ルヴァン大宮戦
担当:大重正人
ルヴァンカップのグループステージ第2節。初披露となったネイビーの2ndユニフォームをまとっての、大宮とのアウェイゲームは0-0のドローで勝ち点1を加えました。GK桐畑選手の好セーブ、90分通して安定したプレーが、その1ポイントをもたらしたと言って過言ではない、すばらしい仕事を見せてくれました。2節を終え、勝ち点4で2位につけています。東京と大宮は1試合しか消化していない中ですが、プレーオフ圏内を守っています。
今日得られた結果をポジティブにとらえれば、こう表現できるかもしれません。一方で、残り25分で相手が一人退場し、数的有利に。1点さえ獲れば、勝ち点3は濃厚だったにもかかわらず、決定的な場面も数少なく、ノーゴール。大宮公園の桜が冷たい風に吹かれて舞い散るような夜にもかかわらず、平日ナイトゲームに駆けつけてくださったサポーターの方々から厳しい声が飛ぶのも無理のない結果になってしまいました。ゴールを決めたい、何とか勝ちたい。今季勝利が少なく、逸る気持ちからか、落ち着くべき時に攻め急いでいたり、周りにサポートがいるにもかかわらず個人突破を狙ったり、どこか歯車がかみ合わない状態です。個人としては必死で走り、何とか結果を残したいと奮闘する選手ばかりでした。だからこそその頑張りが結果につながらなかったという悔しさがつのります。
ただ、新しくチームの力を底上げしてくれる2人が90分フルタイム出場を果たしました。まずは細貝萌選手。レイソル加入から公式戦3試合目での先発出場でした。栗澤選手と組んだボランチですから2人が力を発揮して守備は安定しましたし、まず無失点で終われたことはチームにとって間違いなくプラスの要素です。「久しぶりの90分だったけれど、コンディション的には問題ない。ただ、もっともっとできると思っている」と勝ち点3を獲れなかったことへの悔いが続きます。
「やっぱり結果が出なかったのが残念。勝てなかったことには課題があるので、自分自身含め、課題を克服していきたい。得点が取れなかったことや、ボランチとして守備を締めていく役割など、そういった所を重視しながらチームを支えていかないといけない。失点しないことを意識してやっていたなかで、そこから前へボールを供給できたら良かった」とレイソルでの初出場を振り返りました。もちろんハジの言うとおり、もっともっとできる、というのが本来の実力でしょう。ただピッチ上で常に堂々と落ち着いていて、あわてるような素振りがほとんどなかったと思います。持ち味の激しい部分と、シンプルにこなすボールプレーは、レイソルの中盤にこれから安心感を与え、必ずや大きな力になってくれることと思います。
そしてもう一人が今井智基選手。「ちゃんと公式戦に出るのは1年1か月ぶりでした」と長いブランクを乗り越え、そして「復帰戦が大宮戦になったのは嬉しかった」と古巣のスタジアム、チームメイト、サポーターの前で元気な姿を見せることができました。しかし「古巣の大宮相手だからということではなく、まずはチームが勝つことで、その勝つことができなくて残念です。もう少しクロスや、最後のフィニッシュの所までやり切ることができればよかった。90分出場は少しきつかったけど、チームが勝つために走ることや相手に走り勝つことなど、局面で相手より上回らないと結果はついてこない。まず走ることは続けていきたい」とコメントしました。大宮には、昨年までレイソルに在籍した茨田選手がいて、バラとメロが違うユニフォームを着ている姿は双方のサポーターにとって、少し複雑な思いもあったでしょう。しかしチームの成績が上がっていないなかで、まずは相手より自分たち。目の前のライバルに打ち勝たなければ明日はありません。
日曜日は、ヴィッセル神戸戦です。昨日の友は、今日の敵。相手は首位の強敵。ネルシーニョ監督はどんな相手でも全身全霊で叩きに来る監督です。それを上回るには、今日以上の気迫や連携や総力が絶対に必要です。準備期間は短くとも、その成果を見せなければいけません。