2018年6月27日

韓国キャンプ10日目(TMvs慶南FC)

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担当:大重正人

このキャンプ総仕上げとなるトレーニングマッチは4-2で勝利。もちろんまだまだ道の途中ではありますが、それでも前回の牙山戦は失点を重ねての3-5の敗戦だったこともあり、選手たちからも率直に勝利の喜びが伝わってくる試合でした。

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対戦相手の慶南FCは、現在韓国1部でK1リーグ4位、全北、水原、済州とACLの常連クラブに次いでいます。昨年K2優勝しての昇格1年目ながらここまでACL圏内につける強豪です。新潟や大宮などで活躍したチョヨンチョル選手、元アビスパの邦本選手が在籍しています。ヨンチョル選手とは今井選手や大谷選手が、邦本選手とは中山選手や亀川選手がひさびさの再会で言葉をかわしていました。

さて試合ですが、ほとんどの選手が45分、GKは30分ずつプレー、ジョンス選手と今井選手が90分のフル出場。前半から両チームとも球際やボディコンタクトが激しく、めまぐるしい展開でした。相手は比較的自陣で構えてからのカウンターを狙っていたので、レイソルのボール保持が長く、中盤から丁寧にボールをつなぎ、相手ゴールへと迫ります。先制点は35分、左サイドのハモン選手の突破からの折り返しを、瀬川選手がきっちり合わせてレイソルが先制。前半は1-0、鋭いカウンターからのピンチもありましたが、無失点で終えることができました。

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メンバーを大きく入れ替わった後半。合計5ゴールが入る乱戦となりました。加藤監督から「立ち上がりの15分、しっかり入ろう」という声があった通り、積極的に前から行く姿勢を見せて優勢に。しかしU-18所属の山田選手に不運なハンドがありPKで同点に。

さらに試合は激化しました。相手の2本目のメンバーのチェックは非常に激しく、細貝選手が激しいタックルを二度受けて、練習試合ではめずらしいイエローカードが相手に出ます。ここでハジは、やられっぱなしで怯むどころか、逆にタックルを浴びせ返しイエローカードが出されます。ここで、前半で退きスタンドで観戦していた鎌田選手から「ナイス、ハジ!!!」と檄が響き渡りました。この声はピッチのハジにも届いていたでしょう。その直後、左サイドからの折り返しから左足でシュートを決めると、タニやキリからも大きな大きな歓声があがりました。ハジのプレーは闘争心が前面にあらわれ、まさにチームの士気を高める気迫あふれるものでしたし、ピッチ外のメンバーからは一緒に戦っているぞという気持ちや一体感があふれていました。この日一番のシーンでした。

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その後1点を返され同点に。そのまま同点で終わるかに見えた90分。山崎選手が左サイドで仕掛けてPKを得ると自ら沈めて勝ち越し。さらに94分にはU-18の森海渡選手が相手をかわしてシュート。細貝選手へのアシストのアシスト、1対2の数的不利から相手の足元を抜いたパスは本当に見事でした。チームとして今季これまで、終盤に失点することがとても多かった中、逆に土壇場から2点を獲って勝ち越し。体制が替わり、取り組んできたことの成果が少しでも表れたとしたら、7月からのリーグ再開が本当に楽しみでなりません。

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加藤監督に試合後、話を聞きました。「今日の試合について、まずゲームの入り方の問題、そして全体で共有していこうとするサッカーの画をもっと濃くしていこうというところ。これを確認してきたなかで選手たちはすごく意識してくれて、キャンプ終盤で身体が苦しい中でも、頭を回転させてやってくれた。そこがこの前の牙山戦と違うところでした」

そして、この10日ほどのキャンプを終えて振り返ってもらいました。
「これから7月8月と連戦が続くが、見方を変えればそこも力を高めていけるトレーニングとも考えられるし、いまから下地を作っていって、涼しくなったころに気づいたらもっと上のレベルになっていたというような状況を作っていければと思っています。

日々トレーニングのなかで、選手たちのコンディションを見ながら(限界の)一線を越えすぎないように、101%102%のあたりを突いてきたつもり。そこに向けて一生懸命取り組んでくれているし、またそれが選手たちに跳ね返っていく。こうしたトレーニングをこれからも日々続けていくわけですが、そういった意識付けのところは、今回のキャンプでできたんじゃないかなと思っています。技術体力だけでなく、一番は頭を使うところ。そして質を高めて速さを出していきたい。個人としてもグループとしても。ただ自分が持っているものを最大限出していこうという選手たちの姿勢は満点をつけられると思います。でも選手たちには能力がありますし、もっともっとできるはずです」

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新しいサッカーに触れ、理解を深めながら、身体は厳しく追込み、その中でいかにピッチで表現できるようになれるか。それを90分続け、質を高めていけるか。加藤レイソルはその道の途中ですが、着実に一歩ずつ進んでいっていると感じます。明日キャンプを打ち上げ、柏へ戻ります。短いオフのあと、また日立台でトレーニング。7月11日の天皇杯3回戦へ向けて練習に励みます。