J1へ
担当:大重正人
ツイッターやインスタグラムのタイムラインが、レイソルで一杯になり、ついに目指すところに到達できたんだなあと、日立台に戻ってきてさらに実感が深まっています。メディアの皆さんもJ1の時以上に一杯で、試合後のミックスゾーンの選手たちの回しにいっぱいいっぱいでしたが、今夜と明日と、もっともっとレイソルの記事や放送が出てくれるはずです。SNSから伝わってくるサポーターの皆さんの歓喜の声、J2優勝とJ1復帰を伝えるマスコミ、メディア各社の記事、多くの写真や動画には、柏レイソルに関わるすべての人たちの喜びが詰まっています。今日の勝利と優勝について、もはや、ここでとやかく語る必要もないですよね。チームのみんなにも、サポーターの皆さんにも、レイソルに関わる人たちすべてにありがとうの思いを伝えたい、それが一番です。
まず町田ゼルビアの皆さんには、本当にお世話になり、改めて深く感謝をお伝えしたいです。思えばホーム開幕戦では合同会見にご参加いただきました。今日はビジターエリアの席を拡張頂いたり、朝早くからのセレモニーの準備やリハーサル、そしてセレモニーが滞りなく進むよう運営いただき、また大切なホーム最終戦セレモニーのスタート時間も我々のためにご配慮いただきました。本当にありがとうございました。
開始5分で2ゴール。あまりに早い連続ゴールに鮮やかすぎて驚くばかりでしたが、その勢いをもたらしてくれたのは、サポーターの皆さんの力にほかなりません。今日は拡張されたゴール裏だけでなく、メインスタンドの半分以上が黄色でした。ホームと見紛うような雰囲気で、GK中村選手がウォームアップに登場して以来、ずっと最後まで日立台で戦っているようでした。その後もチームの果たすべきスタンダードやインテンシティーは保たれたまま、後半にクリスのゴールでリードを広げ、今日は勝利をまったく疑うことなく試合を見られた90分でした。
今日優勝を決められたこと、そして今日のような3-0という快勝を得られたのは、これまでの1年間があったからです。ネルシーニョ監督が5シーズンぶりにレイソルに復帰し、井原正巳ヘッドコーチも加わりました。前回J2を闘った2010シーズンのようには進まなかった前半戦。「唯一の違いは、J2リーグのレベルが全ての意味において格段に上がったことだ。2010年と比べると、各クラブのインフラや運営、その他諸々の部分において本当にレベルが上がった。今シーズンは10チーム近くがプレーオフを狙える位置にいる。こうした展開が序盤から終盤まで続いたのは、リーグ全体のレベルが上がった証だと思う」とネルシーニョ監督は会見で分析を答えました。
ただ、今日、2位の横浜FCと3位の大宮にそれぞれ5ポイント、7ポイントの差をつけられたのは、前半戦の戦いがあったからこそです。どの試合でも、その時のベストメンバーを大きく変えることなく戦い続けた前政権時代と異なり、ルヴァンカップを「リーグ戦で出場機会のない選手たち、若手選手たちが実戦の機会でどれぐらいプレーできるのか、それを見極める」位置づけにおき、当時所属していたフィールド選手全員がピッチに立ちました。琉球、栃木、金沢、横浜、水戸、大宮と引き分けが多くありましたが、この間を最少失点に食い止め、勝ち点1を取ってきた。ここで相手に勝ち点3を与えていたら、今の順位表はありませんでした。
「シーズン中盤に差し掛かった頃、我々が進むべき道を見つけた」。福岡戦で掴んだきっかけを、千葉ダービーからの11連勝につなげ、そこから首位の座を譲ることはありませんでした。夏の移籍マーケットで、サヴィオ選手、ジュニオール選手、三原選手、川口選手、山下選手が加わりました。彼らの途中加入は本当に大きかった。代表や、負傷や、出場停止などで不在になった選手たちをすばらしくカバーしてくれました。監督のチーム構築を、強化部がサポートし、最終盤の上位対決を落としながらも、逆に落としてはならない試合で確実に3ポイントを取り続け、ついに今日の日を迎えました。
「来年へ向けての1試合、スタートラインに立ったという意識でやるべきだと思う」。今日のヒーローのひとり、瀬川選手は今日の達成感を喜びながらも、来週と、その先にあるJ1シーズンのことを思い出させてくれました。今日が終わりではありません。監督が探し求め、我々に示してくれた道を、さらに突き進んでいかなければなりません。来週の京都戦、ホーム側はすでにチケット完売となっています。その期待に応える試合で、ともに乗り越えてきた今年1年の感謝を示すことができたらと思います。あと1試合、来週も選手たちへの後押しをよろしくお願いいたします。