2006年4月17日

更新日:4/17 22:08

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本日の担当:横井孝佳

突然ですが私、個人的にモンテディオ山形のオフィシャルサイト「クラブハウスより…」のファンです。レイソルのフォトギャラにも、あんな風にユーモアあふれるキャプションを付けたいなと常々思っています。ですが、全然ダメ。かなわない。山形の広報、N野さんのセンスには。この仇(?)は選手たちにとってもらいましょう。

中2日で、明日はもう山形戦です。まさにタフネス。タフじゃなければ乗り切れない過酷なJ2リーグ。今日は午前9時半からのミーティングの後、スタジアムのピッチで、山形戦を想定した紅白戦を行いました。
クールダウンの終了後、センターサークルの上で、明日のメンバーに入った選手たちがミーティングを開いていました。20分、いや30分近くだったでしょうか。真剣な話し合いが続きます。しかしそのうち笑い声が聞こえ始め、終いには全員が立ち上がって踊り始めました。何やってんの? そして円陣を組んで解散となりました。
ピッチから上がってきた岡山選手と北嶋選手をつかまえて聞いてみました。
――何話してたの?
北「もっと楽しまなきゃってね」
岡「ほんまは俺ら、挑戦者やのに、ちょっと首位に立ってるからって、受身になってしもてた。挑戦を受けて立つ、みたいな」
北「以前なら勝負して前に出て、後ろからオーバーラップしてワッと人数かけていく、みたいな局面で、安全な選択をしたりね」
岡「第一クールはとにかく石さんのサッカーをやること、それでええやんって話してたのに、いつのまにか首位の座を守ろうって考えたんやな」
北「サッカーを楽しむことを忘れてたね」
――横浜に負けたときはそんな風に考えなかった?
岡「あのときはまだ高をくくってる雰囲気があった。日程でハンデあるからしょうがないやん、って。甘えてたんやな」
北「でも神戸に負けて気づかされた。俺たちはまだまだなんだと」
ちなみに、ミーティングの招集をかけたのは南選手だったそうです。さすがキャプテン。
聞いていてうれしくなると同時に、気づかされました。そう、私たちはチャンピオンでもなんでもない。何も達成していない。なのに、ちょっと勝利が続いたからといって、思い上がりはなかったか。「J2はチョロいね」なんて思っていなかったか。心の片隅に、そんな感情があったような。
石さんは多分気づいていました。でも、選手たちに直接言うことはしなかった。おそらく、選手の自主性に任せたのでしょう。自ら気づいてほしいと。それを選手自ら乗り越えたとき、チームとしてワンステップ上に行けるはずです。
岡山選手が続けます。「このチームのいいところは、ミーティングやるぞって言っても嫌な顔する奴が一人もいないところ」と。最後に踊っていたのは、みんなの意見がまとまったところで、また「勝利のダンス」の練習に入ったからだそうです。

山形は前々節まで、内容のいい試合をしながら勝てなかった。それが前節、ようやく1勝をあげることができた。チームとして今、乗りに乗っているはずです(なぜレイソルと対戦する相手は押しなべて調子を上げてくるのか。研究に値するテーマだと思いません?)。おそらく明日も一筋縄ではいかないゲームになるでしょう。でもこの結束力があるなら、きっと大丈夫。キタジとオカの力強い口ぶりが、そう思わせてくれました。
だから、私たち選手を支える立場の人間も、もう一度原点に返りましょう。「J2ってどんなところなんだろ」と震えていた開幕前のあのころに。レイソルはチャレンジャーなのです。そして戦いは始まったばかりです。