2010年9月26日

全員勝利

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担当:大重正人

試合後、ミックスゾーンを通る選手たち。
どの顔もすごく充実感や自信に満ちている。そんな印象を受けました。コメントも「みんながやるべきサッカーをしっかり表現できていた」と。スタンドの上からピッチを俯瞰してみていても今日は「快勝」と胸を張っていい試合だったと思います。試合後に去年まで在籍していた阿部嵩選手が声をかけてくれました。(今日はケガあけということで残念ながらメンバー外でした)。「今日はレイソルの試合でした」。まさしくその通りだったと思います。

ここまで5連勝中のアビスパは、ホームの後押しをうけ、前線からプレスをかけてきました。時にはDFからのロングボールで背後を狙い、中盤にスペースを見つけると、レアンドロ、茨田、栗澤、大谷の4選手がいい距離感でパスをつなぎ、サイドから小林、橋本のサイドバックが上がってくる。サイドを警戒されると、今度はセンターへ。2トップとレアンドロのコンビネーションから、前半で2点を先行しました。

後半の相手の巻き返しは、ネルシーニョ監督がハーフタイムに意識を植えつけ、選手たちもしっかり対応しました。20分過ぎだったでしょうか、アビスパのCK。日立台でいうとちょうどAL席にアビスパサポーターの中心があって、そこはコーナースポットの目の前。前半はレアンドロにものすごいブーイングを浴びせていたサポーターが一転、後半は2点を追う同士を強烈に後押しする声援を送り、それがゴール裏やメインにまで波及。手拍子と応援が銀傘に大きく反響。アビスパサポの思いに、すごく気押されるような時間帯でした。

それでも再三のクロスを跳ね返し続けたパク、近藤選手の高いヘディングは最後まで制空権を支配し続け、菅野選手もごくわずかあった決定的なピッチをビッグセーブで防ぎました。「逆転できる!」と信じて応援していたアビスパサポーターの意気を、時間が経つにつれて、削いでいくような鉄壁の守備。相手シュートはわずかに4本でした。

北嶋選手は「試合途中に監督にフルでいけるか?と聞かれ『いける!』と答えました。連戦3試合目なのに、ジェフ戦よりも今日の試合が一番走れた。試合に出続けることで、体にも変化がある」。7日で3試合の強行日程。にもかかわらず、ネルシーニョ監督は交代のカードを切ることはありませんでした。会見でもその質問が出ましたが「技術、戦術ともしっかりはまって、機能していた。中2日だったが、選手たちのコンディションはしっかり調整できていたし、変える必要はなかった」と選手たちの頑張りを称え、胸を張りました。

そして今日は、シジマールGKコーチがいませんでした。木曜の札幌戦で退席処分を受けて、1試合のベンチ入り禁止となったからです。規約によってウォームアップもできないと聞かされた時は本当にショックを受け、「みんなに迷惑をかけて申し訳ない」と目を潤ませて猛省。選手たちを一人一人抱きよせながら、土曜日の出発を見送りました。

かわりに帯同し、GKのウォームアップを務めたのは、なんと稲田選手でした。いつも共に切磋琢磨している「GKチーム」の一員ですから。「めっちゃ緊張しましたよ。でも勝ててよかったですよ!」と笑顔でした。もちろん選手として試合に帯同したい思いはあったことでしょう。大谷選手は「シジがいなかったけど、イナもチームを助けてくれた。全員で戦った結果の勝利です」しかし今チームに貢献できることを、ひとりひとりがやり遂げました。

帰途、福岡空港は大混雑でした。そのなかコールリーダーの方、女性の方、黄色いレプリカを着た方など、声をかけていただきました。14657人もの観衆のなか、選手たちとその数百人のレイソルサポーターのみなさん、どアウェイのなか共に勝利を掴んだ盟友と帰る機内で最高の気分です。そして柏をはじめとするホームタウンや、遠くレベスタに勝利の念を送っていただいた多くの方々。みなさんの力がひとつになって、一歩ずつJ1復帰へ近付いています。この調子で、気を抜くことなく最後まで戦い抜きましょう!