指宿キャンプ12日目
担当:大重正人
今年もレイソル後援会のみなさんが九州最南端まで、レイソルの選手、スタッフを激励にお越しくださいました。久しぶりの青空で、何よりの朝でした。例年、差し入れをいただいておりまして、今年も鹿児島のおいしい豚肉を誠にありがとうございます。2日の練習試合のあとに、選手たちの力と胃袋を満たしてくれることと思います。今シーズンも引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
昨日は試合翌日のリカバリーでストレッチやジョギングなどの軽いメニューを消化。そして今日は、2日のトレーニングマッチに向けて、紅白戦がおこなわれました。宮崎戦で得られた成果や感覚はそのままに、そして改善すべき点にはすぐに取り組む。ネルシーニョ監督によるピッチ上での青空ミーティングは10分以上と綿密。また試合が始まっても、監督が笛を止め、選手に歩み寄り、身振り手振りや大きな声を出して、選手たちに指導や要求を繰り返しました。それは熱く、激しいもので、これぞネルシーニョ監督という姿でした。前日には「力を出し惜しみせず、目の前の試合にもっと全力で」と叱咤し、選手たちもそれに応えるように激しいバトルが繰り広げられました。
そして昨晩ですが、レフェリーの方をお招き、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)説明会をおこないました。2017年まで副審としてご活躍された宮島一代さんに説明をいただきました。例年ですとルール講習会なのですが、今季からJ1で新規導入されるVARについて、現場の選手やスタッフに対して運用方法や理解を求める貴重な機会です。すでに国際大会やヨーロッパなどで導入されていますが、もちろん最大の効果を生んでいるものもあれば、一方で混乱を招いてしまっている事象もあります。
古賀選手は先日参加したU-23アジア選手権でおこったプレーで「これは、みんなが、レフェリーがビデオ確認するプレーだと思っていました」と宮島さんに質問していましたが、実はすべて事象において主審がオンフィールドレビューするものでもないのです。「事前に説明されていたやり方とも違っていました」と運用面で少なからず混乱もあったようです。せっかくのすばらしいテクノロジーを、審判と選手がともに有効活用し、観客のみなさんにより公正でエキサイティングなサッカーの本質の面をたのしんでいただかなくていけません。
何より、こちらのJFAのルールサイトを見ていただくのが一番ではありますが
https://www.jfa.jp/rule/var.html
■大原則として、こういうものがあります。
「はっきりとした明白な間違いがあった場合に利用する」。
※最良の判断を見つけようとするものではありません
※例をあげれば、昨年の浦和vs湘南戦でゴールインが見逃されてしまったこと、こういう事象をなくすために使われるものです
■では、どういう場面でVARが使われるのか
1、得点かどうか
2、PKかどうか
3、退場かどうか
4、警告退場の人間違い
さらに、主審が確認できなかった重大な事象
※主審が確認できなかった行為、例えば相手選手をプレーとは関係ない場所でけったり打ったりした、また、ペナルティーエリア内で守備側選手がボールを手で扱った(ハンドの反則)というような、主審の位置からは全く見ることができなかった事象
ですので、得点や得点機会にかかわる事象、ボールがゴールラインを割ったかどうか、ハンドかどうか、オフサイドだったかどうか、などをビデオを使って確認する場合があります。
ただ、まずは主審の判断が第一です。その判定を下した基準、たとえばPKになった際に「4番の手に当たったハンド」だと視認し、それを無線通信で伝えます。もしその判定の根拠が明らかに間違っていた場合に、VARが正しい情報を与える。逆に、明らかなハンドを見逃した場合、VARが主審に伝え、無線交信やオンフィールドレビューによってPKとされることもあります。
一方で、主審がVARに対して「いまの見えなかった。どっちかな?PKかな??」なんていう運用はしないわけです。それが=「最良の判断を見つけようとするものではありません」ということにあたります。あくまで主審の判定の根拠に明らかな誤りがないかを定めるものです。これは当たってるかもしれないし、当たっていないかもしれない。そういう微妙な時にはハンドとされないこともあるでしょう。
【JFA公式】ビデオアシスタントレフェリー(VAR)について
https://www.youtube.com/watch?v=DRSEMh4igf0&feature=emb_title
【Jリーグ公式】VAR導入のために。審判員が行っているトレーニングとは!?https://www.youtube.com/watch?v=2tykqeRrkP4&feature=emb_title
【Jリーグジャッジリプレイ番外編】ビデオアシスタントレフェリー特集!
https://www.youtube.com/watch?v=8em-_twRjPY
【Jリーグジャッジリプレイ番外編】ルヴァンカップ決勝VAR大特集(後編)
https://www.youtube.com/watch?v=3LxgGVsaTG4
こちらの動画は、協会やリーグ側が、サポーターのみなさんにわかりやすく、そしてレフェリーの皆さんがこうして運用しているというものを映像で公開しています。とくにルヴァンファイナルの舞台裏は非常に興味深く、よりより判定を目指そうとする人とテクノロジーの総力を結集したものだとよくわかります。
VARは、J1リーグの全試合、そしてルヴァンカップはプライムステージ(準々決勝以降)で運用されます。いま日立台でも、ゴールラインカメラを新たに設置する場所を作っているところですし、ソフトハード両面での準備が進んでいます。みなさんもVARを理解いただいて、よりサッカーを楽しんでいただければと思います!