チャンス
担当:大重正人
合計して5つのゴールが生まれ、両軍とも攻守に非常にアグレッシブなゲーム。速報を打っていても、めまぐるしい展開に目と手が追いつかないような、そんな激流のような試合を何とか勝ち抜いて、勝ち点3をつかみ取りました。
負傷者、出場停止の選手が出て、代わりに出場のチャンスをつかんだ選手は、とても高いモチベーションをもって、この一戦にすべてを懸けて臨んでいました。J1初ゴールを決めた林選手は「苦しい思い、悔しい思いがありました。この8カ月、サッカー人生で一番苦しい時間でした。これがラストチャンスだと思い、今までで一番コンディションを整え試合に臨みました。支えてくれたサポーターや監督のおかげだと思っています。キタジさんには『点を取るか取らないかで0か100』と言われていたので、絶対に点を取るという気持ちだった」と嬉しさばかりでなく、複雑な思いを吐き出しました。
同じくフォワードの工藤選手は、鹿島戦公式戦5試合ぶりの先発出場のチャンスに結果を出しました。「レアンドロからいいボールが来た。キーパーとゴールの位置をしっかり見て、流し込むだけでした。FW争いが厳しい中で、なかなかゴールできず悔しい思いがあった。ここで生き残っていくためにゴールが欲しかった。負傷者も出て、キタジさんがいないから負けたとか勝てないとか、言われたくなかった」
共にストライカーらしい、強いメンタル、自負心を持った2人。去年のような活躍ができないまま夏が終わろうとしているなかで、悔しさをモチベーションに転化させ、ついにチャンスをつかみ、そして結果を残しました。そして2人の口から出てきたのは「キタジさん」という偉大な先輩の名前。共にその背中を追いかけ、大きな影響を受けて、成長や切磋琢磨を重ねてきました。北嶋選手もそんな2人のゴールを誰よりも祝福していながらも「オレも負けねぇ」と燃えているのではないでしょうか。
同じく公式戦6試合ぶり出場の増嶋選手も彼らしい身体を張ったプレー、そして先を読んだ鋭いカバーリングで、相手の猛攻を食い止めました。近藤選手が「マスに助けられたよ」と称えたゴールライン上でのスライディングクリア、本当に集中と気持ちのこもったビッグプレーでした。復帰戦の大谷選手もこれまでになかったような裏への飛び出しで、1点目の起点となり、球際では栗澤選手同様に気持ちのこもったハードディフェンスが光りました。
今日の他チームの結果を受けて、勝ち点44で並ぶガンバが首位、レイソルが2位となりました。残り12試合、まだまだ一喜一憂するところでないのは、選手たちも重々承知しているでしょうが、次のガンバ戦は「首位攻防戦」となります。J1復帰初年度で、夏を越えようかという時期にガンバという強豪と首位を争っている今は、レイソルにとって本当にかけがえのない財産と糧になるものです。ガンバは今日も6得点、アウェイでどれだけの戦いができるのか。昨年の天皇杯、6月のホームゲームで共に4失点。日本全国のサッカーファンから注目を浴びる幸せを感じて、選手・スタッフ・サポーターがひとつになって挑みましょう!今日もスタンドを埋め尽くし応援いただいた皆様、本当にありがとうございました。