サッカー
担当:大重正人
まず、今日の試合。平日の夜なのに、これほどまでにスタンドが黄色と赤に埋め尽くされている様子を見て、昨年のACL広州戦を思い出しました。試合前からメディアの方が多く詰めかけ、いつもとは違う雰囲気や緊張感がありました。ただ、選手入場から両サポーターの応援は非常に統率がとれていて、キックオフ後のピッチでも個人対個人、チーム対チーム、戦術や球際のぶつかりなど、試合内容はとても拮抗した90分間でした。周りをとりまく難しい環境があるなか、今日の日立台は純粋にサッカーをプレーする選手たちと、それを応援する人たちによる、すばらしいゲームだったと思います。
ここまでのリーグ戦、2分1敗。「このゲームはとにかく、結果も内容も立て直さないと、本当にまずいという危機感が、みんなすごくあった」。田中順也選手はそう試合後に吐き出しました。対レッズということもあり、ここ3戦の4バックではなく、3バックで臨んだレイソル。そして最近のレッズ戦を振り返れば、ボール保持のレッズvsカウンターのレイソルという構図はみなさんも予想がついたと思います。ただ昨年11月のように、じっと耐え続けるという試合ではなく、ワタル&カオルの両翼があれほど輝いたように、レイソルの攻撃もしっかり形になっていました。
「とにかく結果を出さなければ」。田中選手の決意はプレーでしっかり表現され、特に橋本選手とのコンビネーションでレイソルの左サイドは活性化していました。前半終了間際のPK、レアンドロ選手が取ったもので、大きな重圧もあったかと思いますが「まったく緊張はありませんでした」と日本代表GKの西川選手相手に、落ち着いて浮かせたチップキックのPKゲット。そして後半のCKチャンス。実はあのゴールの3分前、同じ右サイドからのCKチャンスでいいクロスが入りませんでした。以前ジュンヤは「ニアのストーンにひっかかってしまうのが一番許せない」という話をしていました。ニアサイドに立ってクロスを跳ね返す選手をストーンと呼びますが、中央に飛び込む味方まで届かずというまさに悔しいミスを犯した直後。ニアを超えて、ゴール中央に落ちてくるボールを、慎重に慎重にキックしていたように見えました。
そこへ飛び込んできた、渡部博文選手。キャンプ当初から3バックの左CBとして起用されながら、なかなか結果を出せず、控えに甘んじる我慢の日々をすごしてきました。この日のチャンス、まずは力強い守備で失点を最小限に食い止め、そしてセットプレーのチャンス。それまで再三の攻守を見せていたGK西川選手の両手の上から叩き込む、レイソル最高峰の高さを遺憾なく発揮しました。
そして試合後、嬉しい再会がありました。中学生招待「B to Jシート」で日立台に来てくれた柏三中サッカー部のみんなが待ち構えていました。去る3月13日、キリと一緒に三中を訪問し、交流したみなさんです。「もう、本当にしびれました。すごくいい子たちだったし、直接会ってチケットを手渡したみんなの前で決められた。写真撮影の時も本当にみんな喜んでくれてました」。彼らは、この日の試合とナベのゴールを一生忘れることはないでしょう。
この最高の結果、今日で終わらせるわけにはいきません。ナベ個人としてもそうでしょうし、そして選手みんなが口にした「次のリーグ戦、徳島戦につなげないと」。この勝利が良かったと受け止めるためには、次の日曜日の勝利があってこそです。自信を取り戻し、連戦に挑みます。
今日は2004年以来となる、日立台でのレッズ戦。すばらしい応援で選手たちを後押しし、円滑な試合運営にご協力いただいた両チームサポーターの皆様、本当にありがとうございました。