2023年6月 7日

天皇杯2回戦

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加

担当:大重正人

天皇杯の初戦。その難しさや怖さは、プロ経験の長い短いに関わらず、みな心得ていることです。それでも苦戦することや足元をすくわれることもありましたし、実際に今日も他会場でアップセットが起こりました。そしていま、レイソルは井原監督の新体制に代わり、公式戦3試合で未勝利。その状況も重なって、より一層大きな意味を持つ試合になりました。

終わってみれば、多くのゴールを重ねて7-1の勝利。井原監督になっての初勝利になりましたが「自分の初勝利というより、監督が交代してからなかなか勝てなかったところで、しっかり勝ち切れたことが次につながる。出場機会が少なかった選手たちがハードワークして結果を残してくれた」と彼らのプレーを称えました。

230607_.jpg

0-0や1点差の時間が続くと、我々はどこか焦りが出て、一方で若い大学生選手たちは自信を持ち始めます。そうした意味で、立ち上がり4分のゴール、そして1-0になってから17分後の前半21分にリードを2点に広げたところが、さらにレイソルの選手たちがさらに躍動できた大きな要因だったと思います。

「セットプレーの準備はしていた。タクトが良いボールを出してくれて、蹴った瞬間入るとおもった」とデザインされたCKを鮮やかなミドルで蹴りこんだ中村慶太選手。「常日頃から相手のプレッシャーの矢印を折ることを意識している。うまく相手の逆を突いて前進させて、相手が来ないならいいポジションを取ってボールを引き出せた」。ボールを失わず、前を向いて前後左右へボールを供給し、また力強く前へ運び、楽しそうにボールに戯れるケイタらしいプレーの数々でした。何より、ゴールした選手たちを迎える満面の笑みが若手選手たちに安心感を与えたことでしょう。「ただミスもあった。こういう試合でも隙を作ってはいけないし、最後は押し込まれて1点をとられた。今のウチは隙を絶対作ってはいけないし、勝癖をつけていくためにもまだまだ修正部分が多いと感じた」と先の戦いをみすえていました。

230607_1.jpg

230607_3.jpg

230607_2.jpg

230607_4.jpg

左サイドから果敢にしかけ続けた升掛選手は「今までチャンスがなかった中でも練習から試合に出るためにやっていた。自分のやることは明確だったので、いつも通り自分の良さを出しながら、気持ちよくプレーできたと思う」。豊富な運動量で前へ仕掛け続けた落合選手は「リーグ戦で出場機会がない中で、自分は練習で毎日目的を持ってやっているつもりだし、まず1年でどうやって成長していくかとか、自分の目標に辿り着けるかというのを意識して過ごしたい」。そしてセンターフォワードとしてゴールを決めるという仕事をしっかり果たした真家選手は「自分が点を獲ってリーグ戦の流れを断ち切る意気込みだった。1点じゃ足りないと思っていたので、3点獲れたのはひとつのアピールになったと思う」と、記念のボールにチームメイトのサインを書いてもらい、大切に持ち帰っていました。うれしい山本選手の初ゴール、ウィリー選手もプロ初出場もありました。

一方で、唯一札幌戦からの連続フル出場だった土屋選手もよく戦い抜きました。「相手が大学生で絶対に負けられない試合だった。勝てたことは良かったがDFとして1失点獲られてしまい、甘い所が出てしまった。札幌戦に出て天皇杯にも出て、コンディションのところは慣れないところもありましたが、もっと上に行くためには、細かなコンディション調整も大事になるので、連戦でもいい状態に臨めるようにこだわっていきたい」と満足せず、高いレベルを求めつづける姿勢も忘れていません。

次の相手は、横浜F・マリノス、リーグ屈指の強敵を相手に中2日でのアウェイ戦になります。厳しい条件にはなりますが、今日の試合をスキップした選手たちは、今日勝利を得た選手たちに、しっかりとした姿と戦いぶりを見せなければいけません。そして今日平日ナイトゲームにも関わらず日立台で声を枯らして応援してくれたサポーターの皆さんにもです。今日ピッチに立った選手たちは本当によく戦いました。この勝利がきっかけになる一勝になればと思わずにはいられません。