなは仲間。友達だと思っています」。
赤井寛之トレーナーは、解団式での別れの挨拶でこんな話をしてくれました。「2013年からレイソルに来て、その初日に、工藤壮人選手から『テーピングしてください!』って声をかけられました。巻き終わったけど、実は強く巻きすぎてしまって。クドーが自分でテーピングを外して、自分で巻き直したそうです。『やばいトレーナーが来たぞ』って、選手たちに言ってたらしくて(苦笑)」。結団式の後「すごく良いエピソードでしたよ」って赤井さんに声をかけると、後日談も教えてくれました。「でもクドーは、その後もテーピングを僕に頼みに来てくれたんです。やっぱりクドーは凄いヤツです」。昨年末にお届けしたファンクラブ会報誌での選手相関図の中で、赤井さんに向けて、片山選手からこんなコメントがありました。「康介とカキは『超人気ないじゃん!』とかイジっているけど、二人とも赤井さんをすごく信頼しています。多分、これを言われたら赤井さんも喜ぶ(笑)」
解団式の翌日、12月10日。サヴィオとの最後の仕事だと思いながら、11時30分にアウォーズへ向かうタクシーへ焼田通訳と乗り込みました。主催するJリーグの皆さんもこの素晴らしい選手たちの式典を多くのファンサポーターに届けたいという思いで、おそらく連日遅くまで準備されてきたことは重々分かっていますし、衣装のスタイリングやメイク、そしてメディア皆様からの取材など、対応すべきいろんなことがあるのですが、でも夜のステージが終わるまで、ただ、ちょっと長いんです(笑)。すみません。。。
去年も優秀選手としてアウォーズに参加したサヴィオもそれは分かっているだろうし、それに何もなければ解団式が終わったらすぐに帰国できるのに、絶対に優秀選手に選ばれてアウォーズがあると思って、前もってブラジルへの帰国便を一日遅らせてもらってるし。このレイソルでの最後の長い一日を少しでも良い気分で過ごしてもらいたいと思い、多分フライングだとは分かっていたんですが、こう伝えました。「サヴィオ、ベストイレブンだよ」。サヴィオは日本語で「ホント!?」と。すっごく嬉しそうにしてて、伝えて良かったなと。横浜への車中では、サヴィオがマカダミアナッツチョコや水をくれたり、「MVPは武藤選手かもね」なんて見事言い当てながら、2時間かけて向かいました。本当はダークな衣装が好みだったけど、クラブカラーに近いジャケットにも「ダイジョウブ!」と華麗に着こなし、式典の後まで長く続いたベストイレブン会見を終えて、日立台のクラブハウスに戻ったのは23時ぐらいでした。最後別れる時、来年のことを聞いたら「ソウネ」と頷いてくれました。ここ数年のレイソルを背負い続けてくれて、もうこれ以上ないぐらい貢献してくれて、長かったアウォーズの疲れも見せず穏やかな笑顔を見たら、素直に彼を送り出してあげようという気持ちになれました。
海外クラブへの移籍に向けてクラブを離れた升掛選手、関根選手については、新しい情報が入り次第、お知らせします。彼らと同じくレイソルを離れるメンバーのことは、荒川さんと同じように仲間や友人のように思いますし、感謝しかありませんし、新しい場所で成功してほしいと心から思います。そして今、レイソルに来てくれた選手やスタッフにも、元いた場所、気心知れた仲間がいる中で、今回並々ならぬ覚悟をもって柏への移籍を決断してくれたことを、サポーターの皆さんにも感じ取っていただいて、今年のチームを支えていただけたらと思います。長くなりましたが、今シーズンも柏レイソルをどうぞよろしくお願いいたします。