京都戦
担当:大重正人
90+3分、セットプレーからの決勝点。今日も1点差の接戦を制しての4連勝。苦しく際どいのギリギリの試合を、しぶとく我慢強くものにしました。京都のビルドアップ、ポゼッションに対し、前線からのプレスで挑んでいきました。立ち上がりは相手のミスを突いてショートカウンターを繰り出す場面もありました。闘莉王選手からクリスが奪ってのビッグチャンス、あれを仕留めていればという前半ではありました。一方、徐々に調子を上げた相手の巧みさもあって剥がされる場面が増え、ハーフタイムにはネルシーニョ監督から修正の指示がありました。「前からはめるのではなくてミドルゾーンできちっと守備をオーガナイズしてから、ミドルゾーンでボールを奪ってからのカウンターに繋げよう」と。
江坂選手を投入し、手塚選手と同じように相手のビルドアップにプレッシャーを与えながら、攻撃ではくさびを受けて攻撃のリズムを作り、後半の立ち上がりは試合を握りかけました。しかし、相手のパスワークはさらにテンポがあがり、サイドの崩されてのピンチが散見するようになります。それでも中央で構えていた染谷悠太選手はこう振り返りました。「一番いけないのは、外されて慌てて行ってさらに外されてスペースを与える、ということ。そこはみんなで中を固められたのが良かったし、一人がアタックしたら他がカバーするという形も上手くできていた。今日の試合は我慢比べなところがあった」。スタッツを見れば、許したシュートは前後半で2本ずつ。水際で食い止めたところもありましたし、身を呈しての激しいブロックでシュートカウントされないすばらしいディフェンスもありました。
ただ、失点はせずとも、0-0の拮抗が続きます。レイソルのビッグチャンスもクリスのヘディングがクロスバーを叩いた場面ぐらいで、今日は守備で我慢して、勝ち点1を持ち帰ったと割り切って考えられるような試合でした。でも最後の最後にドラマが待っていました。時計は92分を回り、セットプレーのチャンス。クリスのファーへのロングキックを、途中出場のガブリエル選手がやわらかく折り返します。
「カブリエルが折り返したボールがゴールに向かうのではなくて、ゴールと並行に折り返した。少しスペースが空いて、相手がクリアしづらいボールを折り返してくれたので、自分はもう本当にボールに向かって飛び込むだけだった」。鎌田選手のヘディングがゴールをカバーするDFの脇をすり抜け、劇的すぎる決勝点。ヒーローインタビューを終えて、ゴール裏へ駆け出すジローを迎えた応援歌は、鳥肌の立つような一体感とパワーと喜びに満ちていました。
「ただ、勝ったから良しではなくて、しっかりと修正しないといけないところもあるし、また次のゲームに向けてやっていきたい」。大谷選手をはじめ、鎌田選手や染谷選手も早くも課題を見つめ直す言葉を残し、帰途につきました。何より大事な「結果」を得ながらも、その質を上げていかなければいけません。4連勝、残りはまだまだ38試合あります。一つでも多くの勝利を勝ち点と喜びをサポーターのみなさんにお届けできるよう、引き続き戦ってまいります。今日も西京極のイエローの一団が、90分を過ぎた最後の最後に勝利を引き寄せてくれたと思います。来週はホーム日立台、土曜日の岡山戦もご声援をよろしくお願いいたします。今日も応援ありがとうございました。