神戸撃破
担当:大重正人
「間違いなく明日は『闘い』といった様相で、お互いに引かない試合になると思う」。吉田監督の前日コメントのとおりの激しい肉弾戦が90分続きました。そこで一歩も引かず、自分たちのいい時間帯でゴールを挙げ、相手が優勢な時間を耐え抜き、最後にまた突き放しての2-0。互いを知り合った同士の戦い、いろんな思いをピッチ上でぶつけあい、レイソルが日立台でネルシーニョ率いるヴィッセルを破りました。
先月加入したエデルソン選手にとっては、来日初先発、この日立台でのデビュー戦。そしていきなりの大仕事をやってのけました。前半11分、相手ビルドアップをカットし、クリスティアーノ選手からのスルーパスに工藤選手が右サイドから抜けだします。「クリスからいいボールが出て、冷静にエデがフリーになったのが見えた。自分で打っても良かったが、エデのほうが確率が高いと思ったので、冷静にエデに入れた」。
ワンタッチで合わせると、DFとGKが戻り切れないところをしっかり打ち抜きました。「工藤の突破が見えたので、その時は自分がゴールしやすいポジショニングを取った所でパスが来て、あとは決めるだけだった。工藤とは特別、ゴール前でのプレーについて話してはいないが、毎日の練習の中でどういうプレーをするかを感じていた。まだ試合勘が100%戻ってきていないという意味で、あの時間帯に交代したのはチームにとって良かったと思うし、前半で自分の持っている力を全て出し切ろうとやっていた」。チームメイト、スタッフ、サポーター。そして昨日ちょうど来日した家族。みんなが待ち望んでいた人による、待ち望んでいたゴール。エデルソンの日立台初ゴールがチームを大きく勇気づけました。
後半立ち上がりからは、ネルシーニョ監督の修正もあってか、レイソルが自陣に押し込まれる時間帯が続きました。GK菅野選手は5試合ぶりの出場でもなんら変わりないパフォーマンス、落ち着き、キャッチングで安心感をもたらしてくれました。7月までの旧友、レアンドロ選手には鈴木選手とエドゥアルド選手が激しく応戦して決定機を許しません。そして72分、茨田選手のナイスカットからのカウンター、クリスとクドーの大きなワンツーで突破。クリスのクロスがファーへ流れたところ、そこにいたのは輪湖直樹選手でした。
「あの時間帯でも、前へ行くのが自分の良さだし、そうでなければ自分が試合に出ている意味がない」。そう言い切っただけの果敢なアタックから、左足を豪快に振りぬいて、苦しかったレイソルを間違いなく救う値千金のゴールを奪いました。DFとしても後半戦になっての4回目の完封となり「みんな声を掛け合って、守備の意識がひとつになっている。危ないシーンもあるが、一人一人が身体を張れているし、その結果が後半戦の完封勝利につながっている理由だと思う」と攻守ともに手ごたえを話しました。
吉田監督は、こう試合を総括しました。「中断、小休止を挟んだ後、比較的トレーニングを積む時間があった。その成果と結果と、両方とも手にできたことに、とても手応えや確かな足取りを感じた試合でした。もちろん苦しい時間もありましたし、たらればで言えば、相手の方がシュートを多く放ち、もし決まっていればというものはたくさんありましたが、前半からよく走り、ボールを拾って、プレーするというところを、意識として定着していければと思います。
ただネルシーニョの神戸とはあと2回やらなければいけないので(ナビスコカップ)、今日の、特に後半の苦しい時間、ボールが循環せず、それぞれの思いと足の動きがバラバラになってしまった時間帯をもう一度修正しないといけないし、そこの時間を大きな課題、反省点として、ナビスコカップだけでなく、これから続く広島、松本、ACLに向けて、確実に繋げていきたい」
これで、セカンドステージは3位に再浮上。次節は勝ち点3差で首位に立つサンフレッチェ広島戦を迎えます。今日の勝利により「首位攻防」というシチュエーションで戦えることは、またひとつ大きなモチベーションとなるはずです。ここから本格的な夏の連戦がスタートです。その初戦、大きな弾みとなる一勝となりました。16日の広島戦を挟んで、20日から「日立台4連戦」です。今日、久々に流れたヤマトのゴールテーマ、そんな日立台らしい試合を1試合でも多く生み出せるよう、選手たちの奮闘を支える応援、サポートをこの夏もどうぞよろしくお願いします!今日も最高の日立台の雰囲気をありがとうございました。