ガンバ戦
担当:大重正人
両チームの選手とサポーターが一体となっての死闘、今まで当たり前だった日立台の光景がやっと蘇ってきた、そう感じられる試合でした。もちろん拮抗した試合展開やゴールがあってのことですが、両チームサポーターの声出し応援、次々とピッチに送られる歌声に選手たちの闘争心が掻き立てられ、最初から最後までテンポの落ちない、100分のゲームでした。先制しながらも勝ちきれず2-2の同点に終わった悔しさは当然残っているものの、最後に追いついた上での勝ち点1、相手から奪い取った2ポイントは、この先になってものを言うかもしれません。
「立ち上がりはボールを動かしながら、狙い通りにやれていた」とネルシーニョ監督が振り返ったように、今年からまた構築を目指しているビルドアップから前進し、またガンバも同じようなサッカーを展開したことで拮抗した試合になりました。徐々にガンバが握る時間が増えたものの、守備の形を変え、相手の攻撃にしっかり対応してゲームを進められていました。
なかなかボールを握れないなと感じていた前半終了間際、ショートパス一辺倒にならず、背後への動き出しとロングパスを織りまぜ始めたところで、レイソルが先制に成功しました。右サイドの裏へ細谷選手がフリーラン、そこを見逃さず片山選手が左足でフィードを届けて、敵陣深くでポイントを作れました。「相手の裏を取ったときに相手が下がりきっている部分と、ボックス付近で空間があったので、真大からパスをもらえてもシュートを打ちたいなと思っていた」
クロスからのこぼれを拾った片山選手が右足アウトでゲット、今季レイソル初ゴールは、新加入の瑛ちゃん!でした。「移籍してきて最初のリーグ戦で、気持ちも入っていたし、ここで自分らしいプレーをしっかりと表現することが一番だと思っていたので、(今日ゴールを決められて)嬉しかったですし、ホームでたくさんの人が見ている中で決められて良かった」。歓喜の輪に加わる選手たちの顔ぶれが新しく、それでいてもう何ヶ月も一緒にプレーしているかのような一体感、素晴らしい瞬間でした。
後半立ち上がり、連続失点で逆転を許します。時間帯、あそこまで運ばれたこと、そして最後の砦、GK佐々木選手の球際。いろんなことが重なり悔やまれる失点でしたが、あそこからズルズル行かずに踏ん張ったことがすごく大きかった。途中出場の椎橋選手、そして中村選手は、この出場チャンスに期するものがあったでしょう。「慶太くんと2人でリズムを作れて良かった。時には強引さも必要だと思うし、行くしかなったですから。前半はああいう場面が少なかったし、強引に行けば相手のファウルも増える」。
逆転されて焦りが募り、ロングボール一辺倒にはならなかったこと、辛抱強く個々の特徴を生かしたサッカーを続けたことで、最後の最後に細谷選手がエースの仕事を果たしました。強引なドリブルから倒されてPKに。「昨日PKの練習で2本外してました」とヒーローインタビューに向かう途中、苦笑しながら明かしてくれましたが、それでも「JリーグでPKを蹴ることが今までなかったので、駆け引きなく何も考えずに蹴れたと思う」と、度胸の座っているマオらしい中央への柔らかなキック。日本代表GKの谷選手から値千金の同点ゴールでした。「去年の倍、16点は獲りたい!」。開幕前の数々の取材でこう繰り返した通り、有言実行を果たしました。
12000人以上の観客の中、今日も勝利に一歩届かず、レイソルサポーターの皆さんに喜びをお届けできなかったことが残念でなりません。試合前からの歌声、コレオグラフィー、アディショナルタイムまでの諦めない応援とスタジアムの雰囲気があって、最後の同点ゴールに繋がりました。来週も続いてホームゲーム、日曜15時からFC東京戦です。今年も柏レイソルへのご声援をどうぞよろしくお願いします。本日はご来場、DAZNでの応援、ありがとうございました。