必ずここに帰って来る
担当:河原 正明
ワグネル選手のFKが相手ゴール目ざして蹴られて刹那、主審の笛が吹かれ、柏レイソルの今年のアジアでのチャレンジは終了しました。結果は3−2。しかし、チームは最後の最後まで粘りました。
相手の蔚山現代は196?の長身FW、キム・シンウク選手(9番)目がけてのロングボールに、決定力の高いFWイ・グノ選手の2トップをターゲットにしたサッカーを徹底してきました。立ち上がりこそレイソルペースだったものの終始相手に自分たちのサッカーをさせてしまいました。苦しい前半でしたがGK菅野選手の2つのスーパーセーブもあり、何とかしのぎました。
ハーフタイム、引き続きロングボールへの対処とロングボールの出所であるDFラインへのチェックを指示し、両ボランチの攻撃参加での修正を試みた後半は少しずつ相手のスペースを突く形ができてきました。しかし、パスミスから相手にボールを奪われてしまい先制点を許してしまいます。ホームで先制したことでスタジアムの雰囲気は異常な盛り上がりを見せ始めます。しかし、気落ちすることなく丁寧に攻めていったレイソルも、後半22分に最近大きな武器になっている増嶋選手のロングスローをダイレクトに頭で合わせたレアンドロ選手のゴールで同点に追いつきます。しかしその直後、不幸な失点で再びリードを許すと、相手のストロングポイントを活かすワンパターンながら勝ちに徹した戦いに一瞬のスキが出来決定的な3点目を奪われてしまいました。
しかし、ここでガックリとする選手はいませんでした。最後まで負けない気持ちを強く擁してロスタイムに田中選手のゴールで1点差に詰め、なおも全員が残り1秒まで同点ゴールを狙いましたが時間切れとなってしまいました。
試合後の選手たちもサッカーの内容ではなく、結果で負けてしまったことに残念でならない表情でした。特に最後まで奮闘した守備陣がベンチ前で茫然とし、悔しさと悲しみに打ちひしがれている姿を見るのは本当に痛々しかった。受け入れがたい敗戦でしたが、残念ながら結果や判定は覆りません。
昨日今日の2日間で、ACLの舞台から日本勢は全チーム去ることになりました。レイソルも初参加でしたが、ここで得た経験は必ずや選手はもちろんのこと、チームの、またクラブにとっても血となり肉となることでしょう。この7試合で本当にたくましくなったと思います。自画自賛かもしれませんが、間違いなくアジアのどこに行っても戦うことができる基礎体力が増えました。
チームは明日帰国し、しばしのオフを挟んで再びJリーグの戦いに身を投じます。またこの場に立つために。そして最後に今日もアウェイ蔚山まで応援に駆け付けてくださったサポーターの皆様、そして日本で声援を送り続けてくださった皆様ありがとうございました。アジアの旅第二章は来年になりますが、引き続きご声援よろしくお願い申し上げます。