2011年5月28日

雨の神戸戦

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担当:大重正人

試合の速報を打ち終わって、スタジアムの3階から1階の事務所へ。パソコンをおいて、ミックスゾーンへ向かおうとしたときでした。壁ひとつ隔てたレイソルのロッカールームから「ネッルシニョー!ネッルシニョー!!ネッルシニョー!!!」とサポーター皆さんのそれと同じ、監督へのコールが聞こえてきました。選手たちから沸き起こる歓喜の声。チームの結束を感じるすばらしい瞬間でした。

スコアは3-0でしたが、序盤はヴィッセルに押し込まれる展開でした。「予想通りに相手のプレッシャーが厳しく、特に立ち上がりはリズムを作れなかった」とネルシーニョ監督も認めています。ですが「シュートは打たれたけど、ここを我慢しようと後ろが無失点で踏ん張れた」と、中央からサイドまでカバーリングを見せた大谷選手の言葉通りに守りを固めます。「今は守る時間」と割り切る。「今はみんなで守れる」という自信が伝わってくるようでした。

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その状況を打開したのが、近藤選手のくさびのパスからでした。「ピッチが濡れて蹴りやすかった」という鋭い縦パスが前線へ通ると、大津選手を経由して、レアンドロ選手へ。完璧なスルーパスが右寄りへ通ると、待ち構えていた田中選手が得意の左足でシュートを打てる態勢に。相手GKの逆をしっかりついたシュートで先制しました。

さらに3分後。自陣CKのピンチから、またしてもカウンター。栗澤選手がドリブルで運んで敵陣へ攻め入ります。たしか前には3人ぐらい走っていたように思います。「今がチャンスだ」というカウンターへの意識の高さが浸透しています。いくつかの選択肢があった栗澤選手が選んだのは、一番奥の左サイドに構えていた田中選手でした。

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「鹿児島キャンプでも同じようなシーンがあったんです。その時と同じようにアウトにかけるように蹴って、ファーサイドを狙いました」。おそらく、4月10日のヴォルカ鹿児島戦のゴールだと思います。サッカーには「まったく同じシーンが起こることがないスポーツ。だから難しい」と格言のようにして言われる言葉があります。でも逆に、起こるはずのないシーンがまた起こったとしたら。前回と同じイメージでシュートを決める難しさも相当なものではないでしょうか。

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ヴォルカ戦は、ちょうどシュートコースの真正面で見ていました。見事な弾道がこちらに飛んできたことを覚えています。今日は逆に田中選手のちょうど真後ろからその瞬間を見ました。スタジアムで実際に観戦された経験があればおわかりだと思いますが、時に「そこに打て!」というシュートコースが見えることがあると思います。今日は速報を打ちながら、まさにそのコースがまっすぐ見えました。このコースに、この軌道で。そんなイメージどおりに田中選手のキックがボールの右寄りをとらえ、DFとGKの脇を抜け、左へ曲がるようなシュートが突き刺さりました。本当に気持ちの良いゴールでした!

2-0というスコアが一番危ないと言われますが、そこから攻守どちらかに偏ることなく、ゲームをコントロール。「1点取られたらどうなるかわからなかった(大谷選手)」と慎重かつ、チャンスには大胆にしかけ、レアンドロ選手のダメ押しゴールが決まりました。今日記念すべきJ1・100試合出場を飾ったGK菅野選手と最終ラインの安定感は今日も変わらず、3試合連続の無失点。またしてもレイソルらしいゲーム運びで勝利をおさめました。

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そんな選手たちを待っていたのが、ネルシーニョ監督からのごほうび。「明日はオフだ!」。それで冒頭の大コールにつながったのです?(笑)。明日の天候が雨予報で練習試合が中止になるなど、いろんな状況が重なった結果だと思いますが、監督の手綱さばきは本当に絶妙です。来月にはベガルタ、マリノス、ジュビロと好調のチームを相手に連戦が続きます。今日は勝利に浸って、また来週から気を引き締めて挑んでいきましょう!

オフになった日曜日ですが、北嶋選手には大きな仕事が。明日夜のスカパー「アフターゲームショー」に生出演します。チームは勝利、首位を守って、ゴールはなかったけど1アシスト。気持ちよく出演してくれることでしょう。こちらもどうぞお楽しみに!今日も雨の中にもかかわらず、勝利を引き寄せる熱い応援ありがとうございました!さあ家に帰って日テレ「Going」を見ましょうか?

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