2014年5月 8日

つながる歴史

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担当:河原 正明

 今日午前11時、日本より4日早く韓国サッカー協会がブラジルワールドカップ代表選手23名が発表されました。柏レイソルからはキムチャンス選手、ハングギョン選手の2名が選出されました。2人同時に選ばれた、と連絡を受けてまずはホッとしました。その2人は練習後に記者会見と取材対応を行いました。

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 発表の時間、チャンス選手は自宅で、グギョン選手はクラブハウス併設のトレーニングルームでその瞬間を迎えていました。先に名前が呼ばれたのはDFのチャンス選手。
「ここ数日、夜は眠れなかったのは事実です」と正直に話してくれましたが、苦しい胸の内を明かせるのも無事に代表入りを果たせたから。「すぐに両親、親友たちからお祝いの連絡があった」そうです。

 昨年10月末、ナビスコカップ決勝戦を控えた練習中に襲った悲劇。左足関節脱臼骨折で全治4ヶ月の診断。ケガをした直後の苦悶した表情と、ありえない形に曲がってしまった彼の左足を見て愕然とし、おののいたことは忘れられません。昨季はコンスタントに代表に選出されていただけに、一度はブラジルへの道が閉ざされたかと思われました。そこから年末年始もほぼ不休でリハビリを続け、2月のキャンプからボールを蹴りはじめ、シーズン開幕後にようやく合流。迎えた4月6日のセレッソ大阪戦で待望の復帰を果たしました。
 「セレッソ戦にスタジアムで受けた拍手は背中を押してくれましたし、大きな力になりました。レイソルサポーターの皆さんにはありがとう、と感謝しています。ワールドカップが終わっても自分はレイソルでチームのため、勝利のために一生懸命プレーしたいです」と何度も感謝のコメントが飛び出しました。困難を不屈の闘志で乗り越え、自らの足で道を開いたチャンス選手。堂々とワールドカップへ出陣です!

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 チャンス選手に遅れること数十秒、ハングギョン選手の名前も呼ばれました。一緒にいた大谷選手やトレーナーたちから大きな歓声があがり「十発くらい叩かれました(笑)」と手荒い祝福を受けたそう。さらに「クラッカーも鳴らしてお祝いしてくれました。そういう心遣いがうれしかった」とチームメイト、スタッフに感謝の言葉を述べていました。
 初のワールドカップ。「夢の舞台。まだ実感はないです」。会見では2012年のロンドン五輪メンバーに選出後にケガのため大会から離脱した「これまでに一番辛い体験」も包み隠さず話しました。それだけに今回に期する思いは人一倍大きかったはずです。

 高校を卒業して日本へ。「つらい時期もあったけど、あたたかい言葉に勇気をもらいました。自分を成長させてくれた反町監督(現・松本山雅監督)、チョウキジェ監督らに感謝したい」とまずは4年間在籍した湘南ベルマーレへの謝辞を。続けて「プレーを見て、オファーをくれた柏レイソルに感謝しています」とコメント。あわせて「レイソルサポーターにはありがとう、よりもスイマセンと言いたいです。まだ柏に来てから自分の100%、ベストのプレーを見せられていないと思っています」ともどかしい気持ちも吐露しましたが、彼の力はこんなものではないというのは、ブラジルで、そしてもちろん日立台のピッチで自ら証明してくれるはずです。6月には心置きなく思う存分暴れてきてほしいと願わずにはいられません。

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 会見の最後にフォトセッションを。二人の手にはホンミョンボ韓国代表監督が2002年のワールドカップで着用したユニフォーム。レイソルからワールドカップへ。ファンソンホン氏とユサンチョル氏、そしてキムチャンス選手とハングギョン選手へと12年を経て歴史がまたつながりました。本当にオメデトウ!