2022年7月11日

鳥栖戦

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担当:大重正人

ボール支配率は、レイソルが31%、サガンが69%。数字が示す通り、レイソルがボールを保持して連続攻撃ができた時間はほとんとありませんでした。ただ公式記録のシュート数は、レイソルが8本に対し、サガンは前半3本、後半には至ってはわずか1本。ボールは長く持たれましたが、危険なエリアへのボールと人の侵入をことごとく防ぎ、シュートにも上島選手や高橋選手が身を投げ出してブロック。結果的にはレイソルのゴールへ向かうシュートを打たせず、1点をしっかり守り抜いて、連敗を3でストップ、4試合ぶりの勝利を手にしました。

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それにしても苦しい苦しい試合でした。立ち上がりから鳥栖のパスワーク、ポジショニングに対し、レイソルはなかなか球際に激しくアタックできず、左右へのスライドを何度も繰り返し、相手の侵入にどこまで走って凌げるかという展開でした。前半19分武藤選手のゴールが与えてくれた勇気がなければ、選手たちの足は止まっていたかもしれません。

武藤選手のゴールは、多くの選手とパスがつながった、気持ちの良いゴールでした。最終ラインから上島→高橋と展開し、サヴィオ選手がうまく縦パスを引き出す動きで、ダイレクトで川口選手へ。さらにダイレクトでインサイドの小屋松選手へ。この瞬間に武藤選手は相手のハイラインと駆け引きしていました。小屋松選手がタイミングを図るも、ここは右前の川口選手へ。ここで武藤選手がしっかり動き直して相手のラインギリギリから完璧なタイミングでの抜け出しでした。

「一つ裏を取ろうと動き出してボールが外に出て、もう一度自分が中でポジションを取り直して、と自分の良さが出たシーンでもあったし、そこに対して本当にいいパスがきた。GKの位置を見てニアが空いていたので、そこにしっかり決め切れた」。これがJ1通算50ゴール目のメモリアルゴールとなりました。「自分の中でも何試合か前からあと数点で届くとは思っていたので、もちろん点を取って一つでも積み重ねたいという気持ちはあって凄く嬉しい気持ちです。ただ50点決めたからと言って僕の中で満足かと言ったらそうではないです。それ以上にたくさん決めている選手もいますし、僕自身ももっと多くのゴールを『レイソルのために』決められるように頑張っていきたい」。

今日決めてくれたゴールはもちろん素晴らしかったのですが、そのほかに2回、ビッグチャンスがありました。決めきれず本当に悔しがっている後ろ姿がとても印象に残っています。エースナンバーを背負い、レイソルの命運を背負って戦ってくれている気概が伝わってきます。この苦しい試合をものにできた、最大の立役者です。

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この貴重なゴールで、リードしている状況ではレイソルが無理に前に出ていく必要がなくなり、守備に重心をおく戦い方を徹底できました。前から行ける時のプレスと、5-4のブロックの使い分け。ただ狡猾な鳥栖のパスワークで、レイソルは相当に走らされてスタミナを消耗していました。足を攣らせる選手も続出しました。しっかり守れている時はメンバーを動かさず戦うことの多いネルシーニョ監督ですが、この日は選手たちが力を出し尽くしたところで、次々とカードを切っていきました。その5人の選手たちが、監督の戦術に沿って守り、そして走る。守る時間は果てしなく続きましたが、それでも危険なシュートはほとんどなかった。GK佐々木選手が仕事をするその前段階でしっかり跳ね返すことができていました。よくぞ最後まで戦い抜きました。

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連敗を止める。この日の最大のミッションを、苦しみながら達成することができました。続く試合は水曜日、アウェイ神戸での天皇杯ラウンド16です。引き続きの応援をどうぞよろしくお願いします。今日も力強い応援をありがとうございました。