ちばぎんカップ
担当:大重正人
「1万人以上の方にご来場いただいて、スタジアムの雰囲気がすごくいい中で勝利できたことに満足しています」。下平監督は、試合後会見の第一声でこう振り返りました。3年ぶりの日立台開催となった「ちばぎんカップ」。思ったよりも日差しが降り注ぎ、空は澄み渡るブルーの快晴。チケットの売れ行きも良く、キックオフが近づくにつれ、みるみるとスタンドが埋まっていきました。11000人を超える両チームファン・サポーターの皆さんの応援の熱がぶつかりあい、その熱気を肌で感じ取った選手たちによる白熱の一戦となりました。クレーベル選手、ケンペス選手にもこの千葉ダービーの熱気が届いていることと思います。
立ち上がりはジェフのすさまじい勢いを受けてしまう展開でした。3バックのシステムとのミスマッチ、また前線2トップの激しいプレッシング、近藤直也選手が中央で構える最終ラインは非常に高く、シュートシーンを与えてしまう序盤でした。ただ相手のやり方に慣れてきた15分過ぎからは、攻守において、レイソルが徐々にペースを握っていきました。
今季、レイソルが誇る前線カルテットがオフサイドラインギリギリからの抜け出しを狙い、GKとの1対1やセットプレーでビッグチャンスを作り出しますが、相手GKやDFの体を張ったプレーでゴールを割れません。「前半から何度も決定機がありながらもチャンスを決めきれなかったのは歯がゆい展開」と下平監督は反省しましたが、後半に向けて裏を狙うポイントを整理すると、選手たちがピッチで体現します。
裏への抜け出しからチャンスを作ると、クリスティアーノ選手とディエゴオリヴェイラ選手がしっかりとゴールネットを揺らしました。1ゴール1アシストで文句なしのMVPに選ばれたクリスは「先制点は右サイドからハモンがヘディングで合わせようとした所で、自分の前にボールが来て、ワントラップしてゴールにけりこんだ。アシストは、非常に統制のとれた相手のディフェンスラインに私達もギリギリの所で攻めていて、そこで上手くディエゴの前にボールを出せて、ディエゴが決めてくれた」とプレーを振り返りました。
「そのシーンだけでなく今日の試合は相手の裏を狙って突くことが多くできていた。今年の前線の4人(クリス、ディエゴ、ハモン、伊東)というのは昨年よりも相手にとって脅威になると思う」。CDRのブラジルトリオに「J」を加えたこの4枚が、持ち前の攻撃力に加え、いかにチームディフェンスのなかで攻守のバランスを取り、フィットできるか。今日ピッチに立った大津、武富、中川選手はこのサッカーの中での役割をしっかり果たし、個々の持ち味を発揮できる選手たちですから、コンディションや相手によっていろんな組み合わせ、戦い方を選択できるでしょう。
守備陣は、ピンチもありながら、結果は無失点。GK中村航輔選手はさすがの好セーブがあり、中央の中谷&中山選手との「N3」は昨年1年間の経験値を高め、さらに今年が楽しみです。両サイドの輪湖選手、今井選手はポジション争いのなかで、今日もアグレッシブに、また持ち味を発揮してくれました。
ダブルボランチの大谷&小林コンビが、一歩間違えば行ったり来たりの難しい試合になりそうなところをしっかりコントロールし、さらに2年目の安西海斗選手がうれしい日立台デビューを果たしました。「自分の目標だったし、今日改めて(プロとして)スタートを切れたと思う。ピッチに入る時には試合が大きく動いていたので、相手のチャンスを潰したり、カバーをすることを意識していた。とにかくボールに触って自分のリズムに持って行こうとしていて、試合ということもあって何かを残したくて積極的なプレーをした。まだ自分のポジションを確立したわけではないので、攻守においてもっと成長できるよう頑張っていきたい」。こちらも新しい若手の台頭が期待できそうです。
選手たちの試合後のコメントはこちらからご覧ください。
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2-0という結果。指宿キャンプでは連敗していて、どういう試合でも負けると気が落ちてしまいますし、今日はきっちり勝利できて、2月25日の開幕戦までの2週間を過ごせることは、選手たちにもサポーターの皆さんにとっても前向きに鳥栖戦を迎えられることになったのは本当に良かったです。ジェフのサポーターも非常に多く集まりましたが、やっぱりここはホーム日立台。ゴール裏のサポーターの皆さんを中心に、レイソルらしいオリジナリティあふれる応援歌、熱い歌声で力強く後押しをいただきました。
「勝ちにこだわる、俺たちは」。このフレーズへの強い思いは、試合後の横断幕のメッセージにもこめられ、選手たちは改めて柏レイソルというクラブが目指すべきところを共有できたことと思います。今日も本当にありがとうございました。今シーズンも変わらぬサポートをどうぞよろしくお願いいたします。