「俺たちの宝」
担当:河原 正明
前節のサガン鳥栖戦。試合終了と同時にピッチに伏して動けなかった。それから4日後の日立台、自らのゴールでホームスタジアムを沸かせたのも同じ鈴木選手でした。
J1リーグ過密日程5連戦のラストは新潟に1?0で勝利。勝ち点を23に積み上げて、勝ち点差1の直接対決を制して順位も4位に再浮上しました。
試合後、敵将の柳下監督も「両チームともスピーディーでいいゲームができたと思う」と話していましたが互いに最後の最後まで死力を尽くした好ゲームでした。しかし、新潟は強かったです。前線の川又選手、岡本選手ら前線のスピードと運動量、強固な守備陣、そして中盤で神出鬼没だったレオシルバ選手。今季も10戦負けなし中でしたが、前半18分にGK菅野選手が1vs1のシュートをセーブして、ポストがシュートをはじいていなかったら試合の結果は逆だったかもしれません。
今日の試合に人一倍強い思いで臨んでいたのであろう鈴木選手。古巣対決、相手のエース川又選手は同期入団の親友、そして前節のミスを得点で取り返すとばかりに、前半から果敢にゴール前に上がっていく。そして本業の守備では何度もエアバトルを繰り広げて、無失点に抑えます。そして決勝ゴールの場面、田中選手のフリーキックがガシッと乾いた音とともに跳ね返ると、猛然と敵を振り切りトラップしてシュート!決してクリーンヒットではありませんでしたが、大輔の気魄に押されたボールはクロスバーに当たり、そして相手DFに当たりながらゴールに吸い込まれていきました。
5連戦で4勝。うち2試合が完封勝利です。「得点よりもゼロで抑えて勝利できたことが嬉しい」とDFの選手らしいコメントを。そして移籍して1年3ヶ月「やっとここでしゃべることができました(笑)」とメガホンをもって初の"レッツゴー柏"の音頭を満面の笑顔で取りました!
12日にはいよいよワールドカップ日本代表選手が発表されますがこれ以上ない最後のアピールになったのではないでしょうか。
今日のスタジアムに掲げられた「柏の育成、俺たちの宝」の横断幕。2012年9月の天皇杯2回戦で掲げられたものが再び日立台に登場。昨日登録が完了したU-18の大島、中山選手もベンチ入りし、18人中10人がアカデミー出身選手。とはいえ、内情はケガ人続出で苦しかったのも事実。スタメンにJ1デビューとなる小林選手が起用されました。
その小林選手、「3日前から緊張していた」とは思えないほど堂々としたデビュー戦になりました。「最初のプレーがうまくいった。いいパスが出せた」。攻撃では得意の前に前へという意識が高いプレーを披露。守備ではガツガツと激しくチェイスし、ボールを奪う。あるいは機を見て放つスルーパス。しだいに彼のプレーにスタジアムが熱い視線を送り続けるようになります。
後半15分にゴール前までドリブルで持ち上がって自ら放ったシュート。「もう少し右を狙っていた。決めたかった!」キーパーの正面を突き惜しくも決まらず。後半40分に交代する際は、レイソルサポーターから惜しみのない暖かい声援がかけられました。
ネルシーニョ監督も「今夜試合を見た人にわざわざ説明をする必要はないでしょう(笑)。自信あふれるプレーで物怖じすることなく自分の持っているものを出してくれた」と手放しで高評価。私は会見の司会をしていたのですが、彼に関する質問が来たときに監督が満面の笑顔だったのが、今日一番印象に残りました。
そして小林選手は続けてデビュー戦をもうひとつ。スカパー!マッチデーハイライトにも出演「え、本当に生放送ですか?」とビックリしていましたが、こちらのデビューも無事に果たして初物づくしの一日が終わったのでした。
今節唯一のナイトゲーム、キックオフ前1時間に他会場の試合は終了。この試合が勝つか負けるかで大きな違いとなることを知って臨むとあって、練習の時からスタンド全体から応援しようという熱が伝わりました。小林選手も「一番最初にコールをしてもらってうれしかった。その時の今日はいつもと違うぞって思いました」皆さんのパワーが集まり選手を後押しする応援。総立ちのお出迎えに、跳ね続ける黄色い一団はキックオフと同時にさらにパワーアップ、ゴール裏の1階席も2階席の端までが揺れ続くのは圧巻でした。苦しい連戦を乗り越えて、中断まであと1試合です。連勝で終わるためにも引き続き応援をよろしくお願いします!
最後に、明日また日立柏総合グラウンド・人工芝で13時から「高円宮プレミアリーグ第5節 柏レイソルU-18対三菱養和ユース戦」が開催されます。今日メンバー入りした大島、中山選手をはじめ、2種登録された選手たちも2試合ぶりに揃っての試合となります。ここが「宝のありか」です。お時間がございましたらぜひ応援にお越しください。