天皇杯山形戦
担当:大重正人
立ち上がりから、レイソル、モンテディオ、ともにしっかりと守備の組織を作り、そしてボールをひっかけたり、奪い返したりした後の切り替えの早さがあり、攻撃も守備もとても激しい試合の幕開けでした。相手チームや山形のホームサポーターからすれば「今日は十分やれるぞ」、スタジアムをそんな雰囲気にさせてしまったようにも感じます。
ただ、レイソルもカウンターから作られたピンチを防ぎ、そしてカウンターからビッグチャンスを作りました。前半28分にゴール前の混戦から放った瀬川選手のシュート、32分の右サイドからのクロスを合わせた山崎選手のヘディングはともにゴールの枠に阻まれ、前半終了間際にも右サイドからのグラウンダーに瀬川選手が飛びこむも、右足にヒットせず。この前半の3回の決定機を逃してしまったこと。敗因のひとつになってしまいました。
後半22分、コーナーキックからヘディングシュートを許して0-1。栗澤選手に替えて小泉選手、瀬川選手に替えて江坂選手がピッチに入ります。ゴールを奪おうという懸命の姿勢がより高まります。右サイドからクリスティアーノ選手がクロスを蹴りこみ、何とかゴールへ迫ろうとします。残り時間が刻一刻と減っていく中で、後半44分にキムボギョン選手がドリブルでペナルティエリアへ仕掛けて転倒。レフェリーのホイッスルが鳴り、PKを獲得しました。
クリスがしっかり蹴りこんでゴール。ようやく同点に追いつきました。1-1、アディショナルタイムは4分と掲示されました。見ている側としては「これで延長だ、残り30分で勝ち越してほしい」、正直そんな風に思いました。ただピッチの中の選手たちはどうだったのか、残り4分でゴールを狙いにいくのか、それとも延長で決着をつけるのか。とにもかくにも失点だけは絶対に許されない場面だったにもかかわらず、カウンターからのクロスでヘディングを決められ、この天皇杯のトーナメントが7月で終えることになってしまいました。
選手たちの意志が見えるような、選手が躍動するようなサッカー。加藤監督がこのチームの立ち上げから掲げているものです。この日、水曜日のナイトゲームにもかかわらず、勝利を信じ駆けつけてくれた200人のサポーターのみなさんに、この日なにを感じ取ってもらえたか。どうやって相手のゴールを奪い、いかに自分のゴールを守るのか。相手より走り、相手より闘う。そして何より自分たちが勝つ、勝ちたいという勝利への意志。新たなサッカーへのチャレンジの最中、そんなすぐに完成するほどサッカーは簡単ではありませんが、いまの時点で持ちうるものすべて、もっともっと出せるものがあるはずです。出さなければいけません。そして試合はすぐにやってきます。来週水曜日、ホームでのFC東京戦。この重大な敗戦から立ち上がなければなりません。