2013年7月11日

追試

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担当:大重正人

この前の大きな失敗のあと、いきなり追試を課せられたような試合でした。
優位な展開にもかかわらず、先制を許し、そのあとは新潟戦よりも攻め手がないようにも見えました。暑さと連戦の疲労からか運動量が落ち、ボールを引き出す動きが少なく、蹴らざるをえないフィードやセカンドボールも中盤で失う。「とても難しい試合でした」と近藤選手が振り返りました。

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そこで監督が投入した選手たちが、流れを引き寄せました。まず太田選手です。近藤選手が苦しそうに前線へフィードを蹴るシーンが目立っていた時間帯、「外から見ていて、中盤の間で受けようと思っていた」という太田選手が、鈴木選手からのボールをうまく受けて起点となり、急がずに足元でつないでいくレイソル本来のリズムと落ち着きが蘇りました。「まあ、ボチボチでした...」と口数の多くないテツローらしい控え目なコメントでしたが、流れを変えたのは間違いありません。その右サイドでの起点から、高い位置をとった茨田選手からのアーリークロスが田中選手の同点ゴールに。角度のない難しいシュート、本当によく決めてくれました。

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その直後、さらにCKのチャンス。田中選手のクロスを完璧に合わせたのは近藤選手でした。「でも、ゴールが入ったのかどうかもわからなかった。相手とぶつかったんで」。右のほお骨は赤く腫れあがっていました。「ドゥーさんが気持ちのこもったゴールを決めてくれた」「順也からいいボールが来た」。それまで停滞していたチームでしたが、試合の流れを読んで、ここだ!という勝負どころで畳みかける強さがありました。

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土曜日の新潟戦とまったく同じシチュエーションになりました。まるでサッカーの教授が課題を与えるように、選手たちは試されていたと思います。そして自然とゴールを守りきるという意思統一が選手の間で生まれ、残りの時間をうまく消化しながらタイムアップを迎えました。先日払わされた代償は計り知れず、取り返したくても二度と取り返せない勝ち点3ではありますが、でもこうして直後の試合で勝ちきれたことは大変大きなこと。「今のチームは勝ち癖をつけることが一番」という大谷キャプテンの言葉通り、課せられたミッションをひとつクリアしました。

今日レイソルの選手たちを追い込んだのは、レイソル育ちの選手でした。前半から右のFWとして先発した武富孝介選手が裏を突く動き出しや豊富な運動量でかきまわしました。そして代わって後半から入った中川選手が、レイソルアカデミー出身らしい最高のパスを通し、ベルマーレに先制点をもたらしました。

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試合後のミックスゾーン、tikitaka編集部の方が中川選手のコメントをとってくださいました。「レイソルが相手ということを意識せず、いつも通りの平常心で臨みました。アシストはイメージ通り、DFを見て、亀川選手と目が合って、パスを出しました。試合前にレイソルのサポーターからたくさん拍手をいただいてビックリしたし、とても嬉しかったです。もし機会があれば、また自分のプレーをみてほしいですし、8月の日立台の試合を楽しみにしています。ベルマーレに来て、また新しい自分を発見していますし、ひとつひとつ課題をクリアしながら、成長していきたい」。

今日は本当に消耗の激しい試合でした。すぐ土曜日には国立で鹿島アントラーズ戦です。休む時間は限られていますが、また勝利を重ね、レイソルらしい強さを見せてくれることを期待しています。今日は平日にもかかわらず、平塚に駆けつけてくださった皆様、応援ありがとうございました!