熱戦を制す
担当:河原 正明
試合後も興奮醒めやらぬ、という言葉がこれ程はまることもそうそうないのではないでしょうか。J1リーグ折り返しの第18節、清水エスパルス戦は「スペクタルで感動する試合(ネルシーニョ監督)」で5-3の大逆転勝ちでした!
昨日まで雨の天気予報も現地は晴れ、ただ高い湿度と気温で厳しいコンディションでした。キックオフ直前に蒔いた水で、ボールが良く回る、互いの持ち味であるスピードあるカウンター攻撃の応酬になる予感がありました。
前半先にチャンスが来たのはエスパルス。ペナルティエリア内でハンドの判定でPKのピンチ!が、なんと名手・小野選手の蹴ったボールは枠を外れ事なきを得ます。すると今度はレイソルにもPKのチャンスが!右サイド、相手コーナーギリギリに出されたボールに那須選手が追いつき、DFを股抜きしてドリブルからあげたクロスを相手DFがハンドしてゲット。ここはレアンドロ選手がキッチリと決めて先制をします。
やはり前回対戦同様に、エスパルスもレイソルのゲームメイカーであるレアンドロとワグネル選手を抑えて自由にさせません。互いにボールを競る局面ではぶつかることも多く、ファールの判定も増えていきます。そんな展開の中、ふたたび相手にPKが与えられます。さすがにこれは決められてしまい、同点に追いつかれます。しかし前半終了間際に相手CBが二枚目のイエローカードで退場。数的優位に立ちハーフタイムに。
必ずしも人数が多い方が試合に勝つとは限らないのがサッカー。「人数不足は関係ない(近藤選手)」セットプレーで失点、相手に逆転を許すと、続けざまにミスから失点し2点差をつけられます。正直、勢いづく相手とスタジアムに圧倒されてしまいそうになりました。しかも66分にはワグネル選手が一発レッドでレイソルにも退場者が出る悪い流れに。しかし同時に相手右SBも二枚目のイエローカードで再び退場で、10人対9人の戦いになります。
ここでネルシーニョ監督が動きます。FW田中選手に替えて左MFに水野選手を投入、前線の枚数を変えずに得点を取りに行くぞ!という強いメッセージをピッチに送ります。
それに応えるべく74分に水野→澤選手とつないだボールを工藤選手が叩きつけるボレーシュートでまず一点返します。ちなみにこのゴールがレイソルJリーグ通算800ゴール目になりました!
相手も守備的な選手交代で逃げ切りを図ります。しかし、流れを完全に手中にしたレイソル、セカンドボールは栗沢選手とDF陣がほぼ拾い相手の攻撃を封じます。
しかし、時間は刻一刻と過ぎていきます。もうこれまでか、という88分、今日何度も右サイドを駆け上がり続けた那須選手の渾身のクロス!GKが弾いたところに左サイドから橋本選手が詰めて同点ゴール!!沸き上がるゴール裏にベンチメンバー!
こうなると勢いは止まりません。が、直後に大ピンチが。元レイソルの杉山選手と1対1を菅野選手がビッグセーブ!ここからのカウンター、攻めあがった橋本選手のシュートが相手DFに当たって戻ってきたところを水野選手が左足で丁寧に流しこみます。がっくりと倒れた相手守備陣。まさに相手の根気を奪うゴールでした。ゴール裏に駆け寄るコウキと抱き合う控え選手たち。
さらにアディショナルタイムに歓喜がもう一度。右サイドを上がった那須選手が、栗澤選手からのパスをキープと思いきや、相手の虚を突くダイレクトパス。抜け出したレアンドロ選手がフリーに。そして必殺のスルーパス発動で工藤選手は合わせるだけで勝負ありでした。
ゴールも完璧でしたが、今日は何度も何度もアップダウンを繰り返し、クロスにシュートに攻撃を引っ張り5点目の"アシストのアシスト"パスを出した那須選手とタニ不在でキャプテンマークを巻いた栗澤選手がやった!とばかり喜んでいたのが印象的でした。
レイソル移籍後初ゴールが貴重な決勝点になった水野選手。ご当地清水出身で、小学生の時に初めてJの試合を観たのも、Jリーグデビュー戦もここ日本平。「素直に嬉しかったし、(清水には)何かと縁があるね」と笑いながらも「この前の名古屋戦で最初にサポーターに名前をコールしてもらったのに結果を出せなかった。だから今日ここで結果を出さなかったら・・・という思いでした」。実に5年ぶりになる公式戦でのゴールでしたが、嬉しさと同時に責任を果たせてホッとしているようにも見えました。次の試合、ナビスコカップ準々決勝・ガンバ大阪戦にはワグネル選手が出場できません。チャンスは再び巡ってきそうです。
明日はオフ、そして明後日16日(月)はファン感謝デー。最良の結果で迎えられます!ぜひたくさんのアソシエイツ会員の皆様にお越しいただきたいと思います!では