ちばぎんカップ
担当:大重正人
ちばぎんカップ。セットプレーから3点を失い、スコアは0-3と敗戦に終わりました。まずメンデス監督が会見で試合をこのように振り返りました。
「我々にとっての今季初戦ということもあって、選手の(試合への)入り方が非常にナーバスだったという印象を持っています。相当ナーバスになったこともあって、早々に失点を許してしまいました。昨年同様、セットプレーから失点を許してしまうような流れになって、3点、セットプレーでやられてしまいました」
ただ、昨日の前日コメントにもあったように「その中でこれまで我々が行ってきた取り組みのプロセスをしっかりと実戦に落とし込んでもらうというのがゲームの狙いでもありました」と続け、「もちろん今日のゲームに関して勝敗は重要な位置づけではありましたが、選手たちはグラウンドの中で我々がこれまで取り組んできたトリックプレーだとか、トレーニングでやってきたことをしっかりと実戦に落とし込んでくれたと思っています。ゲームは我々が思い描いていたようには進みませんでしたが、今後間違いなく選手たちは改善に向かってくれることを信じています」とさらなるチームの成熟に取り組んでいきます。
昨年12月の天皇杯準決勝からいえば、当時と今日、先発だったのは輪湖、大谷、茨田、中谷の4選手で、そのほか7選手が入れ替わったイレブンでした。大変な強雨、強風の中、朝早くからフクアリまで駆けつけてくださった皆さんに勝利をお届けできなかったのは、監督も選手たちにとっても非常に残念なことでしたが、それでもメンデス新監督のもと、新しいサッカーにチャレンジし、新しいメンバー構成で挑む、初の有料観客試合で、いろんな発見や期待も見つけられたことと思います。
伊東純也選手は始動から右サイドバックのポジションにチャレンジしており、今日が初の実戦、90分フル出場でした。「ある程度はできたと思いますが、もう少し積極的に仕掛けても良かった。守備においてはやられてはいないけれど、まだまだこのポジションで修正できる部分はあるし、もう少し絞ったりとか、細かい所を修正していきたい」。やはり攻撃面で期待されるスピードとアタックは健在で、1対1のしかけ、突破からのクロスやシュートなど迷いなく、やりきろうとするプレーは、間違いなくレイソルの新しい飛び道具になっていくことでしょう。
2点をリードされて迎えた後半、アップのテンポを上げていた田中順也選手が呼ばれ、ピッチへ投入されました。新しい背番号9。「レイソルでは9番は大切な番号。そういうのを背負わなければいけない年齢」と自分に課した大きなプレッシャーを、復帰してきたレイソルで見せていけるか。その第一歩の試合でした。直接フリーキックのチャンス。得意の左足を振りぬき、GKにはじかれたものの、しっかりと枠を捕らえた一撃は、サポーターを大きく沸かせたシーンでした。
しかし「自分が入って点を取れば追いつける点差でしたが、結果を出せなかった。自分が入って流れを変えたかったが、結果的にあまり流れを変えられなかった。コンビネーションはこれからまだまだ改善できると思うし、試合勘や、トラップなど細かい感覚の違いが多くあったので改善していきたい」と厳しい目で今日の試合を振り返りました。
MIP賞に選ばれた大津祐樹選手。今日の90分フル出場した選手のなかで、間違いなく表彰に値するプレーを見せてくれたと思います。個人での仕掛け、ブラジル人選手たちとのコンビネーションやワンタッチパスなど彼らしい攻撃面の良さだけでなく、守備面でも激しいショルダーチャージからボールを奪い取り、そのままカウンターへ持ち込む場面という見せ場も多く作りました。
「自分のコンディションは身体も動いているし良い。ただ今日は得点という所で、ゴールチャンスがあった中で決めきれなかったのはチームとしてマイナス点。僕が決めなきゃいけないという責任を持ってプレーしないといけない。試合をする中で、エデルソンやディエゴとのコンビネーションは良く、形として見えたものがあった」と手ごたえを話した一方で、試合後のインタビュー待ちのとき、MIPではなく勝ってMVPを獲りたかったという悔しげな表情も印象的でした。
チームはシーズンインからずっとトレーニングを重ね、開幕に備えてきましたが、サポーター皆さんもまずこの日のために多くの準備を整え、盛大な応援と歌声で選手たちを迎え入れてくださいました。幕開けは中村航輔選手の新応援歌。南選手や菅野選手に次ぐ往年の刑事ドラマのテーマで一気に火をつけ、伊東選手、秋野選手、輪湖選手、ディエゴ選手と新しいメロディがフクアリに響き渡りました。そして鎌田選手は7年ぶり、田中順也選手も1年半ぶりに懐かしい応援歌が戻ってきました。さらにチーム応援歌も「突き進め柏、止まらない柏、俺らは叫ぶ、ゆけ柏!」力強いサポートが続きました。
試合後にはメンデス監督以下、ゴール裏へお礼のあいさつにうかがいましたが、2月27日のJ開幕戦では勝利の報告とダンスができるよう、明日からまたトレーニングを再開します。今日も本当に応援ありがとうございました。今シーズンも柏レイソルをどうぞよろしくお願いいたします。