一歩
担当:大重正人
今日は、まず朝一番で残念なお知らせがありました。フランサ選手の骨折です。Honda戦の前日の練習中、着地したときに左足を痛め、検査の結果、左第五中足骨骨折の診断。母国ブラジルに帰国し、治療に専念することとなりました。昨年は故障に泣かされることが多かったフランサ選手がオフシーズンに下半身の筋トレに励み、万全の態勢で戦った今シーズン。そのプレーを一目見れば、その凄さに一瞬で魅了されてしまう。マジカルかつエレガント。「なにげなくトラップして、敵のいないところにスッとパスを出せる。なにげないけど、そこが凄い」。昨日の練習、竹本GMは背番号10のいない練習場を見て、残念そうに語っていました。今はただ、早くケガが癒えることを一緒に祈りましょう。
でも残り4試合は、フランサ抜きで戦うしかないのです。Honda戦を入れて公式戦5連敗と今季最大の試練です。石崎監督は言います。「ワシは神様にこう言っている。『苦しい試練に当たった時こそ、もっと試練を与えてくれ』と」。それを乗り越えてこそ選手として人間として強くなれると。
選手は決して下を向いていません。その姿をファインダーに収めようと、午前練習のフィジカルトレーニングに出向きました。ラダーと呼ばれる縄ばしご、ポールを立てて作った隙間を、スピードをつけて抜いていく練習です。このトレーニング、足が速ければ上手くできるものでもないのです。古邊コーチによれば「ヨーイドンで競争させたら、絶対にタニが速い」。腰を落として、細かく足腰を動かして、ターン&ステップする動きが大谷選手は抜群です。決して走力があるタイプではないけれど、動きの質を高めることでスピードのある相手を阻めるのです。
クラ&オオタのステップワーク
「ヤナギ、速いねぇ」監督も絶賛する柳澤選手のアジリティ
その模様を撮影していると、石崎監督から私に声がかかりました。「そのカメラ、ビデオも撮れるじゃろ」。もう少しステップを良くしたらスピードが上がるはずの選手の動きを撮るように言われたのです。慌ててダイヤルを回してビデオモードに。何とか最後の一本、ポールを抜ける最後のところは映すことができました。練習後、小さなカメラを選手と監督、古邊コーチが囲んでビデオを巻き戻して検証。「ここ、足が揃ってるところ。片足でターンできたらもっと速くなるよ」と早速、古邊コーチが実演。他の選手との動きも見比べて、「やっぱりビデオで見ると説得力があります」。
たしかに、ターンの仕方が他の速い選手と違っていました。指摘されて注意して見てみないとわからないもので、でも「その一歩が早く出れば、シュートを止めたり、ドリブルに対して手を使って止めることもなくなる」と監督&コーチは細かいところまで見逃しません。これがトレーニングです。ボールを使うトレーニングはもちろんですが、オフザボールの動き方、大切さを私も今日改めて教わりました。
私個人としては監督に「また、何かあったら映してよ」と言われたのが、とても嬉しいことでした。カメラで撮影しただけでデジタルカメラの性能が凄いという話なのですが、、、ふだんは取材の調整をすることが最大の関わりで、こんな形でごくわずかでもトレーニングの役に立てたのであれば、こんなに嬉しいことはありません。と勝手に思っている次第です。
この一歩が出るか出ないで、シュートブロックやパスカットにつながるかもしれないし、シュートやゴールにつながるかもしれない。ひいてはそれが勝ち点1や勝利にまで。。。千里の道も一歩から。その一歩をいち早く踏み出すために、選手もスタッフは今日も奮闘しています。
そして最後に。。。公式戦5連敗中と苦しむチームを後押ししてくれるのはサポーターのみなさんしかいません。勝利を願う思い、勇気づける激励をマッチデープログラムのサポーターズボイス宛にお送り下さい。たくさんのメッセージ、お待ちしています!
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