2019年12月 5日

古賀選手 初の日本代表へ

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担当:笹原麻央

リーグ最終戦から1週間と数日が経ちました。チームは最終戦翌日からオフに入りましたが、オフでもトレーニングに訪れる選手がいて、毎日クラブハウスでは誰かしらの姿を見かけます。サポーターの方々の中には、毎週末あったリーグ戦が終わり、少し物足りなく感じてらっしゃる方もいるのではないでしょうか。

そんな"レイソル不足"になりそうなオフ期間ですが、昨日嬉しいニュースが飛び込んできました。GK中村航輔選手とDF古賀太陽選手が、日本代表に選出されました。2人は12月8日(日)から代表チームに合流し、12月10日(火)から韓国・釜山でおこなわれる「EAFF E-1 サッカー選手権 2019 決勝大会」に参加することになります。
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中村選手のコメントです。「日本代表に選ばれたことを大変光栄に思います。チームに貢献して、国際大会で良い結果を残せるように頑張ります」
中村選手は先月のキリンチャレンジカップに続いての選出となりました。今シーズンは何度もチームを救うセーブを見せてくれました。前半戦、なかなか得点を奪えずに勝ちきれない試合が続いた時期も、中村選手を中心とした守備陣が体を張って失点を防ぎ、最低限の勝点を拾い続けてこられたことが、優勝、J1復帰に繋がったことは言うまでもありません。前回の選出時は残念ながら出場はありませんでしたが、今回は是非代表の舞台でのプレーに期待したいです。

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次に古賀選手のコメントです。「今回選出して頂いた事をとても嬉しく思います。また、責任感を持って日本代表の名に恥じないプレーをできるよう頑張ります」。
まず、古賀選手は初の日本代表選出となります。これまで各世代の代表に名を連ねながら成長を重ね、今年はネルシーニョ監督のもとJ2優勝へ大きく貢献してくれました。そんな1年の締め括りに代表への選出。代表活動はこれからですが、今年は間違いなく濃い1年になったのではないでしょうか。

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今回は、中村選手、古賀選手が選出されたE-1選手権を戦う22人の他に、12月28日に長崎で行われる国際親善試合・U-22ジャマイカ戦のメンバーも同時に発表がありました。
オフィシャルのコメントでは「責任感を持って日本代表の名に恥じないプレーを」と力強いコメントを送ってくれた古賀選手ですが、「もちろんE-1に入れたらいいなとは思っていましたけど、チャンスがあるとすればU-22の方かなと思っていたので、まさかそっちに自分が入るとは思わなくてびっくりしました(笑)」と、選出後の率直な思いも聞かせてくれました。
ですが嬉しさや驚きと同時に、「(世代別代表とは)全然違う気持ちです。少しでも緩さが出たら付いていけなくなるという危機感とプレッシャーを感じます」と、初の日本代表選出で今までとは違った思いも感じていました。

今回のメンバーの中には、古賀選手と同じく五輪世代の選手が9人選出。国際親善試合のメンバーに入った19人、今回は選出されなかった選手を含めて、来年の東京五輪のメンバー入りへ、生き残りをかけた戦いが始まります。
「自分は後ろの選手なので、前線の選手でいうゴールのような目に見える結果というのがなかなかないので難しいですけど、1対1での強さや印象に残るような奪い方、印象に残るようなプレーをしてインパクトを残したい」と、昨年は世代別代表からも一時は離れていましたが、再び東京五輪を目標に掲げます。

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先日、クラブのオフィシャルライターである鈴木潤さんによる取材が行われました。「失点や負けに直接関わった試合もあったけれど、それでも監督は使い続けてくれた。(メンバーから)外されて逃げることは簡単だけれど、使い続けてくれたことで自分と向き合えた」と、良い試合悪い試合、どんな時も自分と向き合いながら戦い、試合に出て感じる悔しさを糧に大きな成長を遂げた今シーズンのことも振り返ってくれました。

個人的な話にはなりますが、2017年の夏、私が大学3年の時に初めてレイソルへインターンシップに来た際に、試合後のミックスゾーンで初めて選手のコメント取りをしたのが古賀選手でした。ボランチでスタメンとして出場したホームでの新潟戦。レイソルは中谷進之介選手(現名古屋グランパス)が前半途中で退場し、古賀選手はボランチからセンターバックへ。試合は1人少ない中で何とか勝点1を取ったというものでしたが、当時19歳の古賀選手は、「自分のところで落ち着けられれば試合展開も違ったと思うし、どのシーンを見ても反省ばかり」「もっと強くならなければいけない」と、冷静に試合を振り返りながらも悔しさを滲ませる様子が印象的でした。
その話をすると本人も、「(その試合は)良い記憶ではないですけどめちゃくちゃ覚えてます。その年は試合に出ても下位のチームに勝ちきれなかったり、全然ダメでへこみまくってました」と苦い思い出となった1年目を振り返ってくれました。

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「1年目は守備のところで戦えなかった。人にも強くいけなかったし、ディフェンスラインの人間として全く対応できずに終わりました」と当時を振り返りますが、昨年の半年間のアビスパ福岡への移籍を機に、「試合に出続けることで色々なシチュエーションを経験出来て、余裕が持てるようになったし、まだまだですけど戦えるようになりました」と、古賀選手らしい謙遜したような言い方ではありましたが、昨年のアビスパでの半年で得たものはとても大きく、確実に自信になったのだと思います。

私がこの1年間試合後のコメントを聞きながら、1年半前に見た古賀選手の姿と比べて感じた変化もありました。今年は自分の反省点を挙げるだけでなく、常にチームとしての課題にも目をやり、「自分のところでなんとかできれば」と、チームの課題を自分に重ね合わせ、常に自分自身に矢印を向けながら解決へ向かおうという姿勢。プレー同様の広い視野でチームを見る、チームの一員として戦う責任感がそこには感じられました。

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「自分のプレーを見たことがない人もたくさんいると思うけれど、そういった人が自分のプレーを見た時に"強い選手"でありたい。戦える選手という姿を見せたい。弱い選手で終わりたくない」
"強い選手"というのは、もちろん球際や1対1の対応といった技術的な部分もありますが、古賀選手の言う"強い"には、それだけではなく自分の弱さと向き合う強さ、目標を達成したいという想いの強さ、色々な意味が込められているように感じました。

今度は柏から世界へ飛び出し、日本代表という舞台で戦うこととなります。
まずは12月10日、E-1選手権初戦の中国戦はフジテレビ系列で放送されます。その名の通り柏の象徴として力強く輝く姿に期待しましょう!がんばれ、柏の太陽!
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