アウェイ京都戦
担当:大重正人
1年前のちょうど今日、亀岡での激闘を思い出します。あの時のように劇的ではなく、とにかく苦しく厳しい、死力を尽くすという言葉が一番相応しい試合でした。アディショナルタイム、7分どころか9分もありました。泥臭く奪ったゴール、VARの際どい判定もありました。この1点を死守するために、1分1分、最後の頑張りが、勝利の喜びへのメーターがじわじわ増えていくような、長すぎる時間でした。「右サイド?初めてですよ」という三丸選手をはじめ、なりふり構わず勝利のためにやれることをやり尽くした末の勝利でした。
湘南も横浜FCも執念やJ1への想いは同じです。戸嶋選手は「昨日の湘南の試合結果も含めて、悔しい位置にいるのは試合前からみんな分かっていて、ここでどういう戦い方が見せられるかというのは残りのリーグ戦で示さなければいけないという気持ちが強かった」。絶対に遅れをとるわけにいきません。
屋根があるスタジアムのピッチセッティングは非常に難しいそうです。そういうコンディション、また相手の戦い方を見て、我々が勝つためにどういう戦い方を選ぶか。それをやり切るか。戸嶋選手です。「相手も球際だったりハードワークするところが強みなので、いかに相手ゴールに近づくか、自分たちのゴールから遠ざけるかという戦い方は意識して入った。多少アバウトな分、相手にボールが渡る時もあるが、そこは割り切って、チームとして共通認識を持って続けられたのはよかった。
試合の流れやマネジメントという意味では、今までとはまた違うものを天皇杯やリーグ戦で見せられていると思うので、続けていきたい」
アグレッシブに前に出てくる京都に対し、前半風上だったレイソルは、足元で繋ぐよりもスペースへ蹴り出し、前線を走らせる。ルーズボールが得意な細谷選手の強みを生かす戦いでした。「康太くんとしっかり連携を取りながら守備ができたので、相手もストレスを感じながらプレーしていたのかなと思う」と細谷選手も話していました。そして空中を行き交うボールに競り合って、セカンドボールを狙う。敵陣へ押し込み、セットプレーの数も多かった。相手の嫌がるプレーをさせていたのが今日のレイソルでした。
1点をリードしての後半。パトリック選手ら相手の大型FWのパワープレーにさらされる危険な時間帯が続きました。4バックから5バックへの変更も、その前からしっかり準備していて、選手たちにインプットされていました。今日がレイソル初出場になった犬飼選手に変わり、ピッチへ投入された立田選手。「センターバックがあの時間に途中出場する難しさは自分もわかっていますから。本当に悠悟には感謝しています」。勝利の瞬間、顔を抑える立田選手の周りには、相棒の古賀選手や松本選手、そしてチームメイトの大きな輪ができました。試合に勝てなかった責任は全員にあるし、この勝利は全員のおかげです。そして一人の力では試合に勝てないということです。仲間を支え、仲間を信じ、戦う。それがレイソルです。今日の試合後の動画を見ていただければ、皆さんにも伝わるはずです。
残り12試合、前述の通り、残留のライバルが揃って勝利し、まだまだ厳しい戦いが続きます。この一勝で終わらせず、次の試合が本当に大切です。今日も1000名近いサポーターの皆さんの力があってこその勝利でした。来週土曜のホーム、セレッソ戦も日立台のホーム感で埋め尽くされたスタジアムで共に戦ってください。今日も大きな後押しをありがとうございました。勝利のロレンソ、最高でした!