磐田戦
担当:大重正人
最高の試合、最低の試合。世界中追いかけるぜ、覚悟しとけよ。「突き進め柏」の中にこんな詞があります。良い試合も悪い試合もあるけれど、どんな結果が待っていようと、どこへでも、最後の最後まで応援し続ける、という柏レイソルを応援する思いをこれ以上ない言葉であらわしていただいた唄です。しかしながら、今日は大変に残念な結果に終わってしまいました。
「本当に情けない結果、情けない試合をしてしまった。かなりチャンスを作り、先制点を奪い、さらに追加点を取るチャンスが何度もあり、大失態。勝たなければならない試合だったし、勝って当然というようなゲームだった。本当に腹立たしく、情けない。たくさん駆けつけてくれて、最後まで応援してくれたサポーターの方々に申し訳ない」。下平監督が会見でこのような言葉で試合を振り返ったのは初めてかと思います。
ディエゴ選手のパワフルさと柔軟さが非常に表れたファインゴール、前半16分の先制点でした。そこからもレイソルが主導権を握り、決定的なチャンスは本当に多かった。ドゥドゥ選手は決して大柄ではありませんが、ハイボールに競りかけ、身体を張ったプレーでボールをキープし、そしてゴール前へ迫りました。今日は本当に躍動していた彼が2点目のゴールを決めて、ヒーローになってほしかった。ゴールしていれば中継スタッフの方にヒーローインタビューを強くお願いするつもりでした。試合後のドゥドゥは誰よりも悔しい思いを露わにしていたそうです。
今年のルヴァンカップはレフェリー6人制で裁かれています。今日は一度下された判定が、他のレフェリーの判断で変わるようなところもあり、今日は両チームのベンチとも混乱するような状況があったように見えました。もし間違いがあったとしたら正されるべきなのは当たり前なのですが、でも一度マイボールかと思ったものが変わってしまったら、どうしてもなぜと思ってしまいますし、誰が主たるレフェリーなの?とか、それとも6人全員が平等で等しく判定できるの?とか、混乱してしまいます。
細かいところで言えば、同点に追いつかれた場面のきっかけとなった相手スローインも、今井選手のヘディングが相手に当たってボールアウトになったように見えましたし、安西選手がなぎ倒された場面も笛はなりませんでした。そこは細かな断片的なものでしかありませんし、もちろん相手側にとっても同じようなことがあったかもしれません。今季からメディアに対し判定の説明をするなど、透明性を高めようとする取り組みが非常にされていて、判定の難しさや複雑なルールを学び知る機会をいただいています。敵味方すべての人が納得する判定というのは非常に難しいことですし、それもサッカーの一部といえばその通りなのですが、今日の試合もまた検証されるでしょうし、今後の試合に活かされるようになればと思います。また審判4人制と6人制の違いやメリット、また主審とそれ以外のレフェリーがどんな役割を持っているのかも、見る側により深く伝わればと思います。
ただ、判定だけを理由にしてしまえば、ただの負け惜しみにしかなりませんし、チームが強くなるためにもなりません。あのスローインだけを切り取れば、クロスからのシュートを止めることができたら、何の問題にもならないでしょう。今日は立ち上がりから非常に優勢な試合運びができていたからこそ、ただ負けたという結果に対してより一層悔しさが募りますし、選手たちは絞り出すように省みるコメントがありました。
鎌田選手「みんなそれぞれ、この試合での課題ははっきりしていると思う。前線の選手は決めきる所、後ろの選手はしっかり0点に抑えることができなかった」
栗澤選手「2、3点取れるチャンスがあったけれど、それを決めきれない。ボールへの寄せやこれくらいやれば勝てるだろうというちょっとした気の緩みがあったと思う。危機感があればもっと前線で相手を止められた所もあった。そういった所の1つ1つをおろそかにした結果だと思う。リーグ戦で勝てているなか、普段試合に出られないメンバーで挑んだ試合で負けるというのは、そういった所の細かい差が表れていると思う。そこはみんな考えていかないといけない」
桐畑選手「ディエゴが違いを見せてくれた。相手の守備を翻弄して、今日は何点取ってもおかしくない状況だった。セカンドボールも拾えていたし、パスも回せていたし、相手の怖さも消せていた。そのなかで1点取れたけれど結果は1-2、がっかり。決めるべき所と言ってしまえば、FWの選手からしたら守るべき所と思う所もあっただろうし、後ろが踏ん張れなかった所もある。もっと点を取れれば良かったけれど、今日で言えば1-0でも勝って終わらないといけない内容だった。そこで結果1-2になってしまったのは追加点を取れなかったこともあるし、守り切れなかった自分達のせいだと思う」
年齢を重ねてこの戦いを長く経験してきた選手たちだからこそ、今の自分の状況と、この試合に懸けていた思いの中で、こういう結果に終わってしまったことを悔しく思っているでしょうし、これを繰り返してはいけないという言葉でした。今日プロ初出場の安西選手、そしてルーキーの古賀選手にとっても、糧にしなければならない結果となりました。
どこかやり場のない思いでいっぱいなのですが、それでも来たる6日土曜には、リーグ戦のセレッソ大阪戦を迎えます。チケットは今日以上に売れていて完売間近です。サポーターの皆さんが今日のようにすばらしいホームの雰囲気を作ってくれるでしょうし、選手たちがこの悔しさを力に変え、今日の結果を跳ね返すような試合を。今日の分まで気持ちが晴れやかにしてくれるような勝利を祈るばかりです